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2013年7月30日 (火)

あるIR担当者の日記~7月29日(決算短信の投げ込み)

7月16日に東京証券取引所と大阪証券取引所の統合市場がスタートしました。私の勤め先はJASDAQ市場に上場しているため、上場の事務手続きが大証のシステムから東証のシステムに替わることとなりました。まずは、第1四半期の決算発表です。証券取引所に決算短信を提出して公開するには、大証の場合も、東証の場合もTDNetという統一システムにログインしてPDFファイルとXBRLデータを登録します。それらは、登録されると証券取引所のホームページから適時開示サービスを通じて、インターネットで閲覧することができます。この方法は、今度のことで変化はありません。

今回変化したのは、証券取引所にある記者クラブ、東証の場合は兜クラブへの情報提供です。兜クラブには日経新聞や一般紙、あるいは通信社の経済記者が詰めていて、各社のブースと書類受付のポストがあります。決算発表のときは、その各社のポストに決算短信を投函します。これを「投げ込み」といいます。実際のところ、これだけインターネットやパソコンが一般化し電子データが高速で飛び交っている状況で、未だに紙にプリントして綴じこんだものをわざわざ持って行って、記者はそれを受け取って見るという、原始的なことを未だにやっています。上場会社は報道各社の分として50部以上を持参して投函します。一方、記者は側はピーク時は数百社が一斉に投函されてくるのを全部見ることができないので、めぼしい決算短信を斜めに見て、あとは捨ててしまいます。それを決算短信を投函している上場会社の担当者の見ている前でやっている記者もいました。そんなこともあってJASDAQでは、兜クラブと交渉して、兜クラブ専用の閲覧ページをネット上に設置し、上場会社はそこに短信をアップロードすることで、「投げ込み」をせずに済ますことができるようになりました。これは上場会社にとっては、大変ありがたいことです。都心に本社がある会社はいいですが、そうでない場合は、わざわざ兜町まで短信の束をもって「投げ込み」に行かなければなりませんでした。

しかし、東証にシステムが統合されたことで、そういう便利にシステムはなくなってしまい、再び「投げ込み」に行かなくてはなりません。東証にきいてみたら、投げ込みをするかどうか上場会社の自由ですから、ということでした。なんかすごく無責任な感じがしました。未だに、こんな時代遅れのことから抜けられない経済記者クラブもそうですが(それで、よくまあ最先端技術とか、企業とかの記事が書けるものだと感心もしますが)、上場会社の決算が発表されるという制度的なことしか、考えずマスコミを通じて投資家に伝えることが視野に入っていないのか東証は、と疑問を感じています。

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