無料ブログはココログ

最近読んだ本

« 小林敏明「〈主体〉のゆくえ」(2) | トップページ | 小林敏明「〈主体〉のゆくえ」(3) »

2010年11月17日 (水)

ウォーレン・バフェットの「株主への手紙2008」(4)

規制されている公益事業

バークシャーはミッドアメリカンエナジーホールディングスの株式の87%を保有しており、この会社は多種多様な公共事業を行っています。それらのうち最も大きなものは、(1)ヨークシャー電力とノーザン電力です。これらは、イギリスで3番目に大きな電力供給業者として380万人のエンドユーザーを抱えています。(2)ミッドアメリカン・エナジーは、思いにアイオワ州で723,000人の顧客に電力供給のサービスを提供しています。(3)パシフィック・パワーとロッキー・マウンテン・パワーは西部の6州で170万人の顧客に電力を供給しています。(4)カーン・リバー・アンド・ノーザン・ナショナル・パイプライン、アメリカで消費される天然ガスのおよそ9%を運びます。

ミッドアメリカンのオーナーである我々のパートナーは2人のすばらしい経営者であるデイブ・ソコルとグレッグ・アベル、そして私の長年の友人であるウォルター・スコットです。彼らがどのていどの投票権を持っているかは重要なことではありません。我々は、彼らが賢明であるということで意見が一致している場合に限って、大きな行動を起こします。デイブ、グレッグそしてウォルターとの9年間にわたる共同事業で私のこのような信念はいっそう強まりました。バークシャー以上のパートナーはありませんでした。

いくぶん不似合いですが、ミッドアメリカン社は全米(アメリカのホームサービス)で2番目に大きな不動産仲介会社を所有しています。この会社は、16,000人のエージェントと21のローカル・ブラントを擁しています。昨年は、住宅販売にはひどい年でありましたが、2009年もよくなる兆しはありません。

ミッドアメリカン社の電力の供給とパイプライン事業の記録は本当に傑出しています。この主張を裏付ける資料が、ここにあります。

我々の2つのパイプライン、カーン川とノーザンナチュラル、は両方とも2002年に取得したものです。パイプラインを顧客満足度によって定期的にランク付けるMASTIOと呼ばれるものがあります。我々が購入したときに、全体で44本のパイプラインのうち、カーン川は9位、ノーザンナチュラルは39位にランクされていました。そこにはやるべき仕事がありました。

MASTIOの2009年のレポートでは、カーン川は1位に、ノーザンナチュラルは3位にランクされました。チャーリーと私は、このパフォーマンスをこれ以上のない誇りに思います。これは、数百人の人々が両方の事業で新しい文化を約束し、その約束を果たしたことによるものです。

電力事業での実績も同じような印象を与えます。1995年、ミッドアメリカンはアイオワ州で第1位の電力供給社となりました。賢明な計画と熱意ある効率化への取り組みによって、我々が買収してから電力料金は据え置かれたまま、2013年まではこれを保持することを約束します。

ミッドアメリカンは、風力の発電能力に占めるパーセンテージについてアイオワを全米の首位にすることにより、驚異的な価格安定性を獲得しました。我々の買収以来、ミッドアメリカンの風力発電施設は、総容量のゼロから20%に増大しました。

同様に、我々は2006年にパシフィコープを買収したとき、風力発電を積極的に拡大しました。風力による発電能力は、そのときには33メガワットでした。現在では794メガワットになりました。パシフィコープに行き着いて、我々は違った種類の風力発電に出会いました。この会社には、頻繁に開かれる98の委員会がありました。これらは現在では28になりました。一方、我々は、わずか2%の従業員でより多くの電力を発電し供給しています。

2008年だけでも、ミッドアメリカン社は2つの事業で風力発電に18億ドルをつぎ込み、現在では有する風力発電能力では全米で第1位です。ところで、その18億ドルとパシフィコープ(テーブル表には「ウェスタン」と表示されています)とアイオワの税引前利益11億ドルを比べてみて下さい。我々の公益事業において、我々は得た利益をサービスエリアの要請を満たすためにすべて使ってしまいます。実際、ミッドアメリカン社は2000年初めにバークシャーに買収されて以来、配当をしていません。その利益は、その代わりに顧客が必要とし有益な公益システムの開発に再投資しています。これと引き換えに、我々は投資した莫大な金額に見合うリターンを得ました。それは、すべての関係者のすばらしいパートナーシップです。

我々が長い間明らかにしている目標は、とくにファミリーによって打建てられ所有されているような企業の買い手となることです。この目標を達成するためには、我々がそれに値する買い手になることです。それは、我々が次のような約束を守ることを意味します。買収した企業にテコ入れしない、マネージャーに大きな自治権を与える、(我々はより厚く、細くしたいけれど)買収した企業をそのままにする。

我々の記録は、このようなレトリックに見合っています。しかし、我々と競合する大部分の買い手は、これとは異なる経路を経ます。彼らにとって、買収するのは“商品”なのです。かれらは、買収の契約書に署名したインクが乾く前に、“出口戦略”を考えています。したがって、事業の将来を気にかけている売り手に出会ったとき、我々の目標は大きな利点です。

数年前に、我々の競争相手は、「LBO業者」として知られていました。しかし、LBOというのは悪いイメージに捉えられるようになってしまいました。そこで、買収業者は、ジョージ・オーウェル風に彼らの呼び名を変えることにしました。しかし、彼らは、大事にしてきた料金体系やリバレッジに対する愛情を含む活動の重要な構成要素は変えようとはしませんでした。

かれらのあらたな呼び名は「プライベートエクイティ」です。これは逆様に事実を表わす呼び名です。彼らによる買収は、ほとんど常に買収した会社を買収前に比べて資本構成に対する資産部分を劇的に圧縮させます。ほんの2~3年前に買収された会社の多くは、現在、「プラベートエクイティ」業者によって積み重ねられる負債によって、死の淵に瀕しています。銀行の社債は1ドルにたいして70セントを下回る価格で売買され、公共債は遥かに大きな打撃を受けました。プラベートエクイティ業者は現在の危機に必要な資本注入を急いでいないことに注意して下さい。その代わりに、彼らは残りの資金を個人資産にしてしまっています。

ユーテリティの分野では大規模な家族経営の企業はありません。ここでは、バークシャーは監督機関の“選択の買い手”であることを望んでいます。提案が為されたときに買収者の適切性を判断するのは、株主よりむしろ彼らです。

これらの監査機関の前では、あなたは過去の履歴を隠すことはできません。かれらは、あなたが他の州で仕事をしたときでもそれを呼び起こし、自己資本へのコミットをふくめてどのように振舞ったかを尋ねることができます、そしてそうします。

2006年にミッドアメリカン社がパシフィコープの買収を提案したときに、我々が提出した6つ新しい州のレギュレーターは、アイオワでの我々の記録を調査しました。かれらは、また、慎重に、我々の資金調達の計画と能力を評価しました。我々は審査に合格しました。これからも同じように合格できるでしょう。

我々は2つの理由で自信があります。ひとつは、デイブ・ソコルとグレッグ・アベルが第1級のやり方でビジネスをすることができること。かれらは、事業のやり方について他の方法を知らない。我々が将来管理領域をさらに買収したいと考えていることは事実であり、それ以上に我々が現在の管理領域での我々の事業のやり方が将来の新しい地域で迎えられるかを知っている。

« 小林敏明「〈主体〉のゆくえ」(2) | トップページ | 小林敏明「〈主体〉のゆくえ」(3) »

バフェットの手紙」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ウォーレン・バフェットの「株主への手紙2008」(4):

« 小林敏明「〈主体〉のゆくえ」(2) | トップページ | 小林敏明「〈主体〉のゆくえ」(3) »