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2011年7月 3日 (日)

あるIR担当者の雑感(28)~ IRのニッチ戦略(8)

前回述べたことは、回りくどい言い方だったかもしれません。IRの目的については前回に基本的な考え方を述べましたが、実際のところ、端的に(有体に)いえば、株式を買ってもらうということです。その株式を買ってもらうという際に、投資家の人にどのように買ってもらうか、どういう目的で、どういう理由で買ってもらえるか、ということに関してです。それが、ある面から考えれば、この一連の投稿 IRのニッチ戦略(1)~(6)で述べてきたことです。そして、(1)~(6)が発行会社の側から一方的に考えていたのに対して、と今度の(7)以降のは、株式を買う側とのことも多少交えながら、考えようとしている点が少し違っていると思います。

このことは、実務上の問題として、IRのホームページを作ることを考えるプロセスで、切実になってきたものなのです。ホームページは不特定多数の人に向けて情報を一方的に発信するものです。IRでいえば決算説明会でも会場に集まった出席者に向けて会社が説明(プレゼンティション)するのは慥かに一方的です。しかし、狭い会場では出席者ひとりひとりの顔が見えているし、会場で反応があります。それが説明に影響することもあり、必ずしも一方的ともいえない。また、前回の雑感で書いたように、説明会が終わった後で出席者にパーセプションとして感想や意見を聞いているので、フィードバックの回路があり、その意味では対話的な面もあるのです。だからこそ、以前の(1)~(6)で書いたようなターゲットの絞り込みということが可能となるのです。即ち、絞り込みたいターゲットが目の前に居るわけですから。

しかし、ホームページの場合は、それが全く見えない。メディアとしては説明会よりは、よほど広いものですが、本当に見てほしい人に、こちらの情報が届くという保障もありません。そこで、はたと考え始めたわけです。誰に情報を届けたいのかと。例えば、このブログでビジネス関係の書籍の読書メモを掲載してきましたが、自動車メーカーで新車の開発をする場合に、どのような人をターゲットとするかがとても重視されていて、しかも、かなり具体的なところまで考えていたということがありました。例えば、家族のセカンドカーとして奥さんが小さな子供を幼稚園に送り迎えしたり、買い物にいくときに便利な、ということでミニバンのターゲットが設定されたとか。しかも、このターゲッティングにより商品コンセプトが変更されたりということも、実際に行われているようです。(『ホンダの戦略経営』より)だから、ターゲットをどのように絞るかということは、それほど大切なことであるのです。

それでは、私の勤め先の企業でIRのターゲットを具体的に絞っていこうとした場合に、以前(1)~(6)の投稿で漠然としたイメージを述べていましたが、具体的にどうなのか。それを考えるにあたってヒントとなる情報がありました。それは、昨年末から今年初めにかけて、中間配当の時期に当時の株主の方たちにアンケートを行った結果があるのです。そのアンケート項目の中には株主さんの属性を尋ねる質問があるので、現在株式を持っている人が、どのような人なのかという一般的な性格を推測することができると思います。しかし、アンケートに回答してくれた人は全部ではないので、それを持って最終的な傾向と決めつけることはできないので、考えのヒント程度にとどめておく注意は必要です。

で、そこで現われて来た、私の勤め先の株主像というのは、簡単にイメージしてみると中年の会社員や公務員、或いは定年退職した男性で、長期的な株式投資を行っていて、私の勤め先は会社四季報やインターネットで知った。そして、私の勤め先への投資を考えた時注目したのが、会社の将来性や経営の安定性、あるいは事業内容などの点です。簡単ですが、このようなデータをベースに次回、具体的なターゲットについて、考えてゆきたいと思います。

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