あるIR担当者の日記~8月1日(財務報告の方向性)
統合報告のセミナーを聞いてきました。アメリカではアニュアルレポートについて財務報告だけでは、企業内容を理解できないというアンケート結果がでているという。財務報告についても、国際会計基準では過去の計算の報告から、事業の将来への展望を予測できる方向に転換するなど、企業会計についても従来の考え方から大きく変わってくるということが説明されました。そこでは、どうしても財務報告以外の非財務報告の充実が求められ、しかも財務報告と非財務報告との一貫性が必要となると。例えば、財務報告では企業年金の年金債務の内容が報告されています。これだけでは財務報告で、過去の計算の報告です。しかし、このような年金債務を企業がわざわざ負っているのは、そこに目的があるからで、その目的というのは従業員の福利厚生、もっと言えば、投資家としては、その効果がどこまで出ているのかを見たい、それは、従業員のやる気アップに企業年金が貢献しているのか、あるいは優秀な人材を確保するのに企業年金が機能しているのか、ということ。それは、つまり優秀な人材を確保し、従業員に活気があれば将来の企業業績に影響するだろうということです。
一方、日本企業でPBRが1未満である企業というのは、財務報告に対する信頼性がそもそもないと考えるべきという、厳しい一言。
具体的に、自社は、自分は何をしたらいいか、ということはすぐには考え付きませんが、現状に対する警鐘として参考になりました。これから、よく考えなければならない。
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