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2013年2月 3日 (日)

あるIR担当者の雑感(113)~アナリストレポートは価値ある財産

私の勤め先の会社は、ここで何度も述べましたように、新興市場に上場する地味な中小企業で、投資家の注目もなかなか集まりません。最近、幸いなことに1人のアナリストの方がレポートを書いてくれた、という会社です。そして、そのレポートを書いてもらって分ったことですが、このレポートというは非常に便利な優れものであるということです。もっとも、書いていただいたレポートが、たまたまそういう質の高い、応用の利くものであったから、すべてのレポートに当て嵌まるとは言えないかもしれません。日本では証券会社をはじめとした機関にいわゆるセルサイド・アナリストと呼ばれる人たちが、千人前後活動していると思います。その全部が企業を対象とした分析をするわけではありませんが、大半が企業を分析し、毎日のようにレポートを作成しています。年間にすれば、それは膨大な数になるでしょう。そのレポートは、私の知る限りでは証券会社の会員向けホームページにアップされたり、店頭で顧客に手渡されたり、営業から顧客に送られたり、あるいは社内の営業とのミーティングで配布されたり、というような、いわば一過性の使い捨て(言い過ぎかもしれません)のように使われているのではないかと思います。もちろん、株式市場は日々変動していますし、企業の経営状態も固定的なものではありませんから、レポートは、ある時期に即して書かれている、いわば旬のあるものだから、旬を過ぎてしまえば、投資のための利用価値は下がってしまうことは考えられます。つまり、実際のところアナリストが苦労して書いたレポートは書かれた時から短期間のうちに大量に配られ、あとはほんの一部が時折思い出したように参照されるというような使われ方をしているのではないか、と思います。

これは、取材された企業の側からも、苦労して作成したアナリストやコストをかけている証券会社の側からも、もったいないことです。最初のところでレポートというのは便利な優れもので、重宝させてもらっていると書きましたが、レポートは投資家への情報提供、あるいは銘柄の推奨ということだけに用途を限定しないで、他のことにも利用価値があるのではないか、もっと使えるのではないか、と思ったりしました。たとえば、今回、私の勤め先では株主通信に社長インタビューを巻頭特集として載せました。そのインタビューは、あるアナリスト(冒頭に述べたレポートを書いてくれたセルサイド・アナリストとは別の方です)が社長へのインタビュー記事を書いてくれた時に、その取材に同席した時のメモをもとにしたものなのです。そして、ご本人と作成してくれた会社の許可を得て、アナリストのインタビューという記事を株主通信に載せることができました。この場合、たまたまということと、このこと自体のために労力がかかっているわけでなく、いわばついでのようなことだったこともあり、相手の好意により、できたものでした。そして、この株主通信は、本来は株主向けに作ったものですが、社長の考えが分かりやすく、しかも外部の人のインタビューなので客観性もあるということから、株主に限らず取引先や顧客に配るということにも有効です。当然、社内の従業員に向けても、このような冊子という形の残る媒体を配るのに、非常にいいものとなりました。そういう利用価値を考えれば、ひとつの商売として考えてもいいのではないかなどと思ったりしました。セルサイド・アナリストも企業トップに取材したり、インタビューすることは少なからずあると思います。そこで、そのインタビューの副産物として、相手の企業に売り込むことはできるのではないか。一種の発想の転換ですが、日々書かれているレポートについても、そのように考えれば、活用できる可能性は多々あるのではないかと思います。それを最大限に活用すれば、証券会社のコンサルティング面での事業が広がる可能性だってないとは言えないのではないか、などと思ったりしました。

アナリストというのは企業を見るスペシャリストです。その能力を投資家だけでなく、企業にたいしても貢献することはできると思います。例えば、過去のある企業のレポートをテキストにしてその企業の経営陣や幹部を対象にセミナーをアナリストにしてもらう、とか。個々の企業のことを分っていない経営コンサルタントを呼んで企業が行う社内セミナー等に比べれば、遥かに実践的な内容になるのではないか、などと考えます。

私は、個人的には、経営コンサルタントという肩書の人が掃いて捨てるほどいるように見えて、何かのおりに話を聞いたり、著作を読んだり、また、実際に企業にコンサルとして入った時のレポートなどを拝見させてもらうと、何か碌なものでないという感想がでてきます。それなら、取材やミーティングで話をする機会のあるアナリストの人たちだったら、もっと実のあることができるだろうと、思ってしまいます。そうなれば、アナリストの方の実力をいかせば、今以上に価値を産みだす可能性があるのではないか、と思います。

これは、実際を良く知らない者の思い付き、妄想です。不正確な点はお許しください。

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