無料ブログはココログ

« ベルギー象徴派展(1) | トップページ | ベルギー象徴派展(2)~グザヴィエ・メルリ »

2013年1月23日 (水)

あるIR担当者の雑感(107)~IRのホームページを考える(9)

ここまでの議論は、既存の各社のホームページに対するダメ出しとか、文句を言っているだけに聞こえるかもしれません。もしそう聞こえたら、私の書き方がまずいのかもしれません。私としては、最初に打ち出した前提と私の勤め先が置かれた状況、そして実際にページを作っている経験をもとに、このように考えているということを、ここに書いているわけです。

今日は、「事業の特徴(強みと課題)」「売上構造」「技術開発」という項目、これは私の勤め先のホームページを作る時に考えた項目名ですが、言ってみればビジネスモデルに関する項目です。

「売上構造」という言い方をしていますが、例えば、メーカーが、そもそも、どのようにして製品を顧客にとどけ、どのようにして利益を産んでいるかという、いうなればビジネスモデルを、もう少し突っ込んだようなものです。企業の側では、当然のことなので、今さら説明するまでもないというほどの前提で、事業戦略とか、営業や製品開発、仕入れなどの企業活動はすべてこれをベースに考えられ、行動が為されています。しかし、企業の外側にいる投資家にとっては、実はほとんど説明が為されていないことではないかと思います。例えば、客が製品に興味を持ってから実際にその製品を手にするまで、どのような経路で、そこにどのような人々が介在するか、というようなことです。これは、今日紹介しようとしている「事業の特徴(強みと課題)」と密接に関係しています。例えば、自動車とう製品について、自動車メーカーが各社ありますが、それぞれのメーカーが自動車を作っていますが、その自動車を自社で生産して、自社で直接消費者に販売して直接代金を受け取る会社もあれば、自社では直接消費者とやり取りしない会社もあります。その違いによって各社の自動車の売り方や作り方に微妙な違いを生んでいるわけです。例えば、A社は販売会社が別にあって、専らそこが自動車を売っているという場合。販売会社自体が経営を成り立たせなければいけないわけですから、消費者に自動車を売ることを第一に考えます。売れない車から仕入れません。また、売れる車を求めて自動車メーカーに要求もします。これに対して、B社は生産も販売も自社内で行うとなれば、社内の力関係に製品が左右されます。上手く行けば営業がこんな車は絶対売れないと言うような革新的な車を開発が強引に販売させて大ヒットという可能性もあるわけです。その正反対の危険もありますが。それができる要因のひとつはモデルに由来しているといえます。しかし、こういう情報を正面から開示し説明している会社は、それほど多くはありません。また、アナリストが取材で質問することも多いとは言えません。求められなければ答えない、ということなのでしょうか。もしかしたら、これを知ることのメリットを投資家の方も気づいている人は少ないのかもしれません。一方、企業の中でも、有能な経営者は当然、明確に認識しているでしょうが、そうでない普通の社員は明確に言語化できていないかもしれません。多分、上場会社であれば、ISO認証やJSOXによる内部統制、あるいはコンピュータのよる業務システムなどのさいにフローチャートを作成しているはずで、そのエッセンスをシンプルにしたものを図として示して、説明を加えています。昨日も言いましたが、説明を簡潔にして字数は少なければ少ない方がいいというのが、これまでの常識的なホームページの原則でしたか、丁度企業を定年になるようなビジネスパーソンなら文字による説明に抵抗感を感じることは少ないでしょうし、最新のブラウザならば簡単に字だけを大きくするように設定できるため、紙媒体よりも、却って小さな字を詰め込んでも、読みにくくならないという利点があります。

そして「事業の特徴(強みと課題)」は、そのタイトル通りです。このような項目は企業にとって一番のセールスポイントで、機関投資家とのミーティングなどでも、この点に関する質問が一番多いと思います。そして、ここで説明されているとは、リンクで他のページに参照されることによって、説明を省略し、その代わりに全体をストーリーとして提示することにより、ページを見る人は興味を掻き立てやすくなるし、感情移入も可能になると思います。そして、このような項目では、決算短信や四半期報告のような制度的なIRや時間の制約のある決算説明会では表わすのが難しい企業の空気とか雰囲気を説明しアピールする絶好の場でもあります。

「技術開発」もそうです。メーカーの中には研究所の施設の紹介とか、どのような技術を持っているかという説明が多いと思います。ここでは、試みに読み物風に開発関係の技術者には、どのような人間がいて、どのように製品を開発しているかを中心にページを作りました。その中で、コア技術をもって、それを現場の人間が大切にしながら、いかに発展されて来たかとか、企業内の自由な空気のようなものをアピールしやすい場でもあると考えました。

« ベルギー象徴派展(1) | トップページ | ベルギー象徴派展(2)~グザヴィエ・メルリ »

あるIR担当者の雑感」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

« ベルギー象徴派展(1) | トップページ | ベルギー象徴派展(2)~グザヴィエ・メルリ »