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2012年4月25日 (水)

湯之上隆「イノベーションのジレンマ 日本の『半導体』敗戦」(3)

第5章 装置メーカーとの共退化現象

日本の半導体シェアと製造装置のシェアはや同じ傾向を示している。これを共進化という概念で説明できる。例えば、リソグラフィ装置の1つで最も高価な露光装置メーカーと、半導体メーカーは、密接に協力して、装置及び要素技術を開発していた。1990年半ば以降、露光装置では長らくトップシェアを誇っていたニコンは2001年にオランダのASMLに追い落とされてしまった。AMSLはサムスン電子や台湾TSMCと共進化できる装置を開発したことによる。そこには、日本の半導体メーカーと韓国や台湾のメーカーとの違いが原因している。日本の半導体メーカーは微細加工性精度を強調するのに対して、韓国や台湾のメーカーはスループットと稼働率を強調する。ASMLの露光装置の特徴は最初に露光装置を設計する際に10年以上通用するプラットフォームを構築したことによる。このことによってASMLの露光装置は装置ごとの差(機差)が小さい。これに対して日本の装置は機差が大きい。この差は実際に半導体の工程に当て嵌めた場合、機差が大きいと工程ごとに専用装置化する。その結果、装置の稼働率は低くなる。一方機差が少ないとどの工程のロットでも、どの装置に処理させても構わないため使いまわしが利き、稼働率が高くなる。ニコンは日本の半導体メーカーの要求に応えるため、このような対応が出来なくなっていた。

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