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2012年11月10日 (土)

畑村洋太郎×吉川良三「勝つための経営~グローバル時代の日本企業生き残り戦略」(6)

第3章 外からはどう見られているか

日本の企業は、世界からどのように評価されているでしょうか。株式上における評価が参考になります。日本の経済の停滞はバブル経済の崩壊がきっかけとされています。ただし、上場企業の総売り上げを見ると、意外なことに1990年代以降もほぼ一貫してプラス成長を遂げてきました。しかしそれが株価の上昇に結びつくことはありませんでした。その理由としては、1990年代の利益率の低下と、バブル経済に象徴される企業の過大評価があげられます。要するに、1990年代は内需の拡大が鈍ったことで最終利益率が悪化し、その影響が薄れた2000年代はバブル状態が続いていた日本株の価値が見直され、是正がはかられて全体的に評価が下がった結果、日本の株式市場は概ね下落基調で推移してきたということです。それでは現在ではとうでしょう。いまの日本株の評価は、現時点では他の先進国やアジア諸国並みの水準にまで切り下がったと言われています。つまり調整のプロセスはほぼ消息し、いまの株価は概ね上場企業の解散価値を示しているのです。したがって今後は、各企業が計上する最終利益がそのまま株式市場の投資価値の判断材料になると考えられています。とはいえ将来的な見通しは、必ずしも明るいとは見られていません。今後国内で右肩上がりで経済が成長する姿を思い描くことはできません。そのような状況の中で日本企業が成長するためには、やはり海外、それも成長著しい新興国で利益を創出することが必要ではないか、と海外の投資家は見ています。それができない企業は、少なくとも株式市場では「投資価値はない」という判断を受けかねません。

日本企業が世界の市場で苦戦している理由の一つとして、ブランド戦略の過ちがあげられるのではないでしょうか。これも背景には「自分たちはいいものをつくっているから売れるはずだ」という傲慢さがあるように感じます。しかし、そのことに気づいていない企業は意外に多いようです。日本の企業がまだ世界の市場で大きく後れをとっていた時代は、どこの企業も社名を前面に出してアピールを行っていました。実際に以前でしたら、世界中のどの地域に行っても、一般人で日本の首相の名前は知らなくても、日本の代表的な企業の名前は知っている人がたくさんいました。このようにどの地域もたいていの人がメーカー名を覚えてくれているので、あえて社名を強調する必要がなくなったと考えているかもしれません。しかしもしそのように考えているのなら非常に残念なことです。いまは、新興国が大きな市場となっていますが、これらの国では当然、日本企業の実績はさほどありません。市場に浸透していないのですから、商品名だけで勝負するような従来の手法は成立しないのです。そのための対策をきちんと打たないことには彼らから見向きもされなくなってしまいます。ところが、日本の企業の中で、そのような危機感を持っている人たちは少数派になります。大多数は、「先進国で認められているから、世界のどこの国でも自分たちのブランド力が通用する」と考えているのかもしれません。こうした意識も傲慢以外の何ものでもありません。

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