無料ブログはココログ

« 古市憲寿「絶望の国の幸福な若者たち」(3) | トップページ | 古市憲寿「絶望の国の幸福な若者たち」(5) »

2011年11月 9日 (水)

古市憲寿「絶望の国の幸福な若者たち」(4)

第3から第5まではとばします。

第6章 絶望の国の幸福な若者たち

1.絶望の国を生きるということ

日本の未来への不安材料を若者の視点で考えるならば「世代間格差」と言える。人口構成が高齢化の進行により、減益に対する高齢者の比率は上昇し続ける。その結果、現在の高齢者は自分が若いころ支払った何倍もの社会保障給付を受け、一方で若者ほど損をするという事態が起こる。若者は社会保障だけでなく雇用の面でも損をしている。日本型の雇用システムは、一度正社員として雇うと解雇することができない終身雇用制、若いうちは給料以上に働かされ、将来の埋め合わせを期待する年功序列制といったような高度成長期には効率的に機能した。しかし、景気低迷によって、正社員は首にできないため、新卒採用を縮小し非正規の雇用を拡大し、若手の昇進はかつてよりずっと狭き門になった。

しかし、そもそも「若者」というカテゴリーを設定しても、当の若い人たちが世代間格差を問題だと感じるかは微妙だ。例えば、社会保障費もとにいくら若者が損をしているからと言って、それはあくまでも金銭的な話だ。実際にどれくらいの損があるかは、もう少し主観的な話になってしまう。現在の若者が利用しているインフラやテクノロジーは、先行世代が作り上げて来たものだからだ。また、先行世代か作り上げた大企業や、日本型経営と呼ばれる仕組みに参加できないことは本当に「世代間格差」なのか、議論が分かれるのではないか。(バブル崩壊前でも、そもそも福利厚生の整った他姓企業の正社員になれる人は、ほんの一部でしかなかった。歴史ある大企業ほど、年配者はもともと多かった)そもそも、かつての日本型経営を支えた人は、ある種の息苦しさの中にいたし、過労死もある過酷な世界とも言えた。

また、世代間格差の被害者は若者だけではない、雇用に関して若者に魅力的でない制度を維持している一番困るのは企業のほうだ。さらには国家全体だ。そして、高齢者にしても、高齢世代ほど世代内格差は大きい。貧困世帯数も、自殺者数もわりあいとしては高齢者の方が多い。

このように考えると、若者に限らず悲惨だ。こんな状態なのに、若者は幸せでいるという。

« 古市憲寿「絶望の国の幸福な若者たち」(3) | トップページ | 古市憲寿「絶望の国の幸福な若者たち」(5) »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 古市憲寿「絶望の国の幸福な若者たち」(4):

« 古市憲寿「絶望の国の幸福な若者たち」(3) | トップページ | 古市憲寿「絶望の国の幸福な若者たち」(5) »