ウォーレン・バフェットからの手紙 2011(4)
本質的なビジネスの価値
チャーリーと私は、バークシャーの1株当たりビジネスの本質的価値の増加率で、パフォーマンスを測定しています。我々の伸びがスタンダード&プアーズ500銘柄のパフォーマンスを時間とともに追い越した場合は、我々は報酬を得ることができました。そうでない場合、我々はそれ以上の代価を支払ってきました。
我々には本質価値を正確に指摘する方法がありません。しかし、かなり控えめに言われるけれども、我々は代わりに、有効な、1株当たりの帳簿価格というものがあります。この物差しは、大部分の会社では意味がありません。しかし、バークシャーでは、帳簿価格がビジネス価値を大雑把に表わしています。それは、バークシャーの本質的価値が帳簿価格を超える差が年々大きく振れないからです。時の経過と共に、帳簿価格を分母にビジネス価値を分子にした比率は、分母も分子も増加するので、常に安定しているでしょうが、相違は絶対値では、おそらく相当なものになるでしょう。
我々は、帳簿価格の実績が、株式市場の低迷した際にはほとんど確実にS&P500を上回り、同じように好転し始めた時には下回ることを定期的に強調してしました。それを試すのは、時に応じて我々がどのように振る舞うかによっています。昨年の年次報告は、我々が1965年にバークシャーを引き継いで以来42の5年間の結果(1965~69、1966~70というような)をテーブルとして掲載しました。すべてにおいて、我々の帳簿価格がS&Pに優っていることが示され、2007~11年ですらそうだったのですから。S&P500が5年間の連勝をまとるれば、ほとんど確かに、これを書いている途中でやめてしまうように、ペンを折るでしょう。
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私はまた、昨年、皆さんが我々の1株当たりの本質価値を推定する助けとなるようなデータについて詳しく説明する2つのテーブルを載せました。ここで、その議論を全部繰り返すつもりはありません。99~100ページに再現されています。そこで示されているテーブルを更新するために、2011年の我々の1株当たりの投資額は4%増えて98,366ドルになり、保険と投資以外の企業の税引き前利益は18%増加し1株当たり6,990ドルとなりました。
チャーリーも私も、両方の領域で利益を見るのは大好きですが、第一の焦点は本業の営業利益です。時の経過と共に、我々が現在所有するビジネスは収益の総額を増やしていかなければなりません。そして、我々はまた、我々の業績に更なる後押しをするために大規模なビジネスの買収を考えています。我々には、独立していればフォーチュン500に入るような会社を8社、子会社としています。まだ492の会社が残っています。私の仕事は明らかで、その間をうろうろすることです。
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