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2013年3月 7日 (木)

ウォーレン・バフェット「株主への手紙」2012(1)

先日、バークシャ・ハサウェイのホームページに、ウェーレン・バフェットの「株主への手紙」の2012年版が掲載されました。

これから、その前文を日本語にして、ここで掲載していきたいと思います。ただし、下手な訳、というよりも直訳に近いだろうから、読みにくいと思われた人は、原文を当たってみてください。

下のURLにあります。

http://www.berkshirehathaway.com/letters/2012ltr.pdf

 

それでは、少しずつ訳していきたいと思います。このような拙い翻訳を始めて4年目となりますが、前回までは全部終わったところでまとめてアップしていましたが、今年は、ある程度進んだところで、その都度アップしていきたいと思います。そのため、仕事の都合や翻訳のペースによってアップの時期が一定しませんが、我慢してお付き合いください。それでは、始めて行きたいと思います。

 

 

 

バークシャ・ハサウェイの株主の皆様

 

2012年バークシャーは株主価値をトータルで241億ドル増やすことができました。我々は自己株式を買い戻すのに13億ドルを費やす一方で、自己資本を年間で228億ドル増加させました。我が社のクラスAとクラスBの株式の2010年の帳簿価格は両方とも14.4%増加しました。現在の経営陣が経営を引き継いでから48年以上の間に、帳簿価格は19ドルから114,214ドルに成長させました。これは年間複利で19.7%に当たります。

 

昨年は、たくさんの良いことがバークシャーにありました。しかし、まずは悪いことから片付けてしまいましょう。

 私の行っているパートナーシップは1965年にバークシャーを買収したとき、我々が見開きページに提示しているものに比べて、241億ドルの利益を上げた1年が標準を下回るとは夢にも思いませんでした。

しかし、今期は標準を下回りました。48年間で9回、バークシャーの帳簿価格の増加率がスタンダード&プアーズの増加率(配当と価値評価を含んだ計算です)を下回ったことがありました。これらの9回のうち8回は、注目すべきはS&Pが15%以上の高い成長率だったということです。我々は向かい風を受けた時には、うまくやっているのです。

今日まで、成長率においてS&Pを凌ぐこと43回、パフォーマンスで5年続けて下回ったことはありませんでした。(記録は103ページにあります。)しかし、この4年間S&Pはあらゆる分野で我々を上回る成長を続けました。マーケットが2013年もこのまま同じように成長を続けるようなら、我々は5年連続でS&Pに負けることになります。

確かなことは一つです。バークシャーの業績がどのようなものであれ、会社の副社長であるパートナーのチャーリー・マンガーも私も、物差しを変えることはないということです。本来のビジネス価値を増やしていくことが我々の使命です、それも、S&Pが市場で得るよりも早いレートで、その際に我々はかなり控えめな尺度として帳簿価格をもちいますが。我々がそうすることができれば、予測は出来ないかもしれませんが、バークシャーの株価は時間とともにS&Pを追い越すことでしょう。しかし、我々が失敗すれば、我々のマネジメントは低コストのインデックス・ファンドを買うことによってS&Pのリターンを得るような投資家に対して価値を付与することはできないでしょう。

チャーリーと私は、バークシャーの本来の価値が小幅な利益を積み重ねていくことによってS&Pをいつかは凌ぐことになると信じています。我々には素晴らしい執行役員の幹部と株主を志向する文化をもった数社の特筆すべき企業があるので、この実現を確信しています。しかし、我々の相対的なパフォーマンスは、マーケットが下落か停滞している時には必ず上回っているのです。マーケットが特に強く上昇している年は、我々はそれには及ばないと思ってください。

 2012年における第2の失望は、大きな買収ができなかったことでした。私は1組の巨象を追いかけましたが、結局手ぶらで戻ってきてしまいました。

しかし、我々の運は、今年に入って変わり始めました。我々は、2月に、HJハインツを所有する持ち株会社の50%の株式を取得することに合意に達しました。有名なブラジルのビジネスマンであり慈善家でもあるジョージ・パウロ・レマンが率いる小さな投資グループが残りの半分を所有します。

我々は、より良い会社のカテゴリーに入れませんでした。ジョージ・パウロは私の長年の友人であり非凡なマネージャーです。彼のグループしバークシャーはそれぞれ持ち株会社の普通株勘定に4億ドルを拠出します。バークシャーは、また、年9%配当の優先株に80億ドル投資します。

好ましい点として、価値を実質的に増す2つの特徴があります。いくつかの点で、それはかなりのプレミアム価格で買い戻されます。そしてまた、名目価格で持ち株会社の普通株の5%を買うことを認めるワラントを得ます。

およそ120億ドルとなる我々の投資総額に、バークシャーが昨年獲得した利益の多くをつぎ込んでいます。しかし、我々は多くの現金を保有しており、よくできたクリップでもっとさらに現金をつまみ上げています。それでは仕事に戻りましょう。チャーリーと私は再び狩猟用具一式を身に着けて、象の捜索を再開しました。

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