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2011年3月

2011年3月30日 (水)

小穴晶子「なぜ人は美を求めるのか─生き方としての美学入門─」(1)

Bi 著者は、最初に専門的な美学の本ではないとことわっています。

その根本的な問いは人生にとって、美や芸術は必要なのか。必要ならばなぜなのかということだと言います。例えば音楽について、作曲家や演奏家は、一瞬で消えてしまうような音を創り出すのに、なぜ自分の一生を捧げるのか。その一連の音のイメージに、彼らの人生の意味が込められているからだと思うほかないと言います。なぜ他の音でなくこの音なのか。「美しいから」という答えが出てくるにしても、その美しいということの背後あるものを追求していくと、生き方の込められた感覚的なイメージを美と考えれば、美について考えることは、生き方について考えることは重なってくる。

美学をこのように考えていくと、専門的な学問ではなくて、人々の毎日の生活にかかわるものとなる。つまり、人は誰でも毎日の生活を生きていかなければならず、人生をいかに生きるかという問いはすべての人にかかわる基本的な問題です。この著者が言っているような美について考えることは、よりよく生きるということが感覚に具体的にイメージとして示されるものということになり、美について考えることは、毎日の生活について考えることにつながります。

著者は言います。実効性をもった思想は、単に抽象的な理論ではなく、必ず日々の暮らしのなかに浸透していく。そうして、日々の暮らしのなかで、色や形や音などのイメージで具体的に表現されることによって維持される。そうやって維持していかないと、純粋に抽象的なものとして思想を維持するのは不可能である。いや、かりに可能だとしても何の意味もないだろう。思想とは抽象的な理論ではない。思想は絶えず現実とのかかわりあいのなかで試され、深められなければならない。そしてさらに私は次の点を強調したいのだが、思想は毎日の生活の中で味わわれなくてはならない。本当の思想とはこういった一連の活動なのだ。こう考えると、思想がイメージを必要とし、イメージが思想を必要とすることになる。この両者の響き合いのなかに美や芸術の意味を問う鍵がある。

第1章     日本古代の「タマフリ(魂振り)」の思想

著者は、最初に日本人の万物に魂が宿るという考え方に遡ります。魂とは思想の産物です。例えば、西洋思想では肉体と区別された精神的な統一体と考えられ、「実体」と言われます。肉体は滅ぶが魂は不滅だというのは、ここあります。これに対して、日本古代の思想は魂を実体的なものとは見ずに、一種の生命力として捉えます。それ故に、増えたり減ったり、なくなったりする。他人からもらったり、他人に与えることも可能で、どこからとこまで区切れるようなものではない。このように西洋の魂と日本古代の魂とは、かなり性格の異なるものですが、この魂がなくなると死んでしまうという点で共通しているのです。

さて、このような魂を生命力と捉えることは、力はエネルギーに置き換えられ、例えば光もエネルギーであり太陽に象徴されます。よりよく生きるとは、この力を活性化させ増大させることです。そのために魂を状態(活性化された状態)に向けて方向づけることが人生の目的となり、この目的に適った生き方こそが幸福とされ、そのために「魂振り」という考え方が現れたといいます。「振る」ということは、生き生きしているものはよく動くという事実に基づく連想ではないかと著者は言います。その方法論は光エネルギー、具体的には太陽エネルギーによって、魂を活性化されようというものです。例えば、古代神話の天照大御神に象徴的なように、日本歴史の中で「魂振り」の思想に基づいて日本の文化が形成されてきたといいます。

このような「魂振り」の具体例として御幣があります。よく神社の軒にぶら下がっている紙で、白い和紙で作られていることが多く、しかるべく切り込みをいれて、折り曲げて長方形の短冊がつながったようなものが2本で一組になっているものです。この御幣の重要な点は、これが風に吹かれたりして、ヒラヒラと揺れること、つまり「振れる」ことにあります。前述のように「振れる」ことにより魂という生命エネルギーを増幅させるのが「魂振り」ですから、御幣が「振れる」ことにより、その場所のエネルギーが増大する。するとその場所は神聖な場所となるわけです。よく神社の境内にある大きな木にしめ縄が結んであってそこに御幣が垂らされているのを目にしますが、もともと大木にまで育つという生命力の強いものが、普通の木ではなく、とくに活性化された濃密なエネルギーを宿す神聖な木として神木となっていることを示しています。もともと生命力の強い木を「魂振り」により活性化を促し、神聖な神木しなっていった。

ではなぜ、エネルギーの活性化がなぜ神聖という考えに結び付くかというと、古代の神々の頂点は太陽神である天照大御神であって、いわば神はエネルギーの源と考えられます。つまり、生命力というエネルギーが高い場所はエネルギーの源泉である紙に、より近い場所と言うことができるのです。

このような神聖なものが、同時に美的なものであると著者は言います。

その一例として、装飾はもともとは「魂振り」の方法として呪術的な手段だった言います。化粧やネックレス・イヤリングなどの装身具などは、もとは呪術の道具だったものが、その信仰が失われたために美的装飾の側面だけが残ってしまったものだと言います。

2011年3月24日 (木)

ウラディーミル・ホロヴィッツのピアノ、ジョージ・セル指揮ニューヨーク・フィル「チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番」

Photo 誰かから聞いた話では、本番前にホロヴィッツとセルが喧嘩をして険悪になっていたとか。それにしても…。ここで聴かれるのは協奏曲ではなく競奏曲あるいは闘奏曲といった演奏ではないかと思います。ジャズやポップスでいうバトルを連想させます。それだけにホロヴィッツのソロは鬼気迫るほど迫力があり、気力が漲っています。例えば第3楽章でリズミカルな軽快な舞曲的な入りから、左手のバスの飛び上るほど強打で、いったい何事が起ったのかと、聴く人を驚かせると、この後も、バスの強打が時に触れてアクセントのように、聴く人の耳に楔を打ち込むかのようにかき鳴らされる。それが、ホロヴィッツの、あの磨き抜かれたタッチで弾かれている中に、突然、乱入してくるかのように音が汚くなるなどお構いなしのように荒々しく、入り込んでくるので。印象が強烈です。そして、オーケストラをグイグイ煽るのです。驚異的な指回りなのでしょうか、速い複雑なパッセージをだんだん音量を上げながら、どんどんスピードを上げていくと、オーケストラも必死です。そこでは両者のスピード競争が展開されます。ずっと、以前、蓮実重彦がジョン・フォード監督の「駅馬車」という映画で駅馬車をアパッチが襲うシーンを、逃げる駅馬車と追いかけるアパッチが、まるで互いに協力してスピードの世界を演出しているように見える、と言っていたのを思い出させるものでした。

それだけでなく、ピアノの音が鋭角的に尖がっているのに対して、オーケストラも絶叫するように鳴らしていて、全体として、異常なほどの躁状態にはいっているような、緊張感の張りつめていて。

そして、このままでも圧倒的にすごい演奏であるのに、最後のコーダにはいったところで、ホロヴィッツはトップギアをさらにギア・チェンジさせ、信じられないような加速をしてみせるのです。これはホント、圧倒的で、その手際の鮮やかさは、まるで、まわりのオーケストラの高速演奏が静止して、取り残されるように感じられるほどです。最後に、オーケストラを置き去りにして、ホロヴィッツは先に勝手に終わってしまう。

チャイコフスキーのピアノ協奏曲は名だたるピアニストが録音していますが、これほど異様な緊張感にあふれた演奏というのは、おそらく空前絶後のものではないかと思います。ホロヴィッツもスタジオ録音の正規盤では、ここまで行っていません。この他にも、若いシャイーを翻弄するアルゲリッチのライブ録音やポゴレリッチのクリスタルのような、そして第3楽章が猛スピードの演奏など、興味深いものがありますが、どれもこの録音と比べると、正面突破ではなく搦め手という感じになってしまうのです。

また、録音状態はモノラルで雑音も多いのですが、気になりません。むしろ、雑音があることで、却って臨場感を高めています。

2011年3月23日 (水)

宮木あや子「花宵道中」

Miyaki 江戸時代の吉原を舞台に遊女たちの人生模様を連作短編の形式で描く。ある妓楼での遊女たちが織り成す人間模様、それぞれの遊女たちの一人語りをさせるように、それぞれの性格を浮かびあがらせていく。時系列的には行きつ戻りつし、次第に、あの場面は、実はこうだったのかというのが、読み進めていくうちに、明らかになっていく。

遊郭を舞台にしながら極限の男女の愛憎やら、遊女たちの悲惨な境遇のような、いかにもの題材は背景でさりげなく少しだけ匂わされる程度。女性向け官能文学の賞を受けたということだが、濃厚な官能描写は抑えられている。

それぞれが、うまく書かれていると思う。女性向けとの先入観を持っているわけではないが、例えば、OLとかいった人には、環境こそ違え、仕事場での人生模様として、それぞれのキャラに自分と似た点を見出し、感情移入するとか、共感するとかして読めるのではないかと思う。その意味では、サラリーマン小説(OL小説)の時代物版と考えてもいいのではないかと思う。

例えば、最初の短編で朝霧という遊女が東雲という男と縁日で出会ったあと、座敷で馴染客の席で再開するも、遊女という立場がらその男の前で馴染客との醜態を見せざる得なくなる。その後、東雲がその馴染客を刺し殺した後、たった一度の逢瀬のあと、朝霧は自殺してしまう。これを東雲の側からの事情は第3話で明かされ、彼が殺したのは実の父であることが明かされ、彼は朝霧を姉に同一視しながら、抑えていた父親に対する複雑な思いをたぎらせ、殺害に及ぶのが書かれている。しかも、東雲が朝霧の姉女郎として彼女に芸を仕込んだ霧風という遊女の実の弟ということも明らかになる。このような錯綜した関係から、語られることはあると思うけれど、朝霧の心の動きというが、ほとんど書かれていないので、なぜ、東雲との一度の逢瀬から年季明けも近く、見受け先も悪くないところで決まっていたのに、自ら命を絶つまでに至ったのかが、想像できない。その後の短編のなかで、時々、朝霧の死はエピソードとして出てきて、周辺の事実は次第に明らかにされていくのだが、どうして、朝霧がそこまで思いつめたのか。また、そのような大きな事実が周囲の人々、例えば親しい遊女たちに対する波紋のようなことが、あまり書かれておらず、結局は、朝霧という遊女の存在感がとても稀薄になってしまっているように思う。これは、この作品の登場人物に全般に言えることで、その点では、題材といい、ストーリーといい、作者の手際の良さがめぐまれているのに、今一歩の突っ込みが足りないように思われて、非常に残念な気がした。

2011年3月22日 (火)

ウォーレン・バフェットの「株主への手紙」2010(14)

年次総会

年次総会は4月30日土曜日に開催されます。我々の本社からキャリー・カイザーが責任者となります。今年の彼女のテーマは、飛行機、鉄道と自動車です。これは、ネット・ジェッツとBNSF、そしてBYDを引き立てる機会となるでしょう。

いつものようにクェストセンターの開場は7時30分で新しいバークャーの映画は8時30分からです。我々は、9時30分に、直接質疑応答に入り、昼食によるブレークを挟んで3時30分まで続きます。短い休憩の後、チャーリーと私は3時45分に年次総会を招集します。日中の質疑応答中に退出する場合は、チャーリーが話している間にしてください。

もちろん、会場を退出する最高の理由は買い物をすることです。我々は、会議場に隣接する194300㎡のホールにバークシャーの何十という子会社の製品で一杯にして、皆さんの買い物の手助けをします。昨年、皆さんは本文を尽くしてくれたおがけで、大部分で記録的な売り上げを達成できました。9時間の間に、我々は、1053足のジャスティンブーツ、12416ポンドのシーズ・キャンディー、8000のデイリー・クィーン・ブリザード(アイスクリーム)、8800本のナイフを販売しました。しかし、今年はもっとうまくできるでしょう。覚えておいてください。お金で幸せが買えないという人は、皆、どこで買い物をするかということを学ばなかった人です。

ガイコは、ブースに国中から最高のカウンセラー職員を何人も配置しておきます。そして、彼ら全員が皆さんに自動車保険の見積もりを提供する準備ができています。ほとんどの場合、ガイコは皆さんに8%の株主割引をすることができます。この特別提供は51の管轄のうち44で許されます。(一つの補足的な点として、特定のグループに入るような資格を得た場合には、その特典は付加的ではなくなります)今、入っている保険の詳細をお持ちください。そして、我々が皆さんのお金を節約できるかどうかに関係なくチェックアウトしてください。少なくとも半分は、我々には可能であると思います。

必ず、ブックワームにお越しください。そこには中国語版のチャーリーの自伝を含め60以上の本とDVDが揃っています。もし中国語が読めないようでしたら、コピーして持ち歩きましょう。きっと都会風で博学に見えますよ。書籍を送る場合なら、船便の手配もできます。

もし、気前よくお金を使える人、あるいは見物したい人は、土曜日の正午と午後5時にオマハ空港の東側のエリオット飛行に行って見て下さい。そこで、皆さんをドキドキさせるような、ネットジェッツの飛行機を目にすることができます。パスを手に入れて、プライベートジェットで帰りましょう。

このレポートに同封される総会招集通知には、皆さんが会議とその他のイベントに入場するための証明書取得方法が説明されています。飛行機、ホテルと自動車の予約に関しては、皆さんに特に支援するためアメリカンエキスプレスに再加入しました。キャロル・ペーターセンはこの関係の担当していますが、毎年、我々のために素晴らしい仕事をしており、私は彼女に感謝しています。

航空会社はしばしば、そうです、時には劇的に、バークシャの週末の間に、料金を値上げします。もし、遠くから来られるのなら、カンザスシティーとオマハに飛ぶ場合のコストを比較して見て下さい。ドライブは、それぞれ、21時間と2時間です。そして、特に、オマハで自動車をレンタルすることを考えているならば、目覚ましくお金を節約することができるでしょう。

ネブラスカ・ファニチャー・マートは、ドッジ・ストリートとパシフィック・ストリートの間の72番街に77エーカーの敷地にありますが、「バークシャーの週末」特別割引を再びやっています。昨年、この店は、年次総会のセールで3330万ドルを売上ました。その額、私の知る限りでは、他のどのような場所でも小売店の1週間のトータルを上回ります。バークシャー割引を受けるためには、4月26日の火曜日から5月2日の月曜日の間に買い物をし、さらに、その時に年次総会の証明書を提示しなければなりません。この期間の割引は、通常なら値引きに応じないような名門メーカーの製品に対しても、我々の株主のための週末の趣旨により、特別な例外を作り、なされています。我々は彼の協力に感謝しています。

バークシャーで株主のみを対象としたイベントを再び開催します。最初は、4月29日金曜日の午後6時から9時のカクテル・レセプションです。第2の、主なイベントは、5月1日の日曜日に開催され、土曜日の午前9時から午後4時まで、日曜日は午後6時まで、私は1時ごろに、ボーシェイムで笑いながら靴を磨き、63年前JCペニーの店でシャツを売ったように宝石を販売するでしょう。私は、未だ、やり手のセールスマンであることを、ボーシェイムのCEOであるスーザン・ジャックに話しました。しかし、彼女は疑いの目で見ています。それで、奥さんか恋人(おそらく同じ人)のために、内緒で何か買ってください。そして、私がやり手のセールスマンに見えるようにしてください。

ボーシェイムの週末には大群衆が集います。皆さんの便利のために、株主価格は4月25日(月)から5月7日(土)まで利用可能となります。その期間中、総会の招集通知か株主であることを証明する証券会社の通知文を提示してください。

日曜日にボーシェイムの外側のモールで、2度米国のチェス・チャンピオンになった、パトリック・ウォルフが6人グループの挑戦者のすべてと戦うでしょう。いつも閉じている彼の目を、誰が見開かせるでしょうか。付近では、ノーマン・ベック、ダラスから来た注目すべき魔術師、が見物人を驚かせます。その上、ボブ・ハーマンとシャロン・オズバーグ、世界最高のブリッジの専門家、は日曜の午後、我々の株主ブリッジの勝負ができます。

ゴラットとピッコロは5月1日に、バークシャーの株主だけに席を空けて待っています。ゴラットは1時に開店し、ピッコロは4時に開店し、両店とも10時まで営業しています。これらの店は、私が子供のころからのお気に入りで、日曜日の夕方、食べに行きます。予約は   に電話してください。忘れないように。

我々は、去年と同じ3人の金融ジャーナリストとの質疑応答に応じます。株主がメールで彼らに送った質問を中心に。彼らのメール・アドレスは次のとおりです。(省略)

各ジャーナリストは、送られた質問の中から1ダースほど選びますが、最も興味深く、重要なものとなるでしょう。彼らは、時間ぎりぎりは避けて、簡潔にして、バークシャーに関して、2つ以下に抑えれば選ばれやすいといいます。(メールでは、質問が採用された場合に、名前を出していいかどうかを、知らせるようにしてください。)

チャーリーも私も、出される質問に対して、手がかりを持っていません。きっと、ジャーナリストたちは厳しいものを選ぶことでしょう。そして、そういうやり方を我々は好んでいます。

我々は、自身で質問をしたい株主のために、土曜日の午前8時15分から13本のマイクロフォンを配置します。ミーティングでは、勝ち取った株主からの質問とジャーナリストによる質問に交互に答えます。我々は、少なくとも60の質問に答えたいと思っています。私としては、より多くの質問に答えたい。我々の目標は、この年間報告を通して、議場での議論を通して、皆さんがオーナーであるビジネスに対して、よりよい理解を得ることです。

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正当な理由があるので、私はビジネスのマネージャーたちの成果を称揚しています。しかし、我々のオフィスで私と働く20人も同じように大切です。

このグループは、効率的にSECやその他の法的な事項に対処しています。たとえば、14097ページにも及ぶれんぽ所得税の申告、無数の株主やマスコミからの質問に対する返答、年次報告、ミーティングの準備、役員会の調整、リストはまだまだ続きます。

彼らは、陽気に、そして、信じられないほどの効率で、これらのビジネス作業のすべてを取り扱います。そして、私の人生を、楽に、うれしくします。彼らの努力は、厳密で、バークシャーに関連する活動の範囲を超えます。

このホームオフィスのクルーに対して私は深く感謝しています。4月30日の資本主義のウッドストックに来てください。そして、彼らにも言ってあげてください。

今回で、今年のバフェットの手紙はおしまいです。原文を尊重しようと、できるだけ直訳のかたちで進めました。拙い訳で読みにくいところも多々あったと思います。英語力が足りなかったり、知識が足りなかったりで、意味不明のところがありました。あとは、補ってお読みください。ちょうど、これをアップしている期間中に色々なことがあり、他のことに手が行ったりありましたが、とりあえず終わり、感想などは別に書きたいと思います。

2011年3月21日 (月)

ウォーレン・バフェットの「株主への手紙」2010(13)

生命と負債

自動車レースの基本的な原則は、最後のゴールの時にトップに立つということです。皆さんはトップでゴールしなければなりません。疑いなく、一部の人は借りたお金を用いることで非常に裕福になりました。しかしながら、それはまた、非常に貧しくなるやり方でもありました。レバレッジが働くとき、利益は拡大するでしょう。皆さんの配偶者は皆さんが賢いと思うでしょうし、隣人は皆さんを羨むことになるでしょう。しかし、レバレッジは中毒性があります。一度、驚くほどの利益を得る経験をしてしまうと、ほとんどの人は、堅実な取引に戻れなくなります。そして、皆さんは小学校3年で学んだように、ある人は2008年に学び直したように、一連の正の数値は、その数がどんなに大きくても、ゼロを掛けるとゼロになってしまうのです。非常に賢明な人々が使う時でも、レバレッジ作用が非常に頻繁にゼロを算出することを歴史が我々に語っています。

もちろん、レバレッジはビジネスにとって致命的であることもあります。大きな負債を持つ会社は、債務を借り換えることを計画します。そして、その計画は、通常の場合、有効です。しかし、時折、会社に特有の問題や世界的な信用不足のため、満期には実際に現金を支払わなくてはならなくなります。そのために、現金を用意しておかなくてはなりません。

そして、借り手は信用が酸素に似ていることを学びます。どちらも、それが潤沢にあるときは、その存在を誰も気が付かないものです。それが無くなってしまうと、すべてが知られるのです。信用がわずかに足りなくても、会社は屈服せざるを得ません。2008年9月に、経済のあらゆる部門で夜のうちに信用が消えていったことにより、我が国全体が屈服の一歩手前まで行きました。

チャーリーも私もバークシャーの健全な状態に対して少しでも脅威をもたらすことになるような活動には興味がありません。(我々2人の年齢を足すと167歳で、今さら、棺桶リスト(死ぬ前にやっておきたいこと)にやり直すことを入れたいとは思いません)我々は、皆さん、つまり、我々のパートナーが、我々に貯金の大半を委託しているという事実を、いつまでも意識しています。その上、重要な福祉は思慮分別に依存しています。最後に、我々の保険契約者によって引き起こされた事故によって障害を負った被害者は、今から数十年間支払われるべき合計額が送られてくるのを待っています。我々が単にリターンの余分な数ポイントを追求するために、これらの顧客の皆が必要とするものを危うくするのは、無責任と言えるでしょう。

我々が金融の冒険主義に対して大きな嫌悪を持っていることを、部分的にでも、我々のささやかな経歴も示していると思います。チャーリーは私は52年間生活していたところから100ヤードも離れていないところで成長し、私の父や妻や子供たちと2人の孫が通った都心部の同じ公立高校に通っていたにもかかわらず、35歳になるまで、私と出会うことはありませんでした。しかしながら、チャーリーも私も私の祖父の食料雑貨店で若いボーイとして、5年間の契約期間で、働きました。私の祖父の名はアーネストでしたが、ほとんどの人は正しい名前で呼んでくれませんでした。だれも、アーネストのために、商品補充係としてでさえ、働こうとしませんでした。

次の見開きのページで、アーネストから末の子供(私の叔父のフレッド)に1939年に送られた手紙を、お見せします。彼は、同じような手紙を他の4人の子供たちにも送っています。私はアリスおばさんに送られた手紙を持っています。それは、彼女の財産の遺言執行人として1970年に彼女の貸金庫を開けた時、1000ドルの現金と一緒に見つけたものです。

アーネストはビジネススクールに行っていませんでした。実際、ハイスクールすら終えていませでした。しかし、彼は生き残りのための条件として資金の流動性の重要さは分かっていました。バークシャーで我々は彼の解決策である1000ドルに上乗せして、規制されたユーテリテイと鉄道事業を除いて、少なくとも10億ドルの現金を保持することを自らに課しました。我々は、習慣で、手元に200億ドル近くを保持しています。そのおかげで、先例のないほどの保険損失(保険業界にとって最大の惨事であったカトリーナ台風による約30億ドルという我々にとって最大の支払い)に耐え、金融危機の間でさえ、収や投資のチャンスを素早くつかむことができました。

我々は現金を国務省短期債券の形で保管し、100分の1パーセント以上の利回りとなる他の短期債券を避けています。これは、2008年9月にコマーシャル・ペーパーとマネー・マーケット・ファンドのもろさが明らかになる、ずっと前から固持していた方針です。我々は投資ライターであるレイ・デボウの観測に同意します“より多くのお金がスタート時点よりも利回りに手を伸ばそうとして失われている”バークシャーで、我々は銀行の与信限度額に頼りません。そして、総額が小さいものを除いて、我々は担保差し入れを必要とする契約を結んだことはありません。

さらにまた、現金は10セント銅貨すらも、過去40年にわたり配当や割り当て買戻しなどのために、バークシャーの外に出ることはありませんでした。その代わりに、今のところ1か月で約10億ドルの補強をしている、我々のビジネスを強くするために利益を全て手元に置いています。我々の自己資本は、このように、ここ40年の間に4800万ドルから1570億ドルまで増加し、我々の本質的価値も増加しました。他のアメリカの会社はこのような断固としたやり方で財務体力を確立させようとしはしませんでした。

レバレッジに対して慎重であることによって、少額からのリターンを得ることを禁じています。流動性の重荷を負っていますが、我々はよく眠れています。その上、時折我々の経済で噴出する混乱した事態の中で、他の者が生存を奪い合っている間、攻撃側に立つための財政的、精神的な強さを備えています。それは、2008年のリーマンの破たんに続く25日間のパニック状態の中で、我々が156億ドルを投資することを許したことです。

アーネストの手紙

親愛なるフレッドとキャサリンへ

長年の良き月日を過ごして、私は、単に現金を準備していなかったために、様々な損害をこうむった人々を知っている。私は、その時に必要としていたお金のために、持っていたものを犠牲にせざるを得なかった人も知っている。

お前のおじいさんは、長年の間、手が届く範囲に、ある程度の金額のお金をいつも持っていた。

何年もの間、私がビジネスで得たお金を蓄えることにより、緊急にお金を必要とする時に備えていた。この資金を有効に使う機会が、これまでに2回あった。

このように、私は皆が準備を怠るべきではないと感じた。私は、お前に何も起こらなければいいと思っている。しかし、チャンスはいつの日かお金を必要とし、必要度はひどくなり、このような考えのもと、お前が結婚する時、私はお前の名を書いた封筒の中に200ドルを資金として備えておくことを始めた。その後、追加し、今ではその中に1000ドル入れてある。

お前が結婚してから10年があっという間に過ぎた。そして、今もここに資金はある。

できれば、この封筒は貸金庫に入れて、お前が有意義な目的のために保管しておいてほしい。必要になるときは必ず来る。その時に、必要最低限の役には立つだろうし、緊急の必要にも応えるだろう。

このことにより投資や収入を得ることができるだろう。忘れてはいけない。もし、お前がすぐに投資の実現できなければ、1000ドルの用意があるという精神的な満足は、あなたの手元から離れてしまうことになるということを。

もし、そのあとでいいアイディアが浮かんだら、子供にそれを伝えなさい。

お前の伝言として、大きな地所を残したバフェットは決して大きな地所を残したわけではなかったが、何か一つだけでも残した。それは、稼いだすべてではなかったが、部分的にはたすけになるだろう。そして、それを、うまく生かしてほしい。

この手紙は、お前が結婚してから10年後に書かれた。

2011年3月20日 (日)

ウォーレン・バフェットの「株主への手紙」2010(12)

報告と誤り:計算できるものとできないもの

この手紙のはじめのところで、チャーリーと私はバークシャーを評価して、その進歩を量るためにみつけた数値を指摘しました。

我々が省略した、しかし、メディアでは多くが注目する数値、当期純利益、に焦点を合わせてみましょう。この数値は、大抵の会社では重要なのかもしれませんが、バークシャーではあまり意味がありません。我々のビジネスがどのように行われているかに関わりなく、全く法的に、チャーリーと私は所定の期間の当期純利益機をほとんど我々が好む数値にすることができました。

投資に関して実現された損失や利益が当期純利益に入り、未実現の利益(そして、ほとんどの場合の損失も)除外されので、我々は柔軟になれるのです。例えば、ある年のバークシャーに100億ドルの未実現の利益があり、一方で10億ドルの未実現損失があったとします。我々の当期純利益は、損失だけを計上するので、営業利益よりも少ないものとして報告されます。一方、我々に前年の実現された利益があれば、実際に我々のビジネスが非常に改善された時でも、我々の利益数%ダウンと見出しにすることもできるのです。

我々が当期純利益が本当に重要と考えているならば、我々は予定では巨額の未実現利益を持っているので、定期的に実現されたものを繰り入れていくことができます。ご安心ください、チャーリーと私は、有価証券を売却すると当期純利益に与える影響を考えて、有価証券を売却してきませんでした。我々は2人とも、1990年代アメリカ経済界には激烈に行われ、今でも以前ほど露骨でも頻繁でもないけれど行われている“ゲーム・プレイング”に対しては、深い嫌悪感を持っています。

営業利益は若干の欠点はありますが、一般に、我々のビジネスがどのように行っているかを合理的に見ることができます。それがあれば、我々の当期純利益の数値を無視しても、かまいません。規則に依れば、当期純利益を皆さんに、報告することを義務付けられています。しかし、皆さんは、マスコミの解説等がこの数値に焦点を当てているのを見ると、我々の場合よりも解説等の方で多く当期純利益の数値が使われているが分かるでしょう。

実現されたか未実現か、また、利益か損失かに関わらず、すべてが帳簿価格の計算では完全に反映されます。その測定基準の変化と我々の営業利益の推移に注意していれば、皆さんは道を誤ることはないでしょう。

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追記として、報告された当期純利益がどれほど気まぐれであるかを指摘しなければなりません。我々のプットオプションが2010年6月30日の満期日を迎え、我々は、その日、相手方に64億ドルの支払い請求を受けました。その時、証券価格は、全般的に、次の四半期の間上昇しました。そして、その四半期では9月30日に58億ドルにあたる数値にまで動きました。それでも、我々がこれらの契約を評価する際に使用するブラック・ショールズ方程式は、この間の貸借対照表上の負債を89億ドルから96億ドルに増やし、税効果の計算処理により、この四半期の当期純利益を4億5500万ドル減らすことを、我々に求めました。

チャーリーと私は、長期のオプションに適用されるときブラック・ショールズ方程式がひどく不適切な値を算出すると考えています。我々は、2年前の、このページでとんでもない例を述べました。もっと明確にいうと、我々はプットオプション契約の最初に投資をしています。そうすることによって、我々は取引相手お顧客が使用するブラック・ショールズ方程式による計算が不完全であると断言しました。

我々は、それでも決算書を発表する際には、その公式を使い続けています。ブラック・ショールズ方程式はオプション評価のための公認された基準で、ほとんどすべてのビジネススクールで教えられており、我々が、この方程式を用いないと、粗雑な会計処理をしていると非難されるでしょう。さらに、そうすることで、我々の監査担当者に克服できない問題を示すことになるでしょう。彼らは、我々の取引相手で、我々との契約の価値評価にブラック・ショールズ方程式を用いる人々が、クライアントとしています。このようなクライアントのブラック・ショールズ方程式で計算する価値と我々が独自に計算する価値があまりに遠くかけ離れてしまうため、この二つを監査担当者が両方とも正確であると証明することは不可能なのです。

監査担当者と監督機関に対してブラック・ショールズ方程式は正確な計算数値を生み出すことがアピールされています。チャーリーも私も、そのようなものは提供することができません。我々は、契約上の債務がブラック・ショールズ方程式で計算されたものよりも、はるかに低いと信じています。しかし、ガイコ、BNSF、そしてバークシャハサウェイ自身の価値について確な数値を示すことはできません。正確な数値を指摘することができないことは、我々にとって悩みの種ではありません。正確な計算による間違いよりだいたい合っている方を選択しているのです。

ジョン・ケネス・ガルプレイスは、かつて、経済学者は思考の点でも経済的であると陰険に述べました。彼らは大学院で人生の終わりまで一つのことを学習し続けます。大学の財務部門は、しばしば、同じように振る舞います。1970年代から80年代を通した効率的市場の理論に対する執着と、それを論破することになる強力な事実を、軽蔑的に例外と呼ぶことに、見ることができます。(我々は、地球平面協会は煩わしいが取るに足らない事実として宇宙船の地球の周回を見ている、というような議論が好きです)

明らかな事実として、ブラック・ショールズ方程式を教える学会の傾向は再検討を必要としています。さらに言えば、オプションの評価を思案する学会の傾向も同様です。皆さんだって、オプションの評価の能力がほとんどなくたって、投資で大成功することができるではないでしょうか。学生が学ぶべきは、いかにビジネスを評価するかです。それは、投資してみることが全てと、言えます。

2011年3月19日 (土)

シャーリイ・ジャクソン「ずっとお城で暮らしてる」

Osiro 通称メリキャットという少女が一人称で語る小説。彼女は姉のコンスタンスと共に立派なお屋敷(お城)で暮らしているが、そのお屋敷では数年前に、彼女の両親、弟、伯母がブラックベリーにかけた砂糖に砒素が混じっていたことにより毒殺されるという怪事件が起こっている。メリキャットは父にお仕置きのため部屋に追いやられ、食堂におらず、その料理をしたのは姉のコンスタンスで、そのコンスタンスは家族殺しの犯人扱いされて以来、お屋敷から出ることができずにいる。メリキャットは、その姉の変わりに、週に二度、村に食料品を買いに出かけては、村人からいじめを受ける。これに、伯父との三人暮らしは、周囲から隔絶されたもので、メリキャットは少し頭がおかしくなっているのか、子供のままなのか、魔法を信じ、魔法で姉を守っているつもりでいる。そこに、姉妹の従兄弟を名乗るチャールズという若い男が現れる。メリキャットは彼を拒絶しようとするが、コンスタンスは彼を受け入れてしまう。その闖入者の出現により、これまでの三人の静かな生活がだんだん崩れ始める。

このあと、屋敷がチャールズの煙草の火の不始末から、火事を起こし、消火に来た村人たちに、屋敷をめちゃくちゃに破壊されてしまうというクライマックスがあって、伯父が死んでしまい、残された姉妹は崩れかけた屋敷に閉じこもるというストーリーです。

ストーリーだけを取り出せば、そうかという感じでしょうが、最初にもいったように、少し頭がおかしくなっているメリキャットの一人称で語られているので、これらのどこまでが事実なのか、彼女の妄想なのか良くわかりません。そういう閉じた空間の、そのまた一人の視点に限った語られ方で、語る少女がおかしいという点で、読み進めるにしたがって、なんかおかしいという感じが、喉元にひっかかるような感じにつきまとわれました。

しかも、一人称の語り口というのは、だいたいにおいて、その主人公に感情移入して、視点を共有するような作品が多いのですが、たとえば、ドストエフスキーの「地下生活者の手記」とか、太宰治の「人間失格」とか、これは、主人公がとんじゃってて、読み手の感情移入を許さないので、読み手に違和感を感じさせます。この小説を面白いと思うかどうかは、その違和感から、不気味さとか怖さといったものを感じて引き込まれるかどうかだと思います。実際、のこの小説は恐怖小説に分類されているようです。スティービー・キングからも絶賛されている作家らしいです。帯には「人間心理にひそむ邪悪をえがいた」と書かれていますが、私には具体的に感じることはありませんでした。何か、それらしいものが、チラチラするのですが、それがチラチラで終わってしまって、それが大きくなるとも、変貌するとも、実体化するでもない、クライマックスにしても、そこで一気にというドラマではないということでした。

2011年3月16日 (水)

ウォーレン・バフェットの「株主への手紙」2010(11)

デリバティブ

2年前の2008年の年次報告ではバークシャが251のデリバティブ契約(ゲン・リーの残りやミッド・アメリカンのような子会社の活動で使われる以外の)の契約者であるとお話ししました。今日、これに相当する数は203で、この数字は我々のポートフォリオへの2~3の追加といくつかの契約の解除や満期を反映しています。

我々の継続的なポジションは、私はすべてに個人的責任がありますが、主に2つのカテゴリーに分類されます。我々は両方のカテゴリーを他の人が放棄したいリスクを引き受けることによるプレミアムを受け取るという保険のような活動に従事されるものとしてみます。たしかに、我々がデリバティブで使うために考えたプログラムは、保険事業で使うものと同じです。我々が契約を結びカウンターパーティーリスク(デリバティブ契約の相手方が契約通り履行しない恐れ)を冒さないときは、前払いで得ることができることは、皆さんお分かりのことと思います。これが重要なのです。

我々のデリバティブの最初のカテゴリーは2004~2008年に契約された多くの契約により構成されており、特定の高利回りインデックスに含まれる会社が債務不履行を起こした場合、我々が支払わなくてはならないものです。わずかな例外を除いて、我々は、5年間、100社をカバーしている各契約で、このリスクにさらされました。

我々は、これらの契約によるプレミアムを合計で34億ドル受け取りました。私が2007年のアニュアル・レポートでこれらについてお話ししたとき、私は“保険引受利益”、つまり、我々の損失が受け取ったプレミアムより小さいことを意味する、を契約により得るとお話ししました。それに加えて、我々はフロートを運用することにより利益を得ると言いました。

その後、皆さんよく御存じのように、我々は金融恐慌と厳しい不況に遭遇しました。高利回りインデックスの会社のいくつかは倒産し、それにより、我々は25億ドルの損失を支払うことを要求されました。しかしながら、今日、大部分の我々のハイリスクの契約が期限切れになったため、我々の運用リスクは我々から離れました。したがって、我々が当初予想したように保険引受利益をかせぐことは、ほぼ確実に見えます。その上、我々は契約が生きている間、平均して約20億ドルの無利子のフロートを運用することができました。要するに、我々は適正なプレミアムをチャージしました。そして、3年前に景気がひどくなったとき、我々を守ってくれました。

我々のもう一つのデリバティブのポジションは、“プットオプション”という名称で契約したもので、英米、欧州、そして日本での資産価格の可能性から身を守ることを望んでいる人々のために契約した保険を含みます。これらの契約は、米国のS&P500種株価平均や英国のFTSE100種指数のような様々な資産インデックスと連動しているものです。2004~2008年の期間、これらの47件の契約で48億ドルのプレミアムを受け取りました。これらのほとんどは、15年の運用期間のものです。これらの契約においては、終了日付のインデックス価格だけを計上します。それ以前の支払いは必要とすることはありません。

これらの契約に関して、皆さんにお話しする最新の情報として、2010年後半にカウンターパーティー・リスクのおそれから、2021~2028年に満期となる予定の契約を解約したことを私は報告することができます。我々は、当初、この契約に関するプレミアムとして6億4700万ドルを受け取りましたが、契約の解約により4億2500万ドルを支払わなくてはならなくなりました。その結果、我々は差し引き2億2200万ドルの獲得を果たし、さらにおよそ3年間の間6億4700万ドルを利息を支払うことなく、運用することができました。このように2010年の取引は、年末の時点で帳簿の上では39のプットオプション契約が残高として計上しました。これらの開始の段階で、我々は42億ドルのプレミアムを受け取りました。

これらの契約の将来は、確かに不確実です。しかし、これらについて展望があります。関連するインデックス価格が2010年12月31日の契約終了日の価格と同額であれば、外国為替相場が変化しなければ、2018年から2036年までの間38億ドルの借り入れをしていることになります。これを決済値といいます。

しかしながら、我々は年末の貸借対照表でプットオプションの残高を67億ドルとしなければなりません。言い換えると、関連したインデックス価格がその日から変化していないのならば、我々は翌年、負債額である67億ドルと決済値38億ドルの差額である29億ドルの増加を計上します。株価が上昇し、我々の債務が期日と今との間に落ち着くと信じています。もしそうなれば、この点からの我々の利益はさらに大きくなります。しかし、もちろん、ことは確実なことではありません。

何が確実かと言えば、我々は、平均して今後10年間運用に使用できるフロートの残高として42億ドルを保持しているということです。(このフロートと高利回り契約によるものも660億ドルの保険フロート合計には含まれません)現金は代替物であるので、BNSFの買収に貢献するファンドの部分を考慮しています。

以前、皆さんに申し上げたように、我々のデリバティブ契約のほとんど全部は、付帯事実、例えば、我々がそれ以外の時にはプレミアムをカットできるという事実、を計上する義務がありません。しかし、この事実は金融危機の間、我々の有利な買収を可能にし、快適な環境を提供しました。前述のデリバティブのプレミアムは十分価値があることが明らかです。

2011年3月14日 (月)

ウォーレン・バフェットの「株主への手紙」2010(10)

投資

我々の報告書上の利益は、ポートフォリオ会社が我々に支払う配当だけが反映しています。しかしながら、昨年の我々の投資先の未処分収益のシェアは20億ドル以上でした。これらの留保利益(利益剰余金)は重要です。我々の経験、そしてさらに言えば、過去の世紀にわたる投資家の経験において、未処分利益は、非常に不規則な方法ではありますが、市場獲得によって資金を補われ調和されられた、あるいは、超過となりました。(たしかに、時には相関関係は逆に進むことがあります)1人の投資家が2009年に言ったように、「これは離婚よりひどい。私は財産の半分を失ったが、しかも妻が残っている」我々は、将来、市場獲得と少なくとも我々の投資先の保有する利益が等しくなると考えています。

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バークシャーの正常な収益力に関する当初の予測では、我々は今後の投資に関連する3つの調整を収入にしました。(しかし、私が長と説明した未処分利益のために何も含んでいなかった。)

最初の調整は、明らかに否定的でした。昨年、我々は、相当な金額を報告書の利益に寄与していた5つの大きな債権確定利付投資について議論しました。これらのうち一つ、スイス・リー社債は2011年の初めに償還され、他の2つ、ゴールドマン・サックスとゼネラル・エレクトリックの優先株は年末までに処分されそうです。ゼネラル・エレクトリックは10月に、我々の優先株を償還する権利があって、そうする意向を明らかにしています。ゴールドマン・サックスは30日間の通知で償還できる権利を持っていますが、連邦制度理事会に阻止されました。残念なことに、間もなくゴールドマンに青信号を与えることになるでしょう。

償還を予定している3社は、集計で14億ドルのプレミアムを我々に支払うことになります。しかし、償還は歓迎されないでしょう。その後、我々の収益力はかなり落ちるでしょう。それは悪いニュースです。

2件の埋め合わせの見込みがあります。年末で、我々は2010年の間ずっとわずかな利益を生み出していた380億ドルの短期金融商品を保有していました。しかし、数ポイントで、より良い利率に回復するでしょう。それらは少なくとも5億ドル、多分もっとずっと多く、の投資収入を追加するでしょう。金融市場のこの種の利回りの増加はすぐにやって来るわけではありません。それでみ、我々が回復した利回りを“通常”の収益力の推定に含めることは可能です。利回りが高くなる前でさえ、我々は幸運を得て、蓄えている現金をそれなりのリターンを得る投資に振り向ける機会に恵まれました。その日が、早く来ることはないでしょう。イソップ物語を現代化するために、車の中の少女は電話帳の価値を持ちます。(意味不明)

それに加えて、現在、我々の保有する普通株式の配当は、確実に増加するでしょう。最も大きな増加はウェルズファーゴからのものになりそうです。ゴールドマン・サックスを通した我々の友人である、連邦制度理事会は、強いにせよ、弱いにせよ、この2年間で大手銀行の配当を凍結させました。ウェルズファーゴは、不況の最悪の時期にも一貫して繁栄を続け、現在も健全な財務体制と収益力に恵まれていますけれど、それゆえに、人為的に低い配当支払いを強制されてきました。(我々は連邦制度理事会を非難するつもりはなく、様々な理由で、危機とその直後の余波の間は、意味のあることでした。)

あるポイント(時点?)で、おそらくすぐに、連邦制度理事会の規制は終わることになるでしょう。そのとき、ウェルズファーゴは、そのオーナーが業績にふさわしいと考える合理的な配当政策に戻すことができるでしょう。その時、我々は、この有価証券からの配当が毎年何億ドルも増加すると思っています。

我々の保持する他の会社も、同じように配当を増加させるでしょう。コカコーラは、我々が株式を取得し終えた翌年の1995年には8800万ドルを、我々に支払いました。それ以来毎年、コカコーラは配当を増やしました。2011年には、昨年よりも2400万ドル増えて3億7600万ドルを、ほとんど確実に受け取ることができるでしょう。10年以内に、我々は、その3億7600万ドルが二倍になると思っています。その期間が終わるまでに、コカコーラの年間収入における我々のシェアが我々の投資額を100%上回る事態になっても驚かないでしょう。時間は、素晴らしいビジネスの後援者です。

全体として、我々の“正常な”投資収入が2010年に実現したものに少なくとも等しいと信じています。私が開設した償還が2011年とだいたい2012年に同じように、取り分をカットされてしまうけれど。

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昨年の夏に、ルー・シンプソンが引退したいと、私に話しました。ルーはほんの74歳という、チャーリーや私はバークシャーでは見習いと考える年齢だったので、彼の申し出は、驚きでした。

ルーは、1979年、投資マネジャーとしてガイコに加わりました。そして、会社に対する彼の貢献は非常に貴重でした。2004年の年次報告で、私は株式で彼の記録を詳しく述べました。そして、彼のパフォーマンスが私のを悪く見えさせたというだけで、最新版の記述を省略しました。誰が、それを必要とするでしょうか。

ルーは自分の才能を触れ回るような人物ではありません。しかし、私はそれをします。手短に言って、ルーは偉大な投資家の一人です。彼がいなくなると寂しくなるでしょう。

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4年前、私、チャーリー、ルーがここにいなかった時に、我々が続けていくために1人以上の若い投資マネージャーを加える必要があると、皆さんにお話ししました。その時、我々には、今我々が行っているようなCEOの仕事にすぐ就くことのできるような顕著な候補者が数人いました。しかし、我々は投資の面でバックアップしませんでした。

多くの投資マネージャーを最近の素晴らしい業績によって評価するのは簡単です。過去の結果は重要ですが、将来の可能性を判断するためには、十分ではありません。マネージャーがリスク(あまりに多くの学者が選択するベータでは測定しきれないもの)を感じ取り、理解しているように、記録がどのように成し遂げられたかということは重要です。リスク基準に関して、我々は評価することが困難な技術、例えば、以前に観察されない経済シナリオの影響を予想する能力、をもった人材を探していました。最終的に、私は与えられた仕事をするという以上にバークシャーで働くということを尊重する人物を欲していました。

チャーリーと私が、トッド・コームズに会ったとき、彼が我々の要件に合っているのを知りました。ルーの場合と同様に、S&Pに比例して彼の実績に基づく給料と付随的な支払いを彼に支払うでしょう。我々は、過分な支払いによってマネージャーがシーソーのような不安定なパフォーマンスに陥らないように延期や繰り越しの準備もしています。ヘッジファンドでは、業績が悪化したとき、上層部で莫大な支払いを受け、大金を抱えて立ち去った無限責任社員がひどい振る舞いを演じました。同時に、有限責任社員は初期で得た利益を失いました。時々、その同じ無限責任社員が、将来の利益に参加できるように、過去の損失の回復する必要のない別のファンドを素早く立ち上げました。そのようにマネージャーにお金をつぎ込む投資家はパートナーではなくお人好しというレッテルをはられるべきです。

私がCEOである限り、大多数のバークシャーの債権と普通株を管理し続けます。トッドは、まず、彼が毎年リセットできる量である10億から30億ドルの範囲で資金を管理することになります。彼の焦点は普通株ですが、投資の形態は制限されません。(ファンドのコンサルタントは“ロングとショート”“マクロ”“国際的な株式投資”のようなスタイル・ボックスが好きです、バークシャーでの我々のそれは“賢明に”です)

時とともに、我々は適切な人物を見つけることができれば、1人か2人の投資マネージャーを加えることができるかもしれません。我々がそうすれば、我々は各々のマネージャーのパフォーマンスの補償の80%をそれぞれのポートフォリオと他のマネージャーの20%の補償に依存させるでしょう。我々は各人の成功のために、大きく報いるが、一方で競争ではなく協力を促す補償制度を欲しています。

チャーリーと私が、最早周りにいなくなった時、投資マネージャーたちはCEOと取締役会によってセットされた方法でポートフォリオに対する全責任を負うことになるでしょう。良い投資家はビジネスの買収に対して役立つ展望をもたらしてくれるので、我々は投票権は持たない彼らの意見をあり得る買収に対する知恵を借ります。もちろん、最終的には、取締役会は主要な買収に関しては招集されます。

脚注:トッドが我々に加わることについてプレスリリースを出したとき、彼が“無名”で、我々が“大物”を探さなかったことに何人かのコメンテイターたちは当惑を表明しました。私は、彼らのどれほどが、1979年のルー、1985年のアジッド、1959年のチャーリーを知っていたか分かりません。我々の目標は10年たって硬くなったパンではなくて、2年ほどの経験の事務局を見つけることでした。(これは80歳のCEOが使うにはもっとも賢明な比喩かもしれません)

2011年3月12日 (土)

ウォーレン・バフェットの「株主への手紙」2010(9)

金融と金融商品

この我々の最も小さなセクターは、エクストラ(トレーラー)とコート(家具)という2つのレンタル会社とプレハブ住宅の主要な生産とレンタルのクレイトン・ハウスを含みます。

非常に低い地点からではありましたが、我々のリース事業は、昨年、2社ともパフォーマンスを向上させました。エクストラは2009年の63%から2010年には75%まで設備の利用率を高め、これにより税引き前利益を2009年の1700万ドルから3500万ドルまで引き上げました。コートは年々ビジネスが好転し、また、事業を厳しく引き締めました。この組み合わせにより、2009年の税引き前損失300万ドルから、2010年には税引き前利益1800万ドルに結果を好転させました。

クレイトンで、我々は業界総計50,046軒の47%である23,343軒を生産しました。342,843軒の住宅を生産した1998年のピークとこれを比べて見ていただきたいと思います。(我々は、その時業界のなかで8%のシェアでした。)売上高は、昨年、どんな状況でも酷かったでした。しかし、私が2009年のレポートで言及した金融問題により苦悩が深まります。説明すると、我が国政府の住宅ローン政策は、FHA、フレディ・マック及びファニー・メイにより許容されるローンを通じて表されていますが、住宅建築を支持し、プレハブ住宅の提供する価格優位性を否定しようとしています。

我々は他のどの会社よりも多数のプレハブ住宅の購入者に融資します。それゆえ、我々の経験は住宅ローンの実行を徹底的に見直そうとしているこれらの人々には有益なのです。見てみましょう。

クレイトンはオリジナルの200,804件の抵当権を持っています。(それにまた、若干の住宅ローンポートフォリオを購入しました)これらの契約の当初は、我々の借り手のFICOスコア(金融機関が融資申込者の審査をする際に消費者信用データから算出する信用情報スコア)の平均点は648点でした。また、47%は640点以下でした。銀行家はそのような得点の人々は信用の点では疑わしいと判断すると言うでしょう。

それにもかかわらず、我々のポートフォリオは、このような緊迫した状態の中でうまくいっています。ここに、最近5年間のオリジナル・ローンでの損失経験が活きています。

失業や病気、離婚に見舞われたとき、我々の借り手は困ったことになります。不況は、彼らに大きな打撃を与えました。しかし、彼らは自分の家で生活したいのです。そして、通常は、収入に応じた相応な額の借り入れをしていたのです。その上、我々は我々の融資した住宅ローンに起因する抵当権を持ち続けていました。これは証券化したり、転売もしていなかったことを意味します。我々は、融資の際に愚かであったなら、その代価を支払うつもりでした。神経を集中させていました。

もし、全国の住宅購入者が我々の購入者のように振る舞ったら、アメリカには住宅ローンによる危機が起こらなかったでしょう。我々のアプローチし単に意味のある頭金を得て、毎月の固定額の支払いを収入に対して適切な割合にすることでした。この方針により、クレイトンは支払い能力を、購入者は家を手放すことがありませんでした。

とりわけ、今日の低価格とバーゲン金利で家を持つことは大部分のアメリカ人にとって有意義です。私の行った3番目の優良な投資は我が家の購入でした。私は、それ以上にお金を儲けましたが、その代わりにお金を借りて株を買ったのでした。(2つの最良の投資が結婚指輪でした)代価の31,500ドルで、我が家、家族、そして私は52年間の素晴らしい思い出を得ることができました。

しかし、購入者の目が財布より大きく、貸し手が政府保証で保護され、彼の幻想を容易にするなら、家は悪夢であるかもしれません。我が国の社会的目標は夢の家に家族を住まわせることではなく、彼らができる範囲内で家を手にすることができようにすべきです。

2011年3月11日 (金)

ウォーレン・バフェットの「株主への手紙」2010(8)

規制された、資本集約的な事業

我々には、BNSFとミッド・アメリカン・エナジーという2つの非常に大きなビジネスがあり、これらには他の多くのビジネスと区分される共通の大きな特徴があります。したがって、我々はこの報告書の中でひとつのセクターにまとめ、GAAP貸借対象表と損益計算書からこの2社の財務統計を分けています。

この2社の重要な特徴は非常に長期間の安定化資産による巨大な投資をしていることです。それらの資金はバークシャーの保証がされていない長期借入金です。そこでは、我々の信用は必要とされていません。2社とも、非常に厳しい経営環境の時でさえ、十二分に資金要求をカバーできるほどの収益力を持っています。たとえば、景気後退の2010年には、BNSFの自動車荷積み高はピークレベルを遥かに下回りましたが、インタレスト・カバレッジは6:1でした。

2社は非常に規制されていて、主要な設備投資を絶えず続けていかなければならない必要があります。2社は、また、コミュニティや監督機関の尊敬を得るために効果的で顧客満足の高いサービスを提供する必要があります。代わりに、2社にとって将来の設備投資の際に合理的な利益を得ることが保証される必要があります。

以前に、私は、鉄道が我が国の将来にいったいどのくらい重要かをお話ししました。鉄道はマイルあたりのトン数で量られるアメリカの都市間の貨物輸送の42%を担っており、BNSFは業界全体の28%と、他のどの鉄道よりも動かしています。この小さな数字は、マイルあたりのトン数で量られるアメリカのすべての都市間の貨物輸送の11%以上がBNSFによって担われているということの証しです。西海岸への人口のシフトがあれば、我々のシェアはさらに高まるでしょう。

このすべては巨大な責任を加えています。我々はアメリカ経済の循環系の主要で重要な部分です。そして、絶えず23,000マイルに及ぶルートに沿った橋、トンネルやエンジンや車両を維持し、改良していく義務があります。これらの仕事の際に、我々は単に社会的ニーズに対応するだけでなく、今後のニーズも予想していかなければなりません。社会的義務を果たして、我々は定期的に減価償却費よりはるかに多額の費用、2011年には20億ドルに達する超過額、を費やすでしょう。私は、このような巨大な超過投資に対して適切なリターンを得ることができると確信しています。賢明な規則と賢明な投資は同じコインの裏表です。

ミッド・アメリカンでは、我々は同じような“社会契約”に参加しています。我々は顧客の将来の必要性を満たすため、総額を右肩上がりに増やしていくと考えています。その間、確実で効率的に事業を進めていけば、我々は、これらの投資に対する公正なリターンを得ることができることを知っています。

ミッド・アメリカンは全米で240万人の顧客に電力を供給し、アイオワ、ワイオミング、ユタでは最大の供給元であり、その他の州では重要なプロバイダーです。我々のパイプラインは我が国の天然ガスの8%を輸送します。数百万人アメリカ人が、毎日、我々に依存していることは明らかです。

ミッド・アメリカンは所有者(バークシャーの利息は89.8%です)と顧客の両方に優れた結果をあげました。ミッド・アメリカンが2002年にノーザン・ナチュラル・ガス・パイプラインを買収した直後、パイプライン会社としてのパフォーマンスは、業界の主導的な権威より、43社中で最後の43であるとの評価を受けました。ごく最近発表されたレポートでは、ノーザン・ナチュラルは第2位にランクされました。首位は、我々以外のパイプライン、カーン川でした。

電力事業においても、ミッド・アメリカンはこれに匹敵する記録を持っています。我々が1999年に、この事業を買収して以来、アイオワでの料金率は上がっていません。同じ期間の間、州内の他の主要な電力会社は70%以上も価格を上げて、現在の我々のものを遥かに上回る料金率になっています。2つの事業が並んで活動する、ある大都市圏では、我々の顧客の電気代は隣人ものと比べてはるかに下回る金額になっています。彼らが我々のサービスエリアにいるなら、これらの都市で比較できる家は相当高額で売られているということができます。

ミッド・アメリカンには2011年末まで2,909メガワットの風力発電が稼働しているでしょう。これは、我が国の他の電力会社よりも多いです。ミッド・アメリカンが風力発電に投資した額は、なんと、54億ドルです。ミッド・アメリカンは得た利益のほとんどを一般に還元する他の電力会社と違って、内部に留保するため、この種の投資をすることができるのです。

皆さんもお分かりのように、私はBNSFのマット・ローズ、ミッド・アメリカンのデビッド・ソコルとグレッグ・アベルにより社会に貢献できていることを、誇りに思っています。私は、彼らがバークシャーの株主に対して達成してくれたことに、誇りと感謝を持っています。関連した数字を下に示します。(数字は省略します)

2011年3月10日 (木)

ウォーレン・バフェットの「株主への手紙」2010(7)

最後に、我々は一群のより小規模な会社を所有しており、そのほとんどは保険業界であまり他人がやらないような分野を専門としています。全体として、それらは一貫して利益をもたらし、下の表(表は省略します)が示すように、それらが我々に提供するフロートは相当なものです。チャーリーと私は、これらの会社とマネージャーたちを大事にしています。

製造、サービス、小売り事業

バークシャーのこの部分の活動はウォーターフロントをカバーします。しかし、全グループのおおまかな貸借対照表と収支報告書を見ましょう。(表は省略します)

会社の、このグループはキャンディからジェット機まで及ぶ製品を売ります。このビジネスのいくつかは、レバレッジの利かない無形資産によって量られ、税引き後で25%から100%以上という素晴らしい結果を残しています。他の事業は12~20%のリターンを生み出していす。残念ながら、2~3は乏しい収益しか上げておらず、これらは私の資本配分の仕事で犯した重大な誤りです。私が買収したビジネスの競争力かそのビジネスの産業の将来の経済状態に対する判断を誤ったことが、この過ちの原因です。私は買収しようとするときには、10年先、20年先を見ようとしますが、時には視力が鈍ることがあります。

このセクションの会社の大部分は、昨年、収益を向上させました。そして、4社は記録を作りました。それでは、最初にそり記録破りから見ていきましょう。

     TTIは、我々の電子部品ディストリビュータで、2008年に記録した最高値を21%上回る売上げを達成し、初期の最高値を58%上回る税引き前利益を上げました。販売の増加は3つの大陸にわたり、北アメリカで16%、ヨーロッパで26%、アジアで50%の増加となりました。TTIが提供する何千もの製品は、1ドル未満で売られる月並みなものです。TTIの魔法のようなすばらしいパフォーマンスは、CEOであるポール・アンドルーと彼の同僚たちによって作り出されたものです。

     フォレスト・リバーは、我々のRVとボートのメーカーで、ほぼ20億ドルの記録的売り上げと、同様の収益を記録しました。フォレスト・リバーには82の工場があり、私は未だそのうち1つしか(あるいは、さらに言えば本社しか)訪問していません。その必要がないからです。CEOであるピート・リグルは素晴らしい活動をしています。年次総会に製品を見に来てほしいと思います。そして、できれば、1つ買ってほしいとも。

     CTBは農機具会社で、再び収益の記録を作りました。私は2008年の年次報告で、皆さんにCEOのビック・マンチネッリのことをお話ししました。彼はずっと好調です。バークシャーは、2002年にCTBに1億4千万ドル払いました。それ以来、我々は1億6千万ドルの配当と4千万ドルの負債の返済を受けています。昨年、CTBは税引き前で1億600万ドルの利益を上げました。生産性向上は、この増加の多くをもたらしました。我々がCTBを買収したとき、従業員1人当たりの売上は189,365ドルでしたが、現在では405,878ドルになっています。

     皆さんは靴を信頼していますか。HHブラウンはジム・アイスラーによって運営されるよく知られたブランドで、売上と収益で新記録を達成しました。(我々の年次総会で1,110足の靴を売り上げました)ジムは主要産業の変化に見事に適応しました。彼の仕事は、フランク・ルーニーという89歳の素晴らしいビジネス・マンであり、ゴルフコースで賭けをするような危険な人物に監督されていることにも言及しなくてはなりません。

このセクターで年々行われている改善についてネットジェッツに特筆すべき話があります。私は、この会社でのデイブ・ソコルの業績と幅広さを誇張はできません。彼はジェット機の分割所有を進めました。ネットジェッツは長年事業での成功を続けており、2010年のシェアは最も近い競争相手の5倍を持っています。我々の圧倒的なリーダー・シップは、パイロット、整備士とサービス要員の素晴らしいチームから生まれます。この乗務員は定期的な調査で顧客満足について、2010年の仕事で再び最高記録を達成しました。

たとえ、ネットジェッツが顧客満足で勝者だったとしても、我々の財政的な結果は1998年の買収以来失敗でした。2009年までの11年の間、ネットジェッツは合計で1億5千7百万ドルの税引き前損失を報告しています。これは、ネットジェッツの借入経費がバークシャーの信用の自由な使用による大きな補助により、ここまで控えめな数字に抑えられました。ネットジェッツが単独で事業をやっていれば、損失は数年で数億円になっていたでしょう。

我々は、現在、バークシャーの保証に対する適切な料金を請求しています。この料金は2010年には3800万ドルになりましたが、ネットジェッツは2010年には2009年から9億1800万ドル上振れさせて、税引き前で2億700万ドル稼ぎました。デイブは迅速な経営のリストラ及び購買と経費の合理化により現金の大量流出を抑え、バークシャーの唯一主要なビジネス上の問題を堅実で利益の上がる体制に変えました。

一方で、デイブは安全性とサービスに関するネットジェッツが業界をリードする評判は維持しました。多くの重要な方法では、我々のトレーニングと事業の基準はFAAによって要求されているものよりもかなり厳しいものです。最高級の質を保つためには正しいことです。しかも、私には、この方針を擁護する個人的な理由があります。私と家族はネットジェッツを5,000時間以上(1日24時間で7か月間ぶっ続けで飛行し続けるに等しい時間です)利用しており、将来はさらに数千時間利用することになるでしょう。私と家族は特例を受けず、少なくとも100機の飛行機と300人の乗務員の組み合わせを経験しました。飛行機や乗務員がどんなであっても、私たちはそれぞれの個人飛行で最も訓練されたパイロットと飛行していることを知っています。

我々の製造、サービス、小売り事業での最大の稼ぎ手は130のビジネスの集合体であるマーモンです。我々はプリカー家からこの会社の17%の株式を取得予定で、これを実行した場合80%まで持ち株を増やすことになります。そのコストはおよそ15億ドルです。我々は、さらに2013年か2014年にフリッカー家が選んだ日に、残りの持ち株を購入します。フランク・パトックはマーモンをすばらしく経営しており、我々は100%所有することを楽しみにしています。

マーモンの次に、この部門の2社の大きな稼ぎ手はイスカルとマクレーンです。両社とも素晴らしい年を過ごしました。2010年にグレーディー・ロジェのマクレーンは食品、タバコ、キャンディと雑貨の卸売業者として320億ドルの活動を補足するためにワインと蒸留酒の卸売に参入しました。ジョージアとノース・カロライナの事業会社であるエンパイヤ・ディストリビューターを買収する際に、我々は活動的なCEOであるデビッド・カーンと協力しました。デビッドは地理的に拡大しようとしている我々の努力をリードしています。年末までに、彼は最初に、テネシー州のホリゾン・ワイン&スピリッツの買収を実行しました。イスカルは2010年に利益を159%伸ばしました。そして、我々は2011年には不況前の水準を超えることになるでしょう。売り上げは世界中至る所で、とくにアジアで良くなっています。イスカルの主な競争相手よりもはるかに優れたパフォーマンスを上げたアイタン・ヴェルイハイマー、ジェイコブ・ハーピッツ、ダニー・ゴールドマンを称賛してほしいものです。

そのすべてが朗報です。しかしながら、住宅建設に関連する我々のビジネスは奮闘し続けています。ジョン・マンビル、マイテック、ショー・アンド・アキム・ブリックは競争的立場を維持しましたが、その利益は数年前の利益をはるかに下回っています。これらの事業を合計すると、2006年の13億ドルと比較すると、2010年の税引き前利益は3億6200万ドルになり、従業員数はおよそ9400人減少しました。

住宅産業の回復は、多分、1、2以内に始まるでしょう。いずれにしても、あるポイントで起こることは確実です。したがって、(1)マイテックでは、我々は過去11か月間に5件の買収について実行あるいは参加しました。(2)アキムでは、我々はアラバの煉瓦のトップ・メーカーを5000万ドルで買収しました。(3)ジョン・マンビルは、来年完成予定で、オハイオ屋根ふき材薄幕プラント5500万ドルで建設中です。そして(4)ショーはすべてアメリカ国内の設備に2億ドルを費やすでしょう。これらの企業は体力の強いうちに不況に突入し、そこから脱出する時はもっと強くなっています。バークシャーの限界はまだまだ先です。

2011年3月 9日 (水)

ウォーレン・バフェットの「株主への手紙」2010(6)

さて、バークシャーの4つの主要なセクターを見てみましょう。それらは、各々、他とはまったく異なる貸借対照表と収益の特徴があります。したがって、それらを一緒くたにしてしまうと、分析できなくなります。そのため4つのビジネスを切り離して、ここに示します。これはチャーリーと私が見ている方法でもあります。

保険事業

損害保険会社(P/C)は後払いでプレミアムと保険料支払い要求を受けます。特定の労災補償事故が起こった場合のような極端なケースでは、支払いが数十年も伸びることがあります。この現在、保険料先方払いは、結局、そのお金は後で、他所に行くことになりますが、我々が“フロート”と呼ぶ多額の現金を保持させることになります。一方、我々はバークシャーの利益のためにそのフロートを投資します。個々の保険契約と支払い請求の出入りはありますが、我々の保持するフロートの総額はプレミアム・ボリュームと関連して著しく安定した状態を保っています。その結果、我々のビジネスは成長し、それにしたがってフロートも増えていきます。そして、我々はどのように成長したかを下の表で見てください。(下の表は省略)

我々のプレミアムが費用と最終損失の合計を上回っていれば、我々はフロートが生み出す投資収益を保険引き受け利益に計上します。そのような利益が生まれる時、我々は自由な運用を楽しんでいます。そして、未だよりよく保持のために支払われます。悲しいかな、このような幸福な結果の獲得に対して、すべての保険会社が激しい競争を引き起こし、そして、それがあまりに激しいため損害保険業界で保険引き受け損失を招いてしまうほどなのです。この損失は、業界がフロートを保持するために支払わなくてはならないものです。例えば、ステートファームという国内最大のよく優良会社は、この10年で7回保険引き受け損失を計上しました。その期間内に集積された引受業務損失は200億ドル以上に達しました。

バークシャーでは、我々は8年間連続で引受業務利益を上げ続けており、その期間の利益の合計が170億ドルにのぼりました。私は、確かにすべてではありませんが、将来において大部分の年で利益を計上することができると信じています。我々が、それを成し遂げれば、フロートはコストゼロ以上のより良いものとなります。もし、どこかの集団が我々に660億ドルを預け、そのお金の保持に対して料金を支払い、次に我々にその資金を自分たちの利益のために投資させれば、それなりに利益を受けることができるでしょう。

コストがかからないフロートが損害保険業界の全体としては期待される結果を上げていないことを、もう一度強調しておきます。ほとんどの年度で、プレミアムは経費と保険料支払い請求をカバーするのに不十分でした。その結果、業界の有形資産の全体としての収益は、何十年もの間、アメリカの全産業によって達成された平均にはるかに及びません。我々には、何人かの普通でないビジネスする素晴らしいマネージャーがいるため、バークシャーは顕著な経営成績を残すことができています。皆さんには、ガイコについて十分にお話ししたと思います。しかし、我々には、その他に、それぞれが独自のやり方でうまくいっている2つの非常に大きな事業と1つの小さな事業があります。

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ガイコ以外の最初は、アジッド・ジェインによって運営されるバークシャー・ハサウェイ再保険グループです。アジッドは、他の誰も求めないリスクや資本を起こすことに対して保険をかけます。彼の事業は、能力、速度、決断力、最も重要な保険ビジネスでのユニークな方法を考える頭脳の結合です。しかし、彼はバークシャーをその資源に関して不適切な危険にさらすことはしません。我々は、その点で、大部分の大きな保険業者よりも、はるかに保守的です。

1985年の事業開始から、アジッドは300億ドルのフロートと多額の保険引受利益を生み出す、他のどのような保険会社のCEOもできないような妙技のような保険ビジネスを作り上げました。彼の功績によって、バークシャーは何億ドルもの価値の上乗せができました。クリプトナイト(スーパーマンに傷害を与え、死に至らしめる物質)にさえ、アジッドは跳ね返りを得ます。

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我々には、タッド・モントロスが経営するゼネラル・リーの別の強力な保険チームがあります。

実際に、健全な保険事業の活動には次の4つの規律が必要です。(1)保険に損失を招く可能性のある外部事情による危険状態の理解、(2)それが行う場合に損失あるいはコストを実際に引き起こす危険状態にたいする控えめな評価、(3)将来の損失コストと営業経費がカバーされた後でも平均して利益を上げることができるようなプレミアムのセッティング、そして(4)適切なプレミアムを得ることができないときに立ち去る意志。

多くの保険業者は、最初の3つのテストにパスして、最後の4つ目で失敗します。ウォール街の懇願、政府機関やブローカーからの圧力、あるいはテストステロンで気力補強するCEOの規模縮小への拒絶などにより、あまりにも多くの保険業者が不十分な価格で保険契約にサインしてしまいました。「他の人々もそうしているので、我々も同様にそうしなければならない」どんなビジネスでも言われていることですが、保険ほどではありません。

タッドは保険戒律の4つ全部を遵守しました。それは結果に現れています。彼のリーダーシップの下でゼネラル・リーは莫大なフロートはコストがかからない以上の良好であり、我々は、それが平均して続くと予想しています。

2011年3月 8日 (火)

ウォーレン・バフェットの「株主への手紙」2010(5)

ガイコ

さて、皆さんが事業の本質的価値がどのようにすれば帳簿価格を遥かに上回ることができるかを理解するのに役立つ話をしましょう。この話をすることに関連して、いくつかの良い思い出を追体験することになるでしょう。

60年前の先月、ガイコは私の人生の中に入ってきました。それは、大きな方向に私の運命づけるものでした。私は、その時、20歳でコロンビアの大学院生でした。それは、私のヒーローであるベン・グラハムが週に1度教えていたため、そこへ行くのを選んだためです。

ある日、私は図書館でベンの紳士録のエントリーを調べているうちに、彼が政府公務員の保険会社(現在、ガイコと呼ばれている)の会長であることが分かりました。私は、保険について何も知っていなくて、この会社のことは一度も聞いたことがありませんでした。しかし、図書館の司書は保険業者の大きな解説へ導いてくれ、そこにあるガイコのページを読んで、私はこの会社を訪問すると決めました。次の土曜日、私はワシントン行の早朝の電車に乗りました。

悲しいかな、私が会社の本部に到着したとき、建物には鍵がかけられていました。それから、私は管理人が現れるまで、やや半狂乱のようにドアを連打し続けました。私は管理人に、オフィスには誰か私と話すことができような人物がいるかどうか尋ねました。そして、彼は、オフィスにいる唯一の人物であるロリマー・デビットソンに案内しました。

私にとって、これはラッキーにことでした。それから4時間のあいだ、“デイビー”は私に保険とガイコについてくわしく教えてくれました。それは、素晴らしい友情の始まりでした。その後すぐ、私はコロンビアを卒業して、オマハで株式のセールスマンになりました。ガイコは、もちろん、私の第一の推薦銘柄でした、そしてそのおかげで私は多数の顧客と順調なスタートを切ることができたのです。デイビーに会ったすぐ後、私は9800ドルの投資ポートフォリオの75%をこれに充てたので、ガイコもまた私の自己資本の活性化しました。(それでも、私はやり過ぎたと感じました)

その後、デイビーはガイコのCEOになりました。彼が引退して数年後の1970年代中ごろトラブルに巻き込まれるまで、この会社の株価を思いがけない高所に引き上げました。その時、株価が95%以上落ち込み、バークシャーは市場で3分の1の株式を取得し、ガイコの自己株式の買戻しのため数年にわたり50%までポジション積み増しました。(我々は、これだけの大きいポジションを持っていたにも関わらず、事業には口出ししませんでした)

その後、我々は1996年の初めにガイコの残りの50%を取得しました。95歳のデイビーに最愛のガイコが永久にバークシャーの一員であり続けることに満足しているビデオテープを作ってもらいました。(彼は、おどけて「ウォーレン、次回は、ちゃんとアポイントを事前にとるように」といって締めくくったものです)

多くのことが、この60年間にガイコで起こりましたが、中心となる目標、つまり、アメリカ人が自動車保険に加入する際にかなり金額の節約になること、は変わっていません。(1-800-847-7536に電話するかwww.GEICO.comにアクセスしてみてください)言い換えれば、そのビジネス目標に値することによって保険契約を得るということです。この目標に集中することにより、この会社は8.8%のシェアで全米の3番目の自動車保険会社に成長しました。

トニー・ニースが1993年にガイコのCEOを引き継いだとき、そのシェアは10年間の間2%にとどまっていました。ガイコはトニーの下で、保険引き受けの規律を維持し、経費を低く抑えることを同時に行うことという一貫した成長の経路を見出し、違う会社に変貌しました。

トニーの業績を定量化させてみましょう。1996年に我々がガイコの残りの50%の株式を取得するのに、およそ23億ドルを費やしました。その価格は、100%なら46億ドルとなります。その時、ガイコは19億ドルの自己資本を持っていました。

計上されない価値として自己資本の超過は27億ドルとし、我々はガイコに対する“好意”にそれだけの価値があると見積もりました。その好意は、その時、ガイコと取引していた保険契約者の経済的価値を表しています。1995年に、それらの顧客は28億ドルのプレミアを会社に払いました。その結果、我々はガイコの顧客を、彼らが会社に毎年払っていたものの97%と評価していました。業界標準に照らしてみれば、これは非常に高い価格でした。しかし、ガイコは普通の保険会社ではありませんでした。会社がコストを低く抑えていたため、保険契約者には一貫して利益をもたらし、会社に対して忠実でした。

今日、プレミアムは143億ドルまで成長しました。それでも、我々はガイコの価値がいかに増加しても不変のまである帳簿価格はわずか14億ドルだけで好意をもたらします。(会計規則上は、経済価値が減少する場合には好意の繰越価値を計上しますが、経済価値が増加する場合には、そのまま変わりません)我々が1996年のガイコ取得の際に用いた97%のプレミアム・ボリュームの物差しを使うと、現在のガイコの好意の実際の価値はおよそ140億ドルになります。そして、この価値は今から10、20年と経っていくと、はるかに高くなっていくでしょう。2011年の力強いスタートから、ガイコは贈り物を与えてくれています。

それほど小さくない脚注:トニーの下でのガイコは国内最大の個人向け保険代理店を育成しました。それは主として、ガイコの自動車保険顧客に住宅所有者向け保険を販売します。このビジネスでは、我々は加入していない保険業者を代表しています。彼らはリスクをおかし、我々は顧客に売り込みます。昨年、我々はこの代理店の活動で769,898口の新しい保険を販売し、これは前年に比べて34%の増加となりました。この活動が我々にとって益となるのは、それが手数料収入を生み出すということで、同じように重要なのは、それが保険契約者との関係を強化し、それを保持するのを助けるという事実です。

私はトニーとデイビーに(そして、考えてみれば、その管理人にも)大きな負債を負っています。

2011年3月 7日 (月)

ウォーレン・バフェットの「株主への手紙」2010(4)

チャーリーと私は我々の保険以外の事業の1株当たりの利益が適切な率で増えていってほしいと思っています。しかし、数が大きくなるにつれて、仕事はより厳しくなってきています。我々は現行の事業の良好なパフォーマンスに加えてよりよい買収を必要としています。我々に準備はできています。われわれの象射ち銃は再び準備してあり、引き金には人差し指がかかっています。

部分的にサイズの碇を埋め合わせているのは、我々の持つ重要な優位性です。まず最初に、我々にはバークシャーや自身の事業に尋常でないほどの関与をしている本当に練達の幹部マネージャーがいます。我々の多くのCEOたちは、独立心に富み、豊かで、心底から仕事を愛していることだけで働いています。彼らは志願兵であり、傭兵ではないのです。誰も、彼らが今以上に仕事の楽しみを提供できないので、彼らが(他社の)誘いに乗ることはないのです。

バークシャーでは、彼らはビジネスの運営に集中することができます。例えば、彼らは本部の会議の指示に従う必要はありませんし、資金を出す心配もないし、ウォール街のいじめに遭うこともありません。かれらは2年に1度、私からの手紙を受け取るだけで、彼らがしたいと思ったときに私に電話するだけでいいのです。その彼らがしたいと思う時というのは、人によって皆違います。例えば、昨年私と全く話をしなかったマネージャーがいる、一方、ほとんど毎日話をするひともいます。我々の信頼関係は、事業プロセスよりも人物にあります。「よく任せて(雇って)、管理は少なく」というのが、彼らと私との共通の合意事項です。

バークシャーのCEOには様々な来歴の人がいます。何人かはMBAを持っていますし、また、他の何人かは大学を終えていません。ある人は予算と帳簿を駆使するタイプで、他のある人は自分の経験に基づいて現場で働きます。我々のチームは、非常に異なった打撃スタイルのオールスター選手たちの野球チームに似ています。我々にはラインアップの変化をあまり必要としていません。

我々の2つ目の優位性(価値の第2の構成要素)は、我々のビジネスで得るお金の配分に関することです。各ビジネスの需要を満たした後、我々は非常に大きな金額を残しておきます。大部分の会社は自身の事業分野の範囲内に再投資を限定しています。しかし、それは、しばしば、より広い世界で活用できるものをより小規模で劣った投資配分に制限してしまいます。そのため利用できるわずかな機会を得るための競争は激しくなる傾向があります。売り手は優勢になります。それは、あたかも多くの少年が出席するパーティーで紅一点の出席している少女のようです。その不均衡な状況は少女にとってはすばらしい状況ですが、少年たちにとっては酷い状況です。

資本を配備するとき、バークシャーには何ら制度上の制限はありません。チャーリーと私は、可能な買収により将来を予想できる能力でのみ制約を受けています。我々が、そのハードルをクリアできれば、しかし、できない場合がしばしばですが、他の多くの場合に対して一つの機会を比べることができます。

私が1965年にバークシャーの経営権を握ったとき、この利点を活用しませんでした。バークシャーは、その時、織物だけの会社で、そこの分野で前の10年間にかなりのお金を失っていたのです。私が行うことのできた最も馬鹿げたことは、既存の織物事業を改善し規模を拡大して、機会をとらえようとしたことで、まさに、私は、これを長い間行ったのでした。そして、最終的な輝かしい破局は、私が、わざわざ出向いてもう一社買収したことです。「Aaaaaaargh!」 結局、私は目を覚ましました。そして最初にやったのは保険事業に向かうことでした。その後、他の産業にも手を出したのです。

そこには、“やりたいことは何でもできる”という利点への補足さえあります。例えば、他の多くの事業に対して一つの事業の魅力を評価することに加えて、我々は、ほとんどのマネジメントはこんな比較はしないでしょうが、事業を有価証券で入手可能な機会と比較します。しばしば、株や債券への投資によって得られるであろうものに対して途方もなく高い値をつけます。そのような時、我々は証券を買って、時節の到来を待ちます。

資本の配分関する柔軟性で、現在までの我々の進歩を成長することができます。例えば、我々は、シーズキャンディやビジネスワイヤ(我々のビジネスの中で最も経営がうまくいっている事業ですが、2つとも再投資の機会は限られたものになっている)が稼いだお金を使って、BNSFを取得するのに必要な株式の一部を購入しました。

我々の究極の優位性はバークシャーに浸透したコピーできない文化です。そして、ビジネスでは文化は重要です。

まず最初に、皆さんの代理である取締役は、オーナーのように考え、行動します。彼らは、オプションもなく、制限株(現物の株式による報酬の形式、ストックオプションに代わるものとしてアメリカの企業で使われている)もなく、さらに言えば現金もない、形ばかりの保障を受け取ります。我々は、彼らに、他のほとんどの大きな公開会社では当たり前のようになっている役員賠償責任保険をかけていません。彼らが皆さんの投資したお金を台無しにした場合には、彼らも同様に自身のお金を失うことになります。私の持ち株を除外しても、彼らと家族は30億ドル以上のバークシャーの株式を所有しています。我々の取締役は、強い関心とオーナーの目で、バークシャーの行動と結果を監視しています。皆さんや私、彼らのような執事を持てるのは、本当に幸運なことだと言えるのです。

この同じ所有者としての方針はマネージャーに共有されています。多くの場合、バークシャが買収者として探し求めたビジネスを自身や家族で長く所有していた人々です。彼らは、オーナーの考え方をもって我々のところに来ました。そして、我々は彼らがそのような考え方を保有することを奨励する環境を提供します。彼らのような自身のビジネスを愛するマネージャーを持つことは、我々の大きな優位性です。

文化はそれ自身で広がります。ウィンストン・チャーチルはかつて言いました「人は家を作ると、今度は家が人を形づくる。」これはビジネスにも適用されます。官僚的な手順は、さらなる官僚制度を生み出し、王国のような会社の宮殿は傲慢なふるまいを導き出します。(一人の剽軽者がいったように「あなたが自分の車の後部座席にのっても、動かないとき、あなたはもうCEOでないことを知る」)バークシャー“世界本部”の我々の使用料は年間270,212ドルです。さらに、家具、芸術、コークディスペンサー、ランチルーム、ハイテク装置への本社投資は合計で301,363ドルになります。チャーリーと私が、まるで自分のものであるかのように、皆さんのお金を扱うかぎり、バークシャーのマネージャーは、また、慎重な姿勢を保っています。

我々の保障プログラム、年次総会、アニュアルレポートなどすべてはバークシャーの文化を補強する目的で設計されており、これとは異なる傾向のマネージャーを追い返し、あるいは追い出すものです。この文化は年とともに強まっていき、チャーリーと私が任期を終えたずっと後でも、もとのまま残っていることでしょう。

我々は、合理的にうまくやるためには、私が説明してきたような強さの全てを必要しています。我々のマネージャーはそれを至る所に伝えるでしょうし、皆さんは、それを期待していいです。しかし、チャーリーと私が主要な配分において自分の責任を果たすことができるかどうかについては、獲得のための競争的な環境いかんによります。皆さんは我々の最大の努力の成果を得ることになるでしょう。

2011年3月 4日 (金)

ウォーレン・バフェットの「株主への手紙」2010(3)

本質的価値intrinsic value─現在と将来

バークシャーの本質的価値を正確に計算することはできませんが、3つの主要な柱のうち2つまでは測ることができます。チャーリーと私がバークシャーの価値を見積もるときに、これらの測定に大いに頼っています。

価値の1つめの構成要素は投資、つまり、株、債券と現預金です。年末現在、これらの合計は市場価格で1580億ドルになりました。

保険フロート─我々が保険事業において一時的に保有する、我々のものでないお金─は、我々の投資のうち660億ドル分の資金を提供しています。このフロートは保険引受業務が損失とならない限り“無料”で、このことは、我々が得るプレミアムが我々の被る損失と費用に等しいことを意味します。もちろん、引受業務の結果は不安定で、利益と損失の間を不規則に揺れ動きます。しかしながら、この引受業務を行っている間を通じて、われわれはかなりの利益を上げてきました。そして、また将来に向けては平均すると損益分岐点かそれ以上のより良い結果になるものと考えています。我々がそうしようとすれば、フロートあるいは内部留保による資金で為されるすべての投資をバークシャーの株主価値の構成要素として見ることも可能です。

バークシャの価値の2つ目の構成要素は、投資と保険引受業務以外の源から発する収益です。これらの収益は68の保険以外の事業会社があげたもので、106ページに項目別に列挙してあります。バークシャーの初期のころには、投資の側に集中していました。しかし、過去20年間、我々はますます保険以外の事業の収益の発展と事業の継続を強調するようになりました。

下の表は、このような重点が移ってきたことを示しています。最初の表では、我々が保険業を始めて3年後、1970年から10年間隔での1株当たりの投資額を示しています。我々は少数株主持分に適用されるこれらの投資を除外しています。

1株当たりの投資の年間複利は、この40年間を通じておよそ19.9%でしたが、我々が事業会社の買収に資金を集中的に使ったので、増加率は鈍りました。

40年間の我々の保険以外の事業における1株当たりの税引き前利益の増加は年間複利で21.0%でした。同じ期間、バークシャーの株価は毎年22.0%増加しました。時が経つにつれて、バークシャーの投資と収益の乱暴に二人乗り自転車の中で株価が動いているように予想できるではないでしょうか。株式市場し本質的価値は、しばしば非常に異なる経路をたどりますが、長い期間ののち最終的には出会うことになるのです。

3つ目の構成要素は、より主観的で、ポジティブにもネガティブにもなりうる本質的価値の計算です。すなわち、内部留保が将来的に発展することの有効性です。我々は、他の多くのビジネスと同様に、これからの10年間にわたって、現在の資本と同額かあるいはそれ以上の収益をあげていきたいです。数社の企業は、これらの保持しているドルを50セント硬貨、あるいは2ドル紙幣に変えています。(両方とも、一般的に殆ど流通していない貨幣のため、内部留保して使わないことの寓意か?)

このような“このお金で何をするか?”という要素は、つねに、企業の本質的価値を分別のある見積もりによるような、我々も、他の誰にとっても適切な計算、つまり、“我々は、今、何をしているのか?”によって評価されなければなりません。それは、経営者が会社の収益を再投資するときに、社外の投資家は、どうしようもなく。傍観するしかないからです。CEOがこの仕事を上手くこなすことが予想できるならば、再投資見込みは会社の現在価値を高めます。この結果の違いは、とても大きなものになりえます。1960年代後期のシアーズローバックやモンゴメリー社のCEOの手の内の当時の1ドルの価値は、サム・ウォルトンに委託された1ドルとははるかにかけ離れた運命にありました。(シアーズローバック社やモンゴメリー社はメールオーダーによる通信販売の草分け、サム・ウォルトンはウォルマートの創始者⇒これで、この文章の比喩の言いたいことが何となく分かるのではないでしょうか)

2011年3月 3日 (木)

ウォーレン・バフェットの「株主への手紙」2010(2)

パフォーマンス

チャーリーと私は他人の資金を取り扱うことを委任された人々は、彼らが管理を開始する際にパフォーマンス運用の目標をハッキリうたうべきだと信じています。このような基準が欠いたままでいると、経営陣はパフォーマンスという矢を射て、その着地点を中心とした周囲を塗りたくることになってしまいます。

バークシャーの場合は、我々は、ずっと以前に、我々の仕事は、スタンダード&プアーズ500種株価指数の増加(配当を含む)を超える率で1株当たりの実態価格を増やすことであると皆さんに、お話ししました。ある年には我々は成功もするし、別の年には失敗もするでしょう。しかし、我々がいつの日か、その目標に到達できなかったとしたら、我々は投資家のために何もできなかったことになります。そして、投資家自身はインデックスファンドを所有することによって、目標に等しいかそれ以上の結果を得られたかもしれないのです。

もちろん、課題は実態価値の計算です。チャーリーと私と、別々に、その課題を提示してみると、きっと2人から別々の異なる答えが返ってくることでしょう。単に精度が高いというだけでは無理なのです。

従って、主観性を排除するために、我々はパフォーマンスを測る際には、実態価値についての控えめながら代わるものとして帳簿価格を使います。確かに、我々の事業のいくつかは帳簿の上でのものよりはるかに多くの価値を我々にもたらします。(このレポートの後の方で、ケースタディを示すつもりです。)しかし、そのプレミアムが年々あまり揺れ動かないことから、帳簿価格は我々の調子がどうであったかを追跡するための妥当な装置として機能しています。

2ページの上表のテーブルは、スタンダード&プアーズ500種株価指数と比べた我々の46年間の記録を示していて、パフォーマンスは初期の数年間はかなり良い成績だったのですが、現在ではかろうじて目標としている基準満足させるのがやっとです。素晴らしかった時代は戻ることは決してないということを強調したいと思います。我々は現在莫大な資金を管理しているので、途方もないパフォーマンスを上げるようなチャンスに飛びつくような冒険は行えません。我々は、しかしながら、平均以上の結果を得るために努力し、皆さんが標準的である思っているレベルが公正であると思っています。

注意すべきことは、年間の数字は、無視されるべきではないし、すべてが重要だと見なされるべきでもないということです。太陽を周回する地球の公転周期は投資のアイディアや投資の決定が実を結ぶために要する時間とは一致しません。例えば、ガイコで、我々は目先の利益を全く生み出さない保険契約者を得るために、昨年、9億ドルを広告に費やしました。我々が、その2倍の額を生産的に費やすことができるなら、短期的な結果は我々が処罰をうけるほどのものになるでしょうが、我々はあえて実行するでしょう。我々の鉄道やユーティリティ向けの多くの大規模な投資も、また、目先の収益より優先させます。

皆さんにパフォーマンスについてのより長期的な見通しを提供するために、2ページに示した年間数字を5年間という期間ごとの数字に練り直したものが次のページの表です。全体として、全部で42の期間があり、それらはエピソードを語ることができるでしょう。比較してみると、我々にとって最良の年は1980年代初期で終わりました。しかしながら、市場の黄金期は17年後にやってきました。バークシャーが相対的な優位性が狭まりながら輝くほどの絶対的な収益を達成できたときです。

1999年以降、市場は失速しました(皆さんは、すでにそのことに気付いていましたか?)。したがって、バークシャーがそれ以来、スタンダード&プアーズ500種株価指数と比べて、これを上回るという目標を満足させた結果については、穏やかなものしかお届けできませんでした。(突出した結果をお届けすることはできませんでした)

将来に向けて、我々はスタンダード&プアーズ500種株価指数よりも数ポイントでも上回るアベレージをあげたいと望んでいます。もちろん、実績において確実にそれができるというところからは遠いところにいますが。もし、我々が、そのようなことができるようになった(コンスタントにS&Pを上回るアベレージを上げること)とすれば、株式市場環境が悪いときに相対的に良い結果を上げ、市場環境が力強い時にはよくない結果ということになるでしょぅ。

2011年3月 2日 (水)

ウォーレン・バフェットの「株主への手紙」2010(1)

先日、バークシャ・ハサウェイのホームページに、ウェーレン・バフェットの「株主への手紙」の2010年版が掲載されました。

報道でも、その内容が一部掲載されたり、ポジティブな見通しを語ったことや、米国内で多大な投資をすることが書かれていた、話題になったようです。

これから、その前文を日本語にして、ここで掲載していきたいと思います。ただし、下手な訳、というよりも直訳に近いだろうから、読みにくいと思われた人は、原文を当たってみてください。

下のURLにあります。

http://www.berkshirehathaway.com/letters/2010ltr.pdf

それでは、少しずつ訳していきたいと思います。

バークシャ・ハサウェイの株主の皆様

我が社のクラスAとクラスBの株式の2010年の帳簿価格は両方とも13%増加しました。現在の経営陣が経営を引き継いでから46年以上の間に、帳簿価格は19ドルから95,453ドルに成長させました。これは年間複利で20.2%に当たります。

2010年のハイライトはバーリントン・ノーザン・サンタ・フェの買収でした。これは、我々が予想していたよりもいい価格で購入できたものです。この鉄道会社を所要することによって、バークシャの“正常な”収益力が、税引き前では40%近く、税引き後で30%以上まで、増すことになります。この株式購入により、我々の株式保有比率は6%増え、このために220億ドルの現金を使用しました。我々が現金を迅速に補充したことにより、この業務の経済状況は非常に良くなりました。

もちろん、“普通の年”は、バークシャーの副会長で私のパートナーであるチャーリー・マンガーか私のいずれかがどのような精度ででも定義できるものではありません。しかし、我々の現在の収益力を推定する目的のため、保険において大災害が起こらず、一般的な景気状況が2010年よりは幾分か良いが2005年や2006年よりは弱い1年間を想定しています。これらの参照と私が“投資”部門で説明している他のことを使って、我々が現在所有している資産の収益力は、キャピタルゲインとロスを除外すると、税引き前ではおよそ170億ドル、税引き後では120億ドルと見積もることができます。毎日、チャーリーと私はこのベースをどうしたら構築できるかを考えています。

我々は、二人とも、鉄道事業は主要な競合相手であるトラック輸送に比べて主にコストと環境の点で優位性を持っていることから、BNSFの将来に対しては強気でいます。昨年、トン当たりの貨物輸送で対してBNSFはディーゼル燃料1ガロンで500マイルの効率性を記録しました。それはトラック輸送に対して3倍も燃料効率が高いことになり、このことは我々の鉄道事業が運営コストの点で大きな優位性を持っていることを意味しています。同時に、我が国は温室効果ガス排出量を減少させ石油輸入の必要量をよく少なくすることにより、利益を得ることになるのです。鉄道による移動は、社会に利益をもたらします。

時が経つにつれて、合衆国の貨物の動きが増加すると、BNSFはそのシェアに相当する利益を得ていきます。鉄道事業は成長していくためには多大な投資を必要とします。しかし、バークシャー以上に必要な資金を提供するものはありません。しかしながら、経済が失速するか、市場が混乱すると、我々のチェックが明らかになめでしょう。

昨年、経済に関する悲観論の広がりに直面して、資産と器材に60億ドルを投じることにより、バークシャの設備投資への意欲を表明しました。このうちの90%、54億ドルは合衆国内で使われました。確実に我々の事業は将来に向けて海外で展開されています。しかし、その将来に向けての投資の圧倒的部分はホームで行われます。2011年、我々は80億ドルという今までにない投資を行い、その増加分である20億ドルすべては合衆国でなされます。

マネーはいつも機会があるところに向けて流れていきます。そしてアメリカには豊富にそれがあります。解説者たちは、今日、“大きな不確実性”についてしばしば話しています。しかし、例えば1941年12月6日、1987年10月18日、2001年9月10日を思い出して見て下さい。今日がどんな穏やかかもしれなくても、明日は常に不確かなのです。

どうか、現実を恐れないでほしい。私の生涯を通じて、政治家と専門家はアメリカの前に立ちはだかる恐ろしい問題について、いつも不平をこぼしていました。それでも、わが市民たちは、現在、驚いたことに、私が生まれた時より6回の試練を生きています。運命の預言者たちは確かで重要な要因を見落としています。人間の潜在的能力は決して消耗しているわけではなく、その可能性を引き出すアメリカのシステムは生きているし、有効性を保っていることです。それは不況による頻繁な中断や南北戦争でさえもかかわらず2世紀以上の間、素晴らしく機能したシステムです。

我々はこの国が発見されたとき以上、賢いわけでもないし、一生懸命働いているわけでもありません。しかし、周りを見てみて下さい、植民地時代の市民の夢を超えた世界が見えるはずです。今、1776年、1861年、1932年、1941年の場合のように、アメリカの最良の日々が待ち受けているのです。

2011年3月 1日 (火)

大竹文雄「経済学的思考のセンス」(5)

日本で所得格差が拡大していると感じている人々が多いこと、勤労世代で消費の格差拡大が進展してきた。このように資産や将来所得の格差が拡大しているなかで、人々は税制や社会保障を通じた所得再配分政策の強化を指示しているのだろうか。これに対して、低所得者は再配分政策の受益者なので支持するだろう。しかし、今は低所得者でも、将来高所得になると予想している人は再配分制度の強化によって逆に生涯所得が低下してしまう可能性がある。逆に、現在は高所得でも、失業の不安を持っている場合のように将来低所得になる可能性が高い場合再配分政策の強化を支持するだろう。このように所得再分配政策は所得に対する保険制度と考えることもできる。そうすると、所得再分配政策を支持するのは、危険回避的な人だということになる。このように人々の所得再分配政策に対する考え方は、現在と将来の所得水準、リスクに対する態度などの経済的要因で決まるが、現実の所得再分配政策がそれを反映するとは限らない。たとえば、このような経済的要因以外にも、人々の中には、運が貧困の原因なら再分配政策を支持するが、怠惰が貧困の原因なら、自らを怠惰でないと信じている人は再分配政策を支持しないだろう。

統計的に見ると、日本の所得格差が大きく上昇したのは80年代であって90年代ではない。この点は、所得格差拡大論が90年代末から注目されだしたことは異なる。しかも、日本で80年代に格差が拡大した最大の理由は、人口の高齢化であった。もともと所得格差が大きい高齢層の人口比率が上昇したのである。90年代には、労働人口の高齢化が収まったため賃金の不平等化の速度は低下してきた。それでは、人々は、格差拡大を最近になって実感しているのであろうか。それは、中高年を中心に成果主義的な賃金制度の導入による今後の賃金格差拡大予想や、失業・ホームレスの増加が、人々に格差拡大を実感させているためと考えられる。しかし、所得格差の格差が生じていることを認識している人が多いにもかかわらず、小さな政府を目指す政策への支持も高い。

今まで経験で、学歴や持っている情報量とは関係なく、本当に頭のいい人だと感じるのは、自分の言葉で話すことができる人であることが多いです。自分の言葉で話すというのは、知識を本に書かれたそのままを暗記しているのではなくて、いったん自分の中で消化しているために、必然的に自分なりの言い方に変換されて話すことになる。自分の中で消化されているということは、例えば、実践の中でその知識をまく活用できる準備ができているということです。だから、具体的な場面でどうするかという考察が背後に含まれている。この著者には、それを強く感じます。付け焼刃の文献からの引用で、書いている人も本当はよく分かっていないのではないかと思わせるような、単に難解な言葉が並んでいるだけの文章とは正反対のものです。そして、この本の特徴は、そういった生きた知識が述べられているだけに、読書メモが書きにくいことです。些細な語句でも日常の具体的な場面での実践を踏まえた考察がされているので、深読みができてしまうので、単に語句を知識としてメモしておこうとすると、背後の膨大なものも書きたくなってしまう。実際の実践の場では状況が整理されているわけではないので、バラエティを考慮して、様々な部分で関連性が張られている。だから、読み返すたびに発見がある著作だと思います。生きた知識というのは、こういうものだ、と思いました。こういう本の場合は、メモしにくい。

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