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2012年6月21日 (木)

あるIR担当者の雑感(68)~アナリスト・レポートを書いてもらうために(2)~IR用会社案内の提案

前回、かなり自慢げな投稿をしましたが、それを面白いと言ってくれた人がいたので、もう少し続けます。(6月初めに決算説明会を行った疲れが未だに残っていて、こんなことをして発散することで、自分を癒しているようです。)前回、自分の会社のレポートを書くということを述べました。おそらく、普通のIR担当者であれば、表現の巧拙は別にして、自社のことですから、内容の面ではアナリストに負けないレポートを作ることは出来るのではないかと思います。アナリスト独自の切り口とか視点、という面もありますが、持っている情報の量も質も、アナリストに比べ桁違いに豊富なはずですから。

それで、実際に作ってみて、会社のことをよく知らない人に見てもらうのです。例えば、身近なところで家族とか。その結果は、十中八九、理解してもらえないと思います。そこで、理解してもらうために、そのレポートの説明をしてみます。私は、その時に満足な説明ができませんでした。レポートの前提になる、どういう会社?どういう事業をしている?という説明が、うまくできないのです。一般的な会社紹介はできるのですが、それがレポートの説明に上手く連動しないのです。例えば、どういう事業をしている?の説明のために、製品カタログを持ち出して、こういう製品を作っているという説明はできます。しかし、カタログに書かれているのは、その製品の特長とかアピールポイントなどは書かれていますが、その製品はどういう製品で会社の製品ラインアップの中でどのように位置づけられていて、売り込む対象とか、その市場規模とか、どれだけの儲けにつながるのか、ということは書かれていません。そういうことを、説明しようとして、意外とそういう情報が曖昧であることに気が付きました。そこで、そういう情報に関して、カッコよく言えばデータベース、昔の卑近な言葉で言えばアンチョコを作り始めました。別に、IR担当者ならば、こういうのは改まって一から作るという作業は必要ないと思います。おそらく、説明会資料を作成する段階で、その都度情報を社内の各部署に聞いたり、情報をもらったりしているはずなので、それを整理したり、足りないものを補う程度でいいと思います。なので、一度、これを試しに作ってみると面白いかもしれません。

意外と大変でした。それまで持っていた情報は断片的だったので、それを整理して、ひとつの会社としての統一像に収斂させていく、言ってみれば情報の体系化が一番苦労しました。これは、おそらく、アナリストが数値データや定性的情報から、その会社はこういう会社なのだという視点を創り上げて行くのと似た作業ではないかと思います。さらに言えば、経営者が同じような作業をもっと深刻に行っているはずです。経営者はそれをもとに、この会社をこのように経営して行こう、というようなものを持つのではないかと思います。だから、簡単なはずはないのです。

そこに書かれるべきことは、アナリストがレポートを書くときに必要となってくると思われるものなので、結果としてレポートの注釈書とか解説書のようなものになるので、作っているうちに、何が必要か分ってくると思います。

しかし、一度作ってしまうと便利に使えます。今までの情報が整理されるので、決算説明会の資料作成が効率化しますし、ミーティングの時に説明のアンチョコとして使えます。また、後輩へ仕事を引き継いだり、手伝ってもらう時に、マニュアルとしても使えます。私の場合は、それを体裁を整え簡易製本して、アナリスト向け会社案内として、説明会やミーティングで配っています。ホームページにも決算説明会の補助資料としてアップしてしまいました。実は、会社の取引銀行の担当者が、使わせてほしいと頼まれたこともあります。融資の稟議書のネタとして便利なのだそうです。それだけでなく、例えば、若い担当者が新任の担当が来た場合など、まずはこれを自身で作らせると、担当の養成としても使えるのではないかと思います。

よく、IR支援会社が説明資料の作成についてアドバイスをする場合、これからどうするかが大切ということを往々にして強調するようです。たしかに、投資というのは将来に対してするものなので、将来はこうしたいという説明は大切です。しかし、その会社がどういう会社で、何をベースに将来のことを説明しているかが理解されなくては、将来のことをいくら熱く語っても、空回りするのがオチではないかと思います。ただし、ソニーとかトヨタというような誰でも知っている会社なら別ですが。そのときに、そのベースを手早く、簡潔に理解してもらうことが一番大切なのではないか、と思います。

また、ベタなことを書きました。いい加減、顰蹙かも。

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