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2012年9月24日 (月)

あるIR担当者の雑感(88)~個人投資家向け説明会の試み、後日談(2)

昨日は、出席者数のところで話が止まってしまいました。今日は、その内容、10人という出席者での説明会そのものは、どうだったのかという中身の話に入っていきます。多分10人という人数は会議とかミーティング等で個人が活発に意見を言い合える限度の人数ではないかと思います。

説明会は会社内の、通常は生産技術関係の実習や研修に使用する会議室を使用しました。これは、実習等で使用する部屋なので、工場の一部を会議室としたもので、工場現場の臨場感が味わえるのではないかと考えたためです。室内には実習用の機械等も置いてもありました。また、10名のキャパにちょぅどいいサイズの部屋であることも、その理由です。実際、ものものして応接室や会議室でなくて、こういう部屋を使ったのは、中堅メーカーである私の勤め先にも似合っていて、参加者も親近感のようなものを持ちやすかったのではないかと思います。その代わり、部屋の掃除等は入念に行いました。

そして、説明会本番です。考え方からすれば、投資家と会社との双方向的なミーティングのようなあり方が理想であるとは、このブログで何度も書きましたが、初めての試みで出席する投資家の方は、そのような考え方に初めて触れることになるわけです。出席する側にとっては何も知らないところで、双方向で行きましょうと言われても、戸惑ってしまうだけでしょう。だから、説明会の机の並べ方について、考えた方を徹底すれば環状にしたり、対面型、あるいは四角型のレイアウトにして、相互に一人一人の顔が見えて、質疑応答や意見を言い易くするのがベストということになるでしょう。しかし、先に言ったように出席する投資家が戸惑うことを避けるため、スクール型の配置にすることで落ち着きました。敢えて、ここでショック療法で一気に差別化を図るやり方もあったと思いますが、リスクが大きすぎると考えました。

そして、説明する内容については突飛なことは行っていません。その点では、以前のブログで散々立派なことを書きましたが、今回は初回でスムーズに導入し、徐々に個性を出し強めて行こうと考え、あまり突飛なことはしませんでした。部分的には、ビジネスモデルや事業の強みやリスクといった、プロ向けのミーティングで話すオーソドックスな要素を多く入れたというところと、剥き出しの形では却って分かりにくくなると考え、説明やグラフ等に加工してデータを多めに出すことに注意しました。目指したのは、配布する説明資料は、説明会の後自宅に持ち帰って、会社の業績等を新聞や四季報等で追いかけるときに、サブテキストとして利用できることを目指したということです。そして、説明の内容も、それに合わせたものとしました。

これは、後に継続して定期的に業績や事業の進行状況を説明会で報告していくことを考えると、そのような情報を上手く消化できるような会社についての基礎知識という基礎的なデータを、それとなく提供しようということを考えたためです。

そういう意図から、説明資料は普通はパワーポイントのスライドをそのままプリントしたものを配布するのでしょうが、冊子のようなものを別に作成し、スクリーンに投影するパワーポイントのスライドを基本としながら、スライドだけでは、後で見ると内容が把握できなくなっていることがないように、文字による追加説明を多く加えてあります。ただし、これは実際にやってみて混乱を招きました。基本的にはスクリーンに投影するスライドと共通のものをベースにしていますが、部分的に違うところがあると、ス投影されたライドと同じものを探す人がいました。この辺りのことは、細かな手段の修正に関する課題なのであまり深入りしませんが、そのような参加者一人一人の動きが見えたというのは少人数の説明会を行ったことの大きなメリットだったと思います。10人が相手なので、一人一人の顔を見て、説明を理解できているかを確認しながら説明のスピードを調節したり、説明を追加したり、逆に省略したりと臨機応変にできたと思います。しかし、そのためか説明が丁寧になり過ぎて、受け取る人によっては諄かったと、また説明時間が超過気味になってしまったことも否めません。この点は、説明の下手さも原因していので、何とも言えませんが(説明をしたのは私です)、説明をしている私自身はプロの投資家とミーティングで質疑応答のやりとりをしている時とおなじような感覚で、ただし、会場の個人投資家は沈黙していましたが、その表情や息遣いから気配を感じることは多少できたのではないかと思います。だから、説明の内容はポイントを絞り、要点には突っ込んだ説明したこともあって、レベルは落とさずにできたと思います。

その後の質問は、真摯なものでした。

そして、工場現場をはじめ社内見学を入れたことで、百聞は一見にしかずといいますが、まさにその通りで、社内の空気とか、実際に働いている社員を間近に見ることで、説明に具体性とリアリティーが加わって理解が進んだのではないかと思います。一緒に歩くということは、親近感を抱かせる効果もあるようで、工場見学で歩きながらの会話で質問かあったり、というように工場見学で多少でも対話ができました。参加者の表情も工場見学の時には飛躍的によくなりました。ひととおり、工場内を回って会場に戻ったときに個人的な会話も出来るようになってきたので、工場見学、あるいは共に歩くということは、親密度を一気に高めることができるものです。

出席した投資家の人たちの傾向のせいもあると思いますが、ある程度充実した説明会であったという気はしています。

説明会の後でアンケートを行いましたが、会社の魅力的なところも魅力的でないところも、率直に記入してくれて、そこまで判断してくれたということは、今回、成果として考えられるのではないかと思いました。説明会の後で会社に対して批判的な答えをするのは勇気のいることで、たとえそう思っても、自分の判断に自信がなければ、あえて否定的なことは書かずに空白にすることも出来るところで、敢えて書いてくれたというのは、ちょっと言い過ぎかもしれませんが、会社のことを理解したと投資家の人が思ったということと、正直に思ったことを書いたということでそれだけ会社に言おうと考えたということで、そこにコミュニケーションが成立するベースが存在したと思うわけです。

しかし、最後に会社から、この後決算情報などの定期的な情報提供を希望するかを聞いたところ、希望した人は3人だったので、あまり楽観的に考えることもできないと思いました。

手前味噌かもしれませんが、ある程度の結果は出たと思います。この後大事になるのは、それを成果として残せるかということと、次回以降でこれを展開させていくことです。具体的に何をどうするかは、これから考えなくてはなりません。

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