無料ブログはココログ

« 「現代スペイン・リアリズムの巨匠 アントニオ・ロペス」展(2)~故郷 | トップページ | 丸川知雄「チャイニーズ・ドリーム」(1) »

2013年6月10日 (月)

あるIR担当者の雑感(120)~円高の不思議

これまで日本経済は低迷というかはっきり言って沈んでいたわけで、その時に外為レートでは円高がどんどん昂進していったわけです。ところが昨年末からアベノミクスが喧伝されて、日本経済は、もしかしたら、これからのイケるかもしれないとなったら、円高が進んでいたのが一転して円安が進み始めました。これは新聞やテレビのニュースで散々報じられていめことで、私の周囲でもそれをもとに様々な議論がたたかわされていました。

しかし、とそこで、私は根本的なことが分かっていないのです。何か逆のような気がして何かはっきりしないのです。私のような無知な一般大衆レベルの浅はかな考えでいけば、景気が沈んでいれば円安になって、景気が回復すれば円高になるんじゃないの?というのが素朴な疑問です。景気が沈んでいれば、企業は成長しにくいし、場合によっては潰れてしまう危険も高くなる。そうなったら日本企業に投資するよりは、他の韓国とか中国とか成長している国の企業に鞍替えした方がいいとおもうでしょう。それで日本企業への投資を引き上げる。これは海外投資家が売り越しで日本企業の株価が、実際に下がり続けたわけですから、何となく事実そうなのか、と思います。そのときに、日本企業の株を買う時は円という通貨で買っていたわけですが、それを引き上げて中国や韓国の企業に投資しようとすれば、日本企業に投資していた株式を引き上げると、現金を手にするわけです。それは円で、というはずですが、円では韓国や中国の企業の株を買えないので、手にした円を韓国や中国の通貨であるウォンや元、あるいはドルに替えることになるはずです。つまり円売りになるわけです。日本経済が沈んでいるわけですから、日本に投資している人達は、それこそ沈みかけている船から一斉にネズミがいなくなってしまうように、我先に逃げ出すということになれば、円を売りたい人がたくさんいるはず。その場合、外為市場は売り手と買い手の需要と供給で成り立っているわけですから、売りたい人が買いたい人より多いのならば、当然買いたい人は少しでも安く買おうと、円を買いたたく、値切るはずです。それでも売りたい人が多ければ、売らざるを得ない。ということになれば、円安が進むのではないか。それが、私の常識です。実際に、以前の韓国では経済危機からウォンが暴落してIMFの管理下に入ってようやくウォンの暴落を治めて、その後、国内の大リストラを生き残ったサムソンや現代がウォン安を背景に輸出攻勢に出て世界的大企業に短期間で成長して行ったのではありませんか。お隣の韓国で起こって、日本では起こらなかった。むしろ、逆の事態が起こった。このことをうまく説明してくれる人はいませんでした。

多分、経済学者や官庁の政策担当者、あるいはマスコミで報道している人は分っているのでしょうが、だれも分かり易く解説してくれる人はいません。たんにも円高と不況だからとセットで話しているばかりで、どうして、の疑問に答えてくれる人はいませんでした。でも、この事態って、この数十年のあいだ宿痾のように日本経済について回っていることではないでしょうか。景気が悪くなっても、さっき触れた韓国のように円安になれば、企業が輸出で稼いでV字回復となれたのに、そうはならなかった、逆に厳しい状況で、円高が輸出の障害となり、競争力を落として新興国との競争に敗れていく日本企業が続出したわけではありませんか。

アベノミクスってものものしい経済政策理論みたいに、先日も著名な経済学者が来日して議論して行ったようですが、その上に述べたことの原因と、それがどうなるのかということを分かるように説明はしてくれませんでした。だから、分らないのです。正直に言って。どなたか、教えていただけませんか。

先日、ある本を読んでいて、手懸りっぽい話を得ました。それは、日本、あるいは日本企業は韓国等に比べて、潤沢な海外資産を持っているので、多少の不景気でもびくともしない。個人でもミセス・ワタナベと言われるくらいに海外に投資している。この海外資産を、日本の景気が厳しくなってきたので足元に火がついて、あわてて回収しようとした。例えば海外にドルでとうししていたのを手元に引き上げようとした。国内で当座の足しにするために引き上げるとすれば、海外のドルで投資していたのを、国内で使えるように円に替えなければならない。つまり、円を買うことになるわけで、そういう人が続々とでてきた。円の売り買いが買い手が増えて売り手市場となってしまった。そこで売り手に有利になって円高になったというのです。それなら合点が行きます。アベノミクスで取り敢えず安心して、買い戻すのを控えた、だから円高が止まった。というのは、違和感があります。だって、厳しい経済状態は変わっていないのですから。経済解説でも、アベノミクスなどで空気が変わったというようなことが言われていますが、その間の説明が為されていないのです。そこのところ、このような疑問を持っている無知な私にも、分かるように教えてくれる人はいないでしょうか。

と、ここまで書いていて、著名な経済学者もアナリストも、ましてやマスコミの人達も、もっともらしいことを言っているけれど、本当のところ、この疑問に答えられないのではないか、分っていないのではないか、とも思ったりしています。本当のところ、どうなのでしょうか。

« 「現代スペイン・リアリズムの巨匠 アントニオ・ロペス」展(2)~故郷 | トップページ | 丸川知雄「チャイニーズ・ドリーム」(1) »

あるIR担当者の雑感」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: あるIR担当者の雑感(120)~円高の不思議:

« 「現代スペイン・リアリズムの巨匠 アントニオ・ロペス」展(2)~故郷 | トップページ | 丸川知雄「チャイニーズ・ドリーム」(1) »