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2010年10月20日 (水)

ハーバード・ビジネススクール「ケース・スタディ 日本企業事例集」

ハーバード・ビジネススクールのケース・メソッドで日本企業が取り上げられた事例をまとめたもの。たぶん、議論をするときの材料として使ったものではないか。取り上げられているのは

松下電器産業:機器と変革(2000年の中村邦夫氏の改革)

日産自動車:再生への挑戦(カルロス・ゴーン氏によるリバイバル・プラン)

富士フィルム:第2の創業(写真フィルムからの脱却の過程)

資生堂:中国市場への参入

コマツ:グローバル化の取り組み

NTTドコモ:モバイルFeiliCa

楽天:Eコマース事業の創造

旭硝子:EVAの導入

プロダクション・アイジ―:アニメというビジネス

日本の企業家:稲盛和夫

の10件。読んでみましたが、議論の材料というのか、教官が執筆してようですが、著作として読者に読ませようというよりも、

ビジネス・スクールで教材として使うことを目的として書かれているように思いました。

端的にいえば、中途半端です。商品として出来上がっていません。これを完成品として提示できるような代物とはとうてい思えません。ここで書かれているのは、新聞や雑誌に発表されたような実務家ならだいたい常識として知っている程度の情報に多少のプラスアルファが加えられた程度のものに過ぎません。仮に、題材がその程度でも情報をある斬り口で整理して、隠されたことに気がつくというようなこともないです。情報が時系列に並べられている。そこに並べる意図も感じられない。

つまり、ここで並べた基礎的な情報を基に、ビジネス・スクールの学生なら自分なりに情報を集めて予習して、本番の議論に臨めということではないか、と思います。内容はその程度です。

そういう学生でない人をも対象に出版して、金を出させて買ってもらおうとするならば、せめて、ある程度の議論を経た後で、整理された分析の結果でも、経過段階くらいは反映させてほしい。そう思いました。

ただひとつ役に立ったとすれば、私の仕事の関係から、勤めている会社の企業紹介や業績の紹介を業務で行っていますが、このような書き方はやってはいけないという反面教師としては、とても有意義だった、と言っておきましよう。

もし仮に、この程度がスタディの結果だったとしたら、バカですね。この程度で経営者になった人の下では絶対に働きたくないと思います。

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