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2011年7月21日 (木)

本田雅一「これからスマートフォンが起こすこと」(5)

第4章 ソーシャルメディアの進撃

スマートフォンの登場がパーソナルコンピューティングの概念を変えようとしているように、ソーシャルネットワークシステムの発展、変革を強く促している。ソーシャルネットワークシステムは、友人・知人、あるいは同じ考えや趣味を持つ仲間が相互に結びつき、情報の交換や共有を行うネットワークサービスだ。そしてソーシャルネットワークによる結びつきを基礎に、相互に情報を発信するソーシャルメディアと呼ばれるサービスが生まれた。ソーシャルメディアは、インターネット上の社会的システムを形成しようとしている。ツイッターやフェイスブックが代表例だが、これらは肌身離さず持ち歩くスマートフォンの存在とは切り離せないものとなっている。

ツィッターとフェイスブックにはタイムラインという共通点がある。タイムラインとは時間軸のことで、そこで綴られることは、ユーザーの「今」を表現していることで、その積み重ねの履歴が意味を持ってくる。それらが当人の性格や信条を表すことにもなる。これは、仲間との時間の共有による親密度が増すことになる。タイムラインの共有がスマートフォンのユーザーたちの交流にとって重要なことになってきている。

ソーシャルメディアの世界で最大のユーザーの規模があるのが、フェイスブックだ。フェイスブックは実名による登録を原則として、実社会の人間関係を拡張するような基本設計になっている。コメント、動画、写真などを起点にコメントを付けるなどしてコミュニケーションを深めることで、同一の空間や時間を共有している感覚を齎してくれる。さらに、何かをしたいというときに、それが機能として存在する多彩な機能を持っている。これらのことから、現実社会の人間関係とソーシャルメディアがシンクロし、情報共有や伝達の流れが加速、一体化するように作られている。これにより、スマートフォンの世紀となった時に、すべてのインターネットサービスのハブとなっていく可能性が高い。

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