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2013年8月 3日 (土)

プーシキン美術館展 フランス絵画300年(おまけ)

先日アップしたプーシキン美術館展に対する感想に、poemさんが反応してくれて、読んだら一目散に会場に言って見たくなるような、誘惑的な感想をアップしていただきました。興味のある方は、こちらから。ただし、読んだら、「今でしょ!」と言って美術館に行きたくなるので、取扱注意です。それでは、コラボ返し(何か柔道の技みたいですが)ということで、以前アップしたのは、味も素っ気もないものだったので、おまけとして少し書きたいと思います。以前書いたのは、こちら

Pu3美術展全般の感想は書いたので、いくつかの作品について書きます。前にも書きましたのが、もっとも印象に残ったのが、アングルの『聖杯の前の聖母』という作品です。多分、印象に残った大きな理由は、この作品自体のものもあるのですが、展示方法の点で、横浜美術館で展示室が移って通路を隔てて、新しい展示室に入ったところにブースのように囲われて展示されていたこの作品に、突然邂逅する様に展示されていた、ということによるところが大きいと思います。これは美術館の演出の勝利だと思います。それまで、ロココのサロンのようなチャラチャラした印象の作品(ただし、最近、私はバロックとか古典とかロココの絵画をよく見るようになっていて、実は、今回はプッサンとかロランを目当てにして来たのでした)を見せられてきたときに、突然のように、なんか神々しいというのか、出会いがしらのように一発でノックアウトということだったのです。

Img3e76fbc6zik3zjまるで、中世のイコンのように聖母を正面から描いて、シンメトリーの顔の輪郭と目鼻の配置の整った印象が崇高さを感じさせ、半眼のような半ば閉じた眼と角張ったように真っ直ぐに通った鼻筋がまるで仏像のような穏やかで、包容力を醸し出していて、筆触を感じさせない滑らかな描き方と、肌の色や質感が生身の存在であることを他方で感じさせるという、その顔(御顔といった方がいいかもしれません)の魅力です。あとは、アングル特有の少しだけ首を長くしたり無理なプロポーションをとらせて独特の女性美表現、フェチ寸前のパーツへのこだわりが隠し味のようになっていて、この場合は、顔を正面向かせて、身体を斜めにして首をねじらせて曲線を露わにさせているところがアングルらしいこだわりで、ひそやかなエロチシズムの仄めかしがスパイスとなって、なかなかこの作品の前を離れることができませんでした。

Pu2そして、その隣にジョゼフ・ペリニオンの『エリザベータ・バリチャンスカヤ公爵夫人の肖像』がありました。アングルを見て、その残像が残っているところで、この作品をみると、あたかもマリア様が現実の女性として現われたという印象でした。聖母の神々しさが抜けて、生身の美しい女性として再び現れたという感じです。で、筆触とか色遣いとか、おそらくこの画家はアングルの影響を受けているではないかと思いますが、意図的にか、デッサンが多少歪ませているところなんかバクリと言ってもいいと思います。この画家は発見だったと思います。ただし、この展示の流れでこそ生きるので、別のところで見ても印象に残るかどうかは分かりません。

以上、poemさんのような誘惑的な文章にはできませんでしたが(これ読んで、横浜美術館に行きたいとは思えないでしょう)、挑戦してみました。

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美術展」カテゴリの記事

コメント

ご紹介いただいて、ありがとうございます。
また勝手にコラボしてしまいました(笑)、
他人のネタに便乗するのが好きなんですかね私ってば・・・
CZTさんには何かどうも刺激されるんだなぁ~
またクスクスと笑いながら読んでしまいました。
弥勒菩薩ですか・・・何かおもしろい画像をどこかからみつけてきたんですね。
アルカイックスマイルとアングルのこの聖母は
共通点がありますね、確かに。
ふーむ、それは思いつかなかった興味深い見方ですね。

poemさん
コメントありがとうございます。刺激を受けて下さると、書く方としては
励みになります。今後は更なるサービスに努めます(笑)。
聖母マリアについては、以前のルネサンスやバロックの画家たちの
描く聖母の方が人間としての存在感があったものに比べて、あえて
パターン化して描いている処がアングルのフェチとしての性格が出て
いて、パターンをベースにつくられた仏像のとくに目から鼻筋のライン
が似ていると思いました。

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