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2010年12月 9日 (木)

ジリアン・テット「愚者の黄金 大暴走を生んだ金融技術」(1)

以前に呼んだ「リーマンショック・コンフィデンシャル」と時期的に重なるが、CDSやCDOといった金融商品を生み出した人々と、その金融機関であるJ・Pモルガンの側から、金融危機を見ようとしたドキュメンタリー。本書もそうだが、ここでも以前に取り上げた「リーマンショク・コンフィデンシャル」にしても「ザ・クオンツ」にしても、綿密な取材が行われ、豊富な知識を駆使して書かれているので、門外漢にも読みやすい。これだけのものが書けるジャーナリストが何人もいて、何冊もの本が出版されると言うのは、アメリカではこの分野に対する関心が日本より高い社会というなのだろうか、ということを思ってしまう。果たして、日本の銀行家や証券マンで、この本に出てくるジェイミー・ダイモンのようにある程度人口に膾炙される人はいるのだろうか、かつての安田善次郎のような立志伝の人物は別にして、現在はいないだろうし、人々の関心もそういうところにはないと思う。その意味で、アメリカという社会の特異性が現われている本とも言えるのではないかと思います。文化的な背景の違いのためか、私の頭が硬直しているためなのか、そもそも債権の証券化ということ自体が、よく理解できないので、個人的に本書の議論には、時折、途中で置いてきぼりを食らったものでした。例えば、日本のケースで言えば、銀行がある企業に運転資金を貸し付けたりするとき、大抵の場合は、その後の貸し付け先の企業の経営状況を債権者ということで、帳簿を見る権利をもっている立場などによって注視して、時には追加融資等を行って、融資先の企業を成長させ、最終的には企業が成長した際には、銀行も企業も互いにWin Winで利益を得るというようにイメージしていました。しかし、債権を証券化してリスクを売り払ってしまうということは、融資先とそのような関係を継続することは難しくかるのではないか。融資した時点で証券化によりデフォルトのリスクを回避し、当初の見込み収益を先に確保できるとは思いますが、リスクを負うことによって将来得るかもしれない長期的な大きな利益を放棄してしまうことになるではないか。また、社会の公器としての金融機関の使命というような考え方はないのでしょうか、と思うわけです。(これが金融危機の時点で、審査もしないで住宅ローンの貸し付けを行うという無謀な事態になっていったかもしれませんが)その最初のところで、個人的に躓いてしまったので、理解しながら読み進めることは、難しかった。ただし、これは本書の価値を貶めることではなく、あくまでも、読んでいる私の側の個人的な事情によるものです。

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