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2012年3月10日 (土)

ウォーレン・バフェットからの手紙 2011(5)

自社株買い

昨年の9月、バークシャーの帳簿価格の110%を上限に自社株買いを行うことを発表しました。我々は市場で、2~3日の間だけ、我々の上限を超えて値上がりする前に6700万ドルの自社株買いを行うつもりでした。それにもかかわらず、自社株買いの一般的な重要性はこのテーマに焦点を当てることを求めているようです。

チャーリーと私は、2つの条件が満たされたとき、自社株買いを行います。そのひとつは、会社が事業を進め、流動性を確保するための十分な資金を持っていること。もう一つは、保守的に計算される会社の本質的価値に対して実体的なディスカウントで売られていることです。

我々は、二つの条件を満たさないで行われる自社株買いのケースを数多く目撃しました。時々、もちろん、重要なものですら、これに違反するからといって罪に問われるわけではありません。多くのCEOたちは、株価が安いと思うことを止めようとしません。他の例では、よろしくない結論が正当化されている。株式の発行による希釈化を相殺するために、あるいは会社が余剰資金を持っているからと言うだけの理由で自己株買いが行われるのは、十分とは言えません。継続的に所有している株主は、本質的価値以下の価格で購入されない限り、傷つくことになります。資本配分の第一法則は、買収や自己株買いのための資金が用意されているいないに関わらず、ある価格ででは賢いが、それ以外の場合にはのろまになるということです。(自己株買いの決定に際して価格/価値要因を常に強調するCEOにJPモルガンのジェイミー・ダイモンがいます。私は彼の株主への手紙をお読みになることを薦めます)

バークシャー株が本質的価値より安い価格まで売られるとき、チャーリーと私は複雑な気持ちになります。我々は株主に株を持ち続けてもらうために、喜んでお金を稼ぎます。そして、我々の持株という、少なくとも9xxあるいはそれ以下よりもx少ない価格であることを知っている資産を購入すること以上に確実な道はありません。(我々の取締役の一人が言うには、「樽の水がこぼれて、中の魚が音を立てて動くのをやめたあとで、その魚を狙い撃ちするようにものだ」)それでも、我々が自己株買いすることで、そのことによる価格よりわずかに高い価格で株主が株式を売却できるようになるとしても、我々はパートナーたちがディスカウント価格で現金を放出するのを見ていられません。それゆえに、我々が買うときは、このようなパートナーたちが彼らが売っている資産の価値を十分に知らされていてほしいのです。

帳簿価格の110%を上限とする我々の自社株買いは、明らかに、バークシャーの1株当たりの本質的価値を増加させます。そして、我々がより多くかつ安く買うことで、株主であり続けることにより多くを得ることができるようになります。それゆえに、機会があるなら、我々はたぶん制限された価格かそれ以下で攻撃的に自社株買いを行います。しかしながら、我々が株価を支えること、我々の設定した価格は下降傾向の市場で下がっていくことに興味がないということを皆さんには知っておいていただきたい。そしてまたね我々の現金の備えが200億ドル以下であれば、我々は株式を買いません。バークシャーでは明白な財務力が、他のすべてに優先します。

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自己株買いに関するこのような議論は、株価の変化に対する多くの投資家の不合理な反応に対処する機会を我々に与えてくれます。バークシャーが自社株買いをしている会社の株式を買うとき、我々は2つのことを期待しています。まず最初に、ビジネスの収益が長期間好調に増加しているというまっとうな希望です。2番目に、株価が同じように長期にわたり市場で平均以下であることもまた望みます。この2番目の点の当然の結果は、我々が所有する株式についての帳簿を説明することは、効果的であることになっていましたが、実はバークシャーにとって有害で、解説者が慣習的に仮定するようには役に立たない。

例としてIBMを取り上げましょう。すべてのビジネス・オブザーバーが知っているように、CEOのルース・ガースナーとサム・パルミサーノは20年前の破産寸前から今日の素晴らしい状態に立て直すと言う傑出した仕事をしました。彼らの経営で達した成果は真に驚くべきものでした。

しかし、とりわけ、近年の企業の財政的な柔軟性が改善されたように、彼らの財務政策は輝かしいと言えるものでした。本当に、私には大企業において以上の財務政策や財務スキルは考えられません。そのことにより、IBMの株主にとっては実質的な利益の増加により喜ばれたわけですから。同社は負債を使い、独占的な買収をしかけ、攻撃的に自社株買いを行いました。

今日、IBMには11億6000万の株式を発行しておの、我々は、その5.5%にあたる6390万株を所有しています。当然、今後5年間同社の利益がどうなるかは、我々にとって重大な問題です。それ以上に、同社は、この数年で500億ドルほどの自社株買いをおそらく実施するでしょう。その日に向けて我々は問います。バークシャーのような長期株主はその間喝采するだろうか。

私は、皆さんの気をもむつもりはありません。我々は5年間IBMの株価に翻弄されることになるでしょう。

数学をやってみましょう。もしIBMの株価が平均的であれば、期間を通して200ドルくらい、同社は500億ドルで2億5000万株を取得するでしょう。その結果9億1000万株が発行済株式数から除外され、我々の同社のおよそ7%を所有することになります。逆に、この5年間で平均300ドルで株が売れるのなら、IBMは1億6700万株しか得ることができません。5年後には約9億9000万株が発行済株式総数から除外されることになり、我々のシェアは6.5%です。

IBMが5年間で200億ドルの利益を得ることになっているのならば、その中の我々の持ち分はより高い株価の時に比べて低い株価の期待外れのシナリオの時の方が、1億ドルは多くなるでしょう。その後の時点で、高い価格で自社株買いが実施された場合に比べて、我々の株はおよそ150億ドルの価値があることになるでしょう。

そのロジックはシンプルです。皆さんが将来に、ご自身のお金あるいは間接的(自己株買いを通じて)株式の買い手になったら、株価が上がった時に、痛い目を見ることになるでしょう。株価が低落した時が儲かるときです。しかしながら、感情は、あまらも頻繁に事態を複雑にしてしまいます。大部分の人々、将来の買い手となる人々も含む、は、株価が上がるのを慰めとしています。このような株主は、単にタンクが満タンだからと言うだけで、ガソリン価格が値上がりしたのを喜ぶ通勤者と似ています。

チャーリーも私も、皆さんの多くを我々の考え方に同調してもらおうと思っているわけではありませんが、自身の個人的なこだわりに気が付いてほしいのです。我々は、多くの人間の行動を観察することで、その無益さを知りました。そして、ここにそれを適切に表わしたものがあります。私も未だ若いころは、市場が上昇するのを、喜んでいました。それから、私はベン・グレアムの『賢明なる投資家』の第8章を読みました。この章は、投資家が株価の変動をどのように見なければならないかを取り扱っています。間もなく、目から鱗が落ち、安値は私の友となりました。その本との出会いは、私の人生の中で最も幸運な瞬間でした。

最終的には、我々のIBMの投資が成功したかどうかは、主に将来の利益で測ることができます。しかし、重要な第二の要因は、同社が相当な金額をつぎこんでどれほど多くの株式を獲得できるかということです。そして、もし自己株買いによりIBMが6390万株減らしたら、私は倹約をやめて、バークシャーの従業員に有給休暇を振る舞います。

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