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2011年3月 4日 (金)

ウォーレン・バフェットの「株主への手紙」2010(3)

本質的価値intrinsic value─現在と将来

バークシャーの本質的価値を正確に計算することはできませんが、3つの主要な柱のうち2つまでは測ることができます。チャーリーと私がバークシャーの価値を見積もるときに、これらの測定に大いに頼っています。

価値の1つめの構成要素は投資、つまり、株、債券と現預金です。年末現在、これらの合計は市場価格で1580億ドルになりました。

保険フロート─我々が保険事業において一時的に保有する、我々のものでないお金─は、我々の投資のうち660億ドル分の資金を提供しています。このフロートは保険引受業務が損失とならない限り“無料”で、このことは、我々が得るプレミアムが我々の被る損失と費用に等しいことを意味します。もちろん、引受業務の結果は不安定で、利益と損失の間を不規則に揺れ動きます。しかしながら、この引受業務を行っている間を通じて、われわれはかなりの利益を上げてきました。そして、また将来に向けては平均すると損益分岐点かそれ以上のより良い結果になるものと考えています。我々がそうしようとすれば、フロートあるいは内部留保による資金で為されるすべての投資をバークシャーの株主価値の構成要素として見ることも可能です。

バークシャの価値の2つ目の構成要素は、投資と保険引受業務以外の源から発する収益です。これらの収益は68の保険以外の事業会社があげたもので、106ページに項目別に列挙してあります。バークシャーの初期のころには、投資の側に集中していました。しかし、過去20年間、我々はますます保険以外の事業の収益の発展と事業の継続を強調するようになりました。

下の表は、このような重点が移ってきたことを示しています。最初の表では、我々が保険業を始めて3年後、1970年から10年間隔での1株当たりの投資額を示しています。我々は少数株主持分に適用されるこれらの投資を除外しています。

1株当たりの投資の年間複利は、この40年間を通じておよそ19.9%でしたが、我々が事業会社の買収に資金を集中的に使ったので、増加率は鈍りました。

40年間の我々の保険以外の事業における1株当たりの税引き前利益の増加は年間複利で21.0%でした。同じ期間、バークシャーの株価は毎年22.0%増加しました。時が経つにつれて、バークシャーの投資と収益の乱暴に二人乗り自転車の中で株価が動いているように予想できるではないでしょうか。株式市場し本質的価値は、しばしば非常に異なる経路をたどりますが、長い期間ののち最終的には出会うことになるのです。

3つ目の構成要素は、より主観的で、ポジティブにもネガティブにもなりうる本質的価値の計算です。すなわち、内部留保が将来的に発展することの有効性です。我々は、他の多くのビジネスと同様に、これからの10年間にわたって、現在の資本と同額かあるいはそれ以上の収益をあげていきたいです。数社の企業は、これらの保持しているドルを50セント硬貨、あるいは2ドル紙幣に変えています。(両方とも、一般的に殆ど流通していない貨幣のため、内部留保して使わないことの寓意か?)

このような“このお金で何をするか?”という要素は、つねに、企業の本質的価値を分別のある見積もりによるような、我々も、他の誰にとっても適切な計算、つまり、“我々は、今、何をしているのか?”によって評価されなければなりません。それは、経営者が会社の収益を再投資するときに、社外の投資家は、どうしようもなく。傍観するしかないからです。CEOがこの仕事を上手くこなすことが予想できるならば、再投資見込みは会社の現在価値を高めます。この結果の違いは、とても大きなものになりえます。1960年代後期のシアーズローバックやモンゴメリー社のCEOの手の内の当時の1ドルの価値は、サム・ウォルトンに委託された1ドルとははるかにかけ離れた運命にありました。(シアーズローバック社やモンゴメリー社はメールオーダーによる通信販売の草分け、サム・ウォルトンはウォルマートの創始者⇒これで、この文章の比喩の言いたいことが何となく分かるのではないでしょうか)

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