あるIR担当者の雑感(19)~考えるということ2
考えることについての話題が続きます。前回、偉そうなことを書きましたが、だからと言って、考えてよりよい結果が出たかと言われれば、自信をもって、そうだとは、答えられないし、現に、今、第3四半期の発表に向けて、どう説明していこうかということに頭を悩ませています。独りでウジウジ考えていても、袋小路に入って答えが見つけられず、七転八倒。で、このようなときには、とりあえず、他人に話してみる、話しているうちに、何時の間にか、混乱を極めていた頭の中が整理されてくる、泥縄で新しい考えが浮かんでくる、と言うようなことがあります。このブログでも読書メモを掲載しましたが、「ザ・クォンツ」や「愚者の黄金」で金融商品を開発している人たちや、「美学VS実践」でプレイステーションを開発した人たちは頻繁にブレインストーミングをやっていることが出てきます。今、私のやっていることは、彼らのような開発の仕事とは全然違いますが、考える際には、このようなことがとても役に立つのはよく分かります。それで、私も、彼らとは違うやり方ですが、このようなことをやっています。私の場合には、彼らのようにチームでやっているわけではないし、社内では、ほぼ独りでこの仕事をやっているので、共通の基盤にある人がいません。そこで、社内ではできないことになります。ではどこで、やっているかというと、社外の人です。とくに、アナリストやファンドマネージャーとのミーティングなのです。(あの、その時、相手をして下さった方、こんなことを言ったからといって怒らないでください)実際のところ、彼らとのミーティングの席で、アイディアのヒントを得ることが多いのです。というのも、会社に対しての突っ込んだ質問をうけるということは、彼らの知識が豊富なことは言うまでもなく、彼らの視点は会社内での議論とは異なる視点であること、ミーティングの際にはテンションの高い状態でいること、ミーティングの際に彼らから新しい情報を得られることが多いこと。で、このような状態で集中した意識で質疑応答のやりとりをしている、あるいは、質問に対して、答えを組み立てていてロジックが通っていなかったりすると、追加質問を受けたりとか、そのプロセスの中で、鍛えられるということが起こってしまうわけです。このようなミーティングのやり取りの中で、無意識のうちに、自らの位置を再認識しているわけで、そのプロセスで自らの姿勢とか考え方が鍛えられるわけです。このところ、何回かミーティングの機会があって、そのことを実感しています。それを何とか、今回の決算で生かせないかと、頭を悩ませています。
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