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2011年7月 8日 (金)

あるIR担当者の雑感(31)~ IRのニッチ戦略(11)

前回の続きである対象者の検証から始めましょう。株主アンケートから推定される、私の勤め先の株主像は、簡単にイメージしてみると中年の会社員や公務員、或いは定年退職した男性で、長期的な株式投資を行っていて、私の勤め先は会社四季報やインターネットで知った。そして、私の勤め先への投資を考えた時注目したのが、会社の将来性や経営の安定性、あるいは事業内容などの点でした。

もちろん、アンケートに回答して下すった株主さんが、対象者に該当するとはいえません。しかし、ここでの傾向は参考になると思います。まず、私の勤め先のことを知ったのは、会社四季報やインターネット(会社ホームページを含めて)です。ということは証券会社から奨められたとか投資情報誌、テレビや新聞などのマスコミからは情報を得ていないようだということです。これだけでも、既に網に引っ掛かっている人に対しては、従来の方法によっても漏れている可能性は強と思われます。

では、こういう人に、こちらから情報を届けるには、どうしたらよいのでしょうか。ここで注意しておかなければならないことは、この対象となる人々は、自分なりの投資のポリシーを持っていると考えられるので、企業が直接的に、このような人々に売り込むということは、逆効果を招く危険があるということです。情報を届けるといっても、実際のところ、そのような人々が情報を取りに来るようにしてあげるのが、理想的なのです。

では、注意点は脇に置いて、実際にどうするかを考えてみましょう。対象となる人々は、何度も繰り返しになりますが、自分なりの投資のポリシーを持ち、それ故に、みずからのポジションに意識的な人です。たから、既存の証券会社や投資情報ネットなどの網に引っ掛からないのです。このような人々に従来の一般的な方法、一方的で画一的な情報開示の方法で情報を出しても、果たして有効かどうか。あるいは情報を出した企業に振り向いてくれるか。とすると、効果は期待できないというのが正直なところだと思います。ただし、ここで誤解してはいけないのは、株式投資をするには基本的な企業情報は絶対に必要なので、このような情報を出す必要がないというのではないのです。多分、対象となる人々も自分が投資している企業に対しては基本的な業績や財務データは、一般的な方法で得ているはずです。つまり、投資をしていたり、投資対象として興味を持っている企業に関しては従来のやり方で開示している情報を取得していることです。しかし、その情報では、投資の対象となっていない企業に興味を持たせる契機にはならないのです。

このような人々を振り向かせて、企業に興味を持たせるような情報開示はどうしたらいいのか。これから、そのことを中心に考えてみます。まず、ホームページでいうと一般的なIR情報の開示は必要なものですが、この人々を振り返らせられるものではない。では、どうするか。考えられるのはWHATHOWについてです。つまり、何を情報として伝えるか、あるいはどのように伝えるか、ということです。

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