ウォーレン・バフェットからの手紙 2011(14)
投資家にとって基本的な選択と、我々が強く好むもの
投資は、将来により多くのお金を受け取ることを期待して、現在のお金を配置するプロセスとして、しばしば理解されています。将来において、今以上の購買力を受けるという熟考した上での予測に転換することとして定義することにより、バークシャーで、我々は一番困難な道を選択しています。もっと簡潔に、投資することとは、後日より多く消費できるようになるために、現在の消費を抑えることです。
我々の定義からは、重要な結果が得られます。ボラリティを網羅し、しばしば危険の測定に使用されたベータでは投資の危険性を測れないで、むしろ熟考された保持の期間を過ぎた後で投資に購買力の損失をもたらす確率、推論された確率によって測られるものです。資産価格は大きく変動しますが、保持していた期間の後で購買力を増加させるこが確かである限り危険ではありません。そして、我々が見るような変動しない資産はリスクを積み立てていることがあり得ます。
投資の可能性は多く、変化に富んでいます。しかし、三つの主要なカテゴリーがあります。それぞれの特徴を理解するのは重要なことです。その分野を見ていきましょう。
・ 所定の通貨で命名される投資は、マネー・マーケット・ファンド、債券、抵当、銀行預金と他の金融商品を含みます。これらの通貨ベースの投資の大部分は「金庫」として考えられます。実は、それらは最も危険な資産なのです。それらのベータはゼロかもしれませんが、リスクは巨大なのです。
過去の世紀には、所有者が利息と元本のタイムリーな支払いを受け続けたので、これらの投資は多くの国で投資家の購買力を破壊しました。そのうえ、この醜悪な結果は、永遠に繰り返されます。政府は最終的な貨幣価値を測定し、全体としてインフレを引き起こす政策に引き寄せられることがあります。時に、そのような方針は、制御しきれなくなります。
米国においてさえ、安定した通貨に対する願望が強い場所で、私がバークシャーを引き継いだ1965年から86%までドルの価値を下げました。当時1ドルで買えたものが、今は7ドルを必要なのです。その結果、非課税の団体は、単に購買力を維持するために、その期間の投資資産としての社債から4.3%の利息を毎年必要としていました。そのマネージャーが利息を収入として考えていたとしたら、それは思い違いをしていたことになります。
皆さんや私のような税金を払っている投資家にとって、情勢は遥かに悪かった。同じ47年の間、米国財務省短期証券は毎年5.7%で回転しました。それは満足できるように聞こえます。しかし、もし個人投資家が平均25%の個人所得税を納付していたら、この5.7%のリターンは実収入としては何も得られなかったことになります。この投資家の見える所得税は述べられた利回りの1.4ポイントを彼から奪い去り、目に見えないインフレ課税は残っている4.3ポイントを貪り食ったことでしょう。暗黙のインフレーションという「税金」が我々投資家が多分主な負担と考えた明白な所得税の3倍より多かったのは、注目に値します。「我々が信じる神」は通貨の上に刻印されるかもしれませんが、我々の政府の印刷機を動かす手は、あまりに人間的でした。
購入者が通貨ベースの投資で直面する通貨リスクを、高い金利は補償することはできます。本当に1980年代前半の率は実際にうまく仕事をしました。しかし、現在のレートは、投資家が引き受ける購買力リスクを相殺するまでにはなりません。たった今、債券には警告ラベルが貼られています。したがって、今日の条件の下では、私は通貨ベースの投資は好きではありません。たとえそうだとしても、バークシャーは主として短期的なバラエティをかなりの量、保有しています。バークシャーではレートが不十分であっても、十分な流動性の必要性はステージの中心にあって決して軽んじられることはありません。この必要性に応えるため、我々は、主として、最も混沌とした経済状態でも流動性については頼りに出来る唯一の投資である米国財務省短期証券を保持しています。流動性のための実務的なレベルは、200億ドルで、100億ドルは絶対的な最低額です。
周期的にジャンクボンド債が総崩れとなった時に、特定のクレジットが誤って価格づけられたため、あるいは、レートが下がった時に高値の債券から相当のキャピタルゲインを得る可能性が高いレベルまでレートが上がったため、普通ではない利益の可能性が生じた時に限って、我々は流動性や監視機関が我々に強いる必要条件を越えて、通貨関連の証券投資を購入します。我々は過去に両方の機会を利用し、これからもそうすることはあるかもしませんが、我々は、現在、そのような見通しから180度転換しています。ウォールストリート関係者であるシルビー・コリン・ディビスがずいぶん昔に行ったコメントは、今日でも当てはまると思います。「債券は「無リスクのリターンを与えるもの」として推奨されるが、今では「リターンの無いリスクを与えるもの」としての価格がついている。」
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