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2010年11月26日 (金)

ウォーレン・バフェットの「株主への手紙」2009(6)

製造、サービスと小売事業

バークシャーのこの部分の活動について問題を論じ尽くしましょう。貸借対照表と損益計算書の概要をグループ全体のために見ましょう。

このセクターの数多くしかも多様な活動のほぼ全ては、2009年の厳しい経済不況から1度ならず苦しみました。大きな例外はマクレーン、何千もの小売店への食料雑貨、キャンディと食料品以外のアイテムの卸売り、でした。グレーディ・ロジェは344百万ドルの税引前利益利益を計上させました。それは、312億ドルもの売上のうえで、1ドルにつき僅か数セントを積み重ねたものでした。マクレーンは、1520万平方フィートの敷地に3,242台のトレーラー、2,309台のトラクターと55の集配センターを所有し、多数の物的資産を使用しています。しかしながら、マクレーンの主要な資産はマネージャーのグレーディです。

我々には、売上が縮小した時でさえ利益を伸ばした会社、常に例外的な経営実績をあげていた、がありました。そのような経営を行ったCEOがここにいるのです。

不景気な工業部門に主に取引している、我々が所有しているビジネスの中では、マモンとイスカーの両社が比較的安定した業績を残しました。フランク・パトックのマモンは13.5%税引前利益率、最高記録を達成しました。売上は27%のダウンでしたが、フランクのコストを意識した経営により利益の低下を抑えることができました。

イスラエルに拠点をかまえるイスカーを止めることは、戦争、不況、競争者、誰もできません。イスカー以外の世界の2社の小型切断機の供給元は、昨年は困難な年で、年間を通して損失を計上しました。イスカーの業績は2008年からかなり下がってきましたが、昨年皆さんに我々が報告した日本の大規模な買収でありましたタンガロイを統合して、合理化サエしていた間ですら、同社は定期的に利益を報告していました。工業生産が反転した際に、イスカーは新記録を作るでしょう。アイタン・ヴァルトハイマー、ジェイコブ・ハルピッッ、ダニー・ゴールドマンの経営チームは、そのことを十分承知しているでしょう。

我々が所有している住宅や商業的な工事に関連するビジネスは2009年はひどい状態を受け入れざるを得ませんでした。ショー、ジョーンズ・マンビル、エイム・ブリック、及びミテックの合計税引前利益は227百万ドルで、建設関係が急成長していた2006年の1,295百万ドルに比べて82.5%の減少となりました。かれらの競合相手はこのような凹んでいるわけではありませんが、ずっとどん底を這いずり回っているのです。

昨年のバークシャーにとって大きな問題はネットジェット、ジェットの分割所有による航空事業、でした。長年にわたって、3つの主要な競争相手をあわせたものよりもさらに上回る業績をあげ、航空業界において最高の企業として確立するなど非常な成功を収めています。全体として、この分野での我々の優位性は議論の余地のないものです。

しかしながら、ネットジェットの営業活動は別問題です。我々が会社を所有した11年間で、この会社は157百万ドルの税引前損失を計上しました。その上、会社の負債は、昨年の4月に、購入時の102百万ドルから19億ドルまで急上昇しました。この負債にバークシャーの保証がなければ、ネットジェットは廃業していたでしょう。ネットジェットをこのような状態にしてしまったことで、私が皆さんの期待を裏切ってしまったのは明らかです。しかし、運良く、私は開放されました。

デイブ・ソコル、ミッドアメリカン・エナジーの非常に優秀な構築者、が8月にネットジェットのCEOに就任しました。彼のリーダーシップは変革をもたらしました。負債は14億ドルに縮小され、2009年に711百万ドルという驚くべき損失をこうむった後、会社は、今、利益を出す体制になっています。

最も重要なことは、デイブによってもたらされた変革は、ネットジェットの前のCEOで分割所有の生みの親であるリッチ・サンテルの主張した安全とサービスの最高級の基準を下回っていないことです。デイブと私は、我々や家族が航空機を利用する際に、ほとんどすべてネットジェットを利用するので、我々の取締役や経営者と同じように、これらの基準を維持することに可能な限り強い個人的関心を抱いています。我々は、どのような者であれ、特別な飛行機やクルーを充てられることはありません。我々は、まさに他のオーナー達と同じ待遇を受け、これは我々が個人で契約している際に他の人たちと同じように契約料を支払っていることを意味しています。要するに、我々は自分で料理したものを食べているのです。航空事業においては、他のいかなる証明も、それ以上のものではありません。

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