無料ブログはココログ

最近読んだ本

« 河合忠彦「ダイナミック戦略論」(18) | トップページ | 河合忠彦「ダイナミック戦略論」(20) »

2011年2月12日 (土)

河合忠彦「ダイナミック戦略論」(19)

即興モデルとしてバーゲルマンモデルを検討したが、戦略形成プロセスについて、ブラウンとアイゼンハートのモデルを検討してみる。コンピュータ関連などの企業において連続的な新製品開発を意味する多製品イノベーションを実現する組織のモデルとして、次の3つの条件が充足されていることを明らかにした。第1の条件は当面のプロジェクトを即興的に処理していくことであり、このためにひつようなのは、プロ弱との優先順位や各プレイヤーの責任をはっきりさせた上で、各プレイヤーに自由を与え、広汎な相互作用を行わせることである。第2の条件は未来を様々の低コストの手法で探索することで、例えば、実験的な製品の導入、未来予測家の利用、先端的消費者・企業とのパートナーシップ、トップレベルでの戦略の集中討議などである。第3の条件は、現在のプロジェクトから将来のプロジェクトへとリズミカルに移行していくことであり、そのための方法としては、一定のペースで製品を開発すること、プロジェクト・マネージャーが新旧プロジェクト間での移行プロセスを柔軟に振付けることなどがある。このうち、即興の部分について、突っ込んで見てみる。ブラウン=アイゼンハートらによれば、成功している組織とは純粋に有機的な組織ではなく、プロジェクト・マネージャーが事故の明確な責任とプロジェクトの優先順位とを広汎なコミュニケーションによって結び付け、有機的な側面と機械的な側面とのバランスをとっている組織である。このような組織が望ましい理由は、メンバーを動機付ける上で有効であり、急速に変化していく環境の理解に役立つことに加え、即興を可能にするからである。つまり、少数のルールの下での広汎なコミュニケーションが、マーケットや技術の変化と同時的に製品を開発していくことを可能にするのである。このようなブラウン=アイゼンハートの即興もでるについて、次のような点を指摘できる。第1に、特定個人の活動に、また、創造性よりもスピードに焦点が当てられている点。第2に、一般的な即興のようなリーダーの存在しない中で、実質的なリーダーがプレイヤーとの2役をこなすようなことが想定されていない点。第3に、各プレイヤーの不確実性削減努力とともにリスクを負って独創的な新しい試みに挑戦する勇気を要するとこが考慮されていない点。これらの点を考慮した即興モデルとして、次のようなものが考えられる。

各メンバーはグループ全体のアウトプットとしての革新的・創造的な製品の開発に貢献するように独創的なアイディアをリスクを賭して提起しなくてはならず、またリーダーは代表としての役割と共に、一メンバーとしての役割も果たさなくてはならない。なお、交響モデルの交響のテーマに相当するものはなく、各メンバーの行動を律する少数のルールがあるだけである。

« 河合忠彦「ダイナミック戦略論」(18) | トップページ | 河合忠彦「ダイナミック戦略論」(20) »

ビジネス関係読書メモ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 河合忠彦「ダイナミック戦略論」(19):

« 河合忠彦「ダイナミック戦略論」(18) | トップページ | 河合忠彦「ダイナミック戦略論」(20) »