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2012年8月16日 (木)

あるIR担当者の雑感(82)~個人投資家向け説明会の試み(6)

この記事を読んでいる人は、よくもまあ1度の説明会に、これだけ書けると呆れている人もいることと思います。(そういう人は、そもそも読まないですね)一応、今回で打ち止めということにしたいと思います。これまで、説明会のことだけを書いてきましたが、IRには様々なツールがあり、それらと説明会との関係について考えて行きたいと思います。

IRの手段は様々なものがあります。今回、長々と書いてきた説明会は、その中でも主要なもののひとつです。これ以外にも紙媒体の会社案内、決算短信や説明会の資料、有価証券報告書、アニュアルレポート、株主宛の事業報告書、カタログといった紙に印刷、あるいはプリントしたもの。これらはファイル化してホームページに掲載している場合も多いです。そして、ホームページ、メールにより情報配信、最近ではソーシャル・メディア等のネットワークを通じたもの。あとは人脈といったネットワーク等が代表的なものでしょうか。そして、私の勤め先もそうなのですが、それらが個々に作られ、それぞれ独立して使われているという会社が多いのではないかと思います。中には、説明会動画をホームページにアップしたり、紙媒体のツールをファイル化してホームページにアップしたりしているところもありますか、その程度でしょう。

それぞれのツールの利点を生かして、機能の分担とツール相互の補完により、相乗効果をあげて有機的に活用しているところはないと思います。

じっくりと深く考えているわけではないので、単純なものですが、例えば、紙媒体のツールというのはじっくりと読むことができる(世代によって差があるでしょうが、私はパソコンのディスプレイやスマフォの画面よりも紙にプリントした方がじっくりと落ち着いて読めます)。書き込みやメモをしやすい。保管がきく。というようなストックとしての利点があります。これに対して、インターネットの場合は、速度、つまりは最新の情報をすぐに入手できる、あるいは検索により関連情報を入手しやすい、メール等をつかって瞬時に情報交換ができる。つまりは、フローの利点を最大限にしていることです。そして、説明会の場合は、LIVEな点です。おそらく紙やネットワークでは伝えられない情報をそこで得ることができることです。これらのことは単純化しているので、もっと多くの細かな利点があるはずですが、ここでは議論を進めるために単純化しています。

例えば、説明会は、そこで伝わる情報量は抜群に豊富ですが、情報の広がる範囲は狭く限定されています。説明会で使われる資料をホームページにアップしたり、動画をとって閲覧できるようにしてあっても、その情報の一部に過ぎません。会社によっては、説明会資料に加えて、解説資料をさらに掲載しているところもあるようです。例えば、アナリストや機関投資家を対象にした決算説明会で実際のところアナリストやファンドマネージャーがどの程度出席しているのか、ということは出席して見なければ分かりませんが、それは端的に市場の企業への注目度を測る上で、意外と有効なのだと言います。これは、機関投資家との1 on 1ミーティングで質問されることがあります。しかし、そんな情報はインターネットでは分かりません

何を言いたいかというと、説明会やミーティングはLIVEな場で、情報が生まれ、やり取りされる場であります。そこで生まれた情報をインターネットを通じて素早く流し、広める。しかし、インターネット上の情報はすぐに流れてしまうので、紙媒体が適当にストックする。さらに、そのストックを読んだ人が、それを基に説明会で質問して、新たな情報を引き出す。ということになれば、この流れは循環します。このような流れを意識的に生み出すことは出来ないか、と考えています。

今回やろうとしている説明会に即して言えば、説明会に出席した人々同士や会社との関係をウェブ上のやりとりに移して、例えば、facebookのようなソーシャル・メディアの上で、やり取りをすることによって、他の投資家も見ることができると、メディア上でやり取りに参加する人が出てくるかもしれません。そうなるとネットワークは増殖するように広がる可能性が出てきます。そして、そのようなネット上の参加者がLIVEの説明会に出席する可能性も出てくるわけです。そして、出席した人は、そのことによってネット上の議論がさらに充実することもあるでしょう。そういうサイクルがまわれば、このシステムが自律的に大きくなっていくことができます。

このようなことを大規模にやろうとすると失敗する可能性が高いでしょうが、今回の説明会は10名程度の出席から始める予定なので、小さな規模で始めることになります。そのときに、上でのべたような実験的なことの試行錯誤をしやすいと思います。たとえ基本的なところに間違いがあって、大きく方向転換しなければならなくても、小さな規模でやっていれば、最初は比較的容易にできるでしょう。仮に、この試みそのものが失敗だということになっても、出席者が10名程度なら影響はほとんどなくもやめることができるでしょう。(そういうことは考えたくありませんが)

小さな規模でスタートすることで、手直しもむ容易なわけです。あとは、双方向のコミュニケーションが上手くいけば、そのやりとりを通じて説明会を洗練させていくことができるでしょう。それに伴って、徐々に出席者を増やしていくことが成功パターンです。そのプロセスは新規事業を起こし成長させていくプロセスにも似ているかもしれません。今まで何回か書いてきたことは、新規事情の企画書のためのストーリーのようなものと思って下さい。

どうでしょうか。ストーリーの筋としては、いけそうでしょうか。

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