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2013年7月20日 (土)

プーシキン美術館展 フランス絵画300年

Pu6月に定時株主総会が終わり、3月決算の上場会社は一区切りがつく。とくに会社法や株主総会の担当者は最大かつ最重要なイベントが終わったということで、ひと段落となる。そこで、上場企業の株式担当者のヨコの組織である株式懇話会は7月に総会の反省会とメンバーの慰労を兼ねた部会を開催している。今年の部会は、あるメンバー企業の横浜近くの工場見学と勉強会、そして夜の親睦パーティという企画だった。

何で、美術展と関係ないことを説明したかというと、丁度その日、勉強会が終わり、夜のパーティまで1時間30分の時間が空いたので、近くの横浜中華街で自由時間となり、中華街を各自散策することになった。しかし、中華街というのは、いうなれば飲食店街で、あとでパーティで食べることになっていることを考えると、見てもしょうがない。実際の、ほかのものは何もないので、私には食べる目的がなければ退屈な場所でしかなくて、そこで時間を過ごすのも苦痛だ。ということで、少し駆け足になるが、近くの横浜美術館に行くことにしたというわけだ。そこで、ちょうどプーシキン美術館展をやっていた。だから、これが目的で訪れたというわけではない。たまたま寄ったらやっていたというものだ。実際、パーティの集合時間に間に合わせるために、30分という時間制限が課せられることになったが、30分で十分の薄味の美術展だった、というのが正直な感想。

Pu2展示点数は66点とそれほど少なくはなかったのですが、とにかく展示されている者が散漫というのか、フランス絵画300年というサブタイトルでしたが、その期間のフランス絵画をただ並べましたというものでした。プーシキン美術館が貸してくれた作品を並べただけというのが正直な印象です。プーシキン美術館から作品を借りるというのは大変な作業で、きっと交渉に全精力を使い果たしたのでしょうか。だから、とにかく借りることができたのを並べて、そこに有名な作品があるので、どうだ凄いだろうと、その程度の感じではないかと思いました。だから、この集められた諸作品の、これを見せたいというようなメッセージが何も伝わってこないものでした。

例えば、そこで集められた作品の中から特徴的な傾向をポイントとして抽出して、関連した作品とか比較できるような作品をコレクションや国内の他の美術館から借りて、プーシキン美術館の傾向を際立たせるとか、何かあったのではないかと思ったりしました。私は、美術館を見るのは嫌いではないですが、絵画に関する知識は少ないので、有名な作品というのはよく知りません。だから、この作品が来るから、見に行こうというようなことはありません。たいていは、その美術館で開かれる企画展全体を見るので、その企画ということも含めてです。

Pu3そして、作品の好き嫌いとか良し悪しの評価等というものは、たいては絶対的なものではなくて、相対的なものであることが多いと思います。その作品に固有のものではなくて、他の作品と見比べてどうだという具合のものです。たから、その作品の良し愛とか好き嫌いは、その作品自体によることもあるのですが、その作品の隣にどんな作品があったなとか、どのような構成の並び方で、その作品があったかなどにも強く影響されるものです。しかし、今回の展示を見ていると、そういう配慮がなくて、ただ年代順に並んでいた。悪く言えば放ったらかしのような印象でした。

だから、並べられている展示作品をなぞるようにひと通り眺めて、それでおしまい。少し、引っ掛かったのは、アングルの『聖杯の前の聖母』とジョゼフ・ペリニオンの『エリザベータ・バリチャンスカヤ公爵夫人の肖像』という作品くらいでした。こんな書き方は絵画に対して失礼かもしれませんが、展覧会じたいが、その企画に愛がないもので30分の暇つぶし程度のものだったので仕方がないというかんじでした。

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コメント

私もこれ見てきました。
なかなか時間がなくてブログには書けなかったですけど、
また超辛口ですね~(笑)・・・おもしろい。
確かに有名所を並べましたって所は多少ありましたね。
私はそれなりに楽しみましたよ。
ロシアのパトロンたちがフランスの絵画や芸術家を支えていたのは
知らなかったです。
愛知の展覧会ではトリアンナーレを今は楽しみにしてます。
LOVE♡コンテンポラリーですから実は・・・

poemさん。コメントありがとうございました。超辛口ですか(笑)。poemさんは楽しめたとのことで、色々な感想があって面白いですね。

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