あるIR担当者の日記~8月2日(役員報酬の開示を考える)
昨日の続きをもう少し。役員個人の報酬額を開示するかどうかという議論がありますが、単に報酬額を開示するというのではなくて、取締役Aさんは、こういうことができる人で、それが当社にとってなくてはならない、今期もそのおかげで、こういうことができた。その人を当社に引き留めるには、これだけの報酬が必要だった。あるいは、これだけの報酬を払うことで、今後、これ以上の業績の伸びが期待できる。具体例でいえば、日産のゴーン社長が高額の報酬を得ていても、日産をここまで建て直してきたことを見ていると、文句を言う人はいないし、ゴーン社長がいるから日産に投資するという人も多い。そういうことを役員報酬の開示にかまけて、アピールできる。
それを敷衍して考えると、株主総会招集通知の役員選任議題の議案説明で、顔写真を入れるとか末節の議論ではなくて、上述のような説明、この人はこういうことで企業に貢献した、してくれる、ということを説明するということを考えてもいいのではないか、と思った。それこそが、真の“開かれた総会”になるのではないか、とも。
« アンドリュー・S・グローブ「インテル戦略転換」(3) | トップページ | プーシキン美術館展 フランス絵画300年(おまけ) »
「あるIR担当者の雑感」カテゴリの記事
- 決算説明会見学記~景気は底打ち?(2020.01.25)
- 決算説明会見学記─名物経営者の現場復帰(2019.07.29)
- 決算説明会見学記~名物経営者も思考の硬直が?(2019.04.25)
- 決算説明会見学記─誰よりも先にピンチに気付く?(2019.01.23)
- ある内部監査担当者の戯言(18)(2018.12.22)
« アンドリュー・S・グローブ「インテル戦略転換」(3) | トップページ | プーシキン美術館展 フランス絵画300年(おまけ) »
コメント