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2012年9月27日 (木)

あるIR担当者の雑感(92)~個人投資家向け説明会の試み、後日談(5)

ここまで、実際どうだったかということで考えてきましたが、今回は、それらを踏まえて、これからどうするかを考えてみたいと思います。

まず、端的に言えるのは、この試みを単発のもので終わらせずに、何とか継続して行っていくことが一番大切で、第一に考えなくてはならないのは、継続するためにどうするかです。それがあって、はじめてそれ以上のこと、成長戦略や拡大策を検討できると思います。

まず、今回の試みをいかにして継続させるかということについて検討したいと思います。この場合、継続していく際に障害になってくると考えられることを取り上げ、それらをひとつひとつ消し込んでいくことが実際的に有効だと思います。あるいは、今回の試みを実施するに当たって事を進ませた要素がなくなってしまうことを考え、そうさせない、あるいはそうなった場合の代替策を考えること。まあ、どちらも同じことでしょうが、そう言うことを考えて行こうと思います。今回の試みを実行に移せたのは、経営者の姿勢と社内の協力が得られたためです。実際のところ、これを得るために時間をかけ、そういう空気を少しずつ形づくり、してきました。これからは、これまでの理解と協力を続けるように、細心の注意を払っていく必要があると思います。これは最低限のことです。

そして、今回の説明会の運営は、外部の協力があって初めてできたことなので、とくに告知や集客といったことは証券会社の営業支店の協力がなければ成り立たなかったと思います。しかし、証券会社自体の姿勢と言うのは、前回も書いたように積極性が目立つというものではありませんでした。私の勤め先は市場では地味な会社で知名度はありませんから、証券会社の営業による告知集客がないと、せっかくの説明会も人が来ないことになってしまうことになってしまいます。説明会が軌道に乗れば、参加した投資家の紹介や知名度の向上が期待出来るのでしょうけれど、しばらくは無理です。このためには、証券会社との関係維持、あるいは他の集客手段を模索することも考えなければならないと思います。

その他には、実際に説明会を実施してみて分かった点の改善や説明会の内容のレベルアップは、言うまでもなく、取り組むべき課題です。

そして将来的に目指す方向性について、どういったようにやっていくかということについて考えてみました。

まずは継続性の面について、説明会を定期的、継続的に実施し続けて行くために、個人投資家向け説明会の開催をスケジュール化させ、会社の行事として定着させることが今後の大きな課題です。そのために、決算説明会とあわせて年間計画に織り込んでしまい、開催することルーチン化させてしまうことです。そして、運営面では、今回は初回だったので、全員初めてでしたが、2回目以降は初めての参加者しリピーターが混在することになります。初めての人には会社の基本的なことを紹介しなくてはならないでしょうが、リピーターにはその必要がなく、むしろより深堀した説明や決算期の状況説明が重視されるようになるでしょう。そのためにかんがえられるのは、説明会をパーツ化して、それぞれで別々に実施することが考えられます。つまり、説明会の会社紹介の部分、決算期の業績説明の部分、それ以外の説明(事業計画や新規事業など)の部分、そして、工場見学の部分、と分けて4部制にして、参加者はそのうち希望する説明だけを聞けばいいと言うやり方です。例えば、午後1時から会社紹介、2時から決算説明、3時から工場見学というようにして、通して聞くのもいいし、2部から参加しても、3部の工場見学だけ参加してもいい、というものです。これは1日のうちでまとめてしまう方法です。また、別の方法として、説明会のシリーズ化ということも考えられます。それは、1度の説明会を1クールとして考えるということです。例えば、期末の時期に説明会を1回だけでなく1週間続けて開催し、その中で月曜日は会社紹介から工場見学まで説明し、火曜日は決算説明だけ、あるいは水曜日は会場を都心にして会社までわざわざ出向かなくてはいい、あるいは土曜日に開催する、というように何種類かの説明会を集中して開催し、好きなものに出席できるようにするというものです。この場合は、説明会への出席者が増えた場合に、スモールミーティングの形式を続ける場合に有効なやり方になると思います。また、個人投資家の側でも出席する間口が広がるので、出席しやすくなるでしょう。しかし、この場合、会社の負担がかなり大きくなることは覚悟しなければなりません。さらに、ヴァリエイションのひとつとしてウェブ説明会という形式の検討が考えられます。

そして、継続が時間的な拡大であるなら、範囲の拡大、参加者の拡大の面も考えていく必要があると思います。この場合、継続の面で述べました説明会のシリーズ化がここでも有効であると考えられます。さらに範囲の拡大という面で、ここに参加者として株主の同時に参加するということが考えられます。というのも、個人投資家が会社に投資すれば株主です。反対に株主が株を売却すれば投資家です。株を持っているか否かで呼び名が変わりますが、通常、投資家は株式を売買するので、どちらの呼び名でも参加できるほうが、フェアであるし参加しやすいと思います。また、参加者同士が私的に交流する中で、株主が未だ株式を取得していない投資家に取得を勧めることも考えられます。株主の方でも、株主総会は質問しにくい雰囲気ですが説明会なら質問もリラックスしてできるかもしれません。

これは、参加者の範囲の拡大ですが、開く側の拡大も考えられます。つまり、複数の会社が合同で説明会を開くというあり方です。同じ地元であったり、業種であったり、または全然関係なくてもいいでしょうし、お互いの会社がそれぞれに投資家を集めて、合同で開催することで投資家の参加範囲が広がることが考えられます。参加する投資家も複数の会社を比較して聞くことができるので、メリットはより大きくなると思います。いわゆるコラボレーションというわけです。コラボレーションの相手は、何も会社だけでなく、個人の一般投資家を相手とする独立系のファンドや証券会社、あるいは市場ともできるのではないか、あるいは個人投資家等で作っている私的なサークルや学校(最近、投資をカリキュラムで教えているケースもあります)だって可能性としては考えられるでしょう。

まだ、現時点では夢の話かもしれませんが、仕事をしていて夢を語ることができるというのは幸せなことではないかと思います。IR担当者だって夢を語ることができるのです。

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