無料ブログはココログ

« N社の野望、続編 | トップページ | 加納光於│色身─未だ視ぬ波頭よ2013 (5)~Chapter4 波動のさなかで─多色版画 »

2013年11月 7日 (木)

各社のIRを現場の視点で評価できないか

昨日の投稿から枝分かれして考えたことです。

どうやら、私は、自らオリジナルに考えるタイプではなくて、あるキッカケに対して何かを考え始めると、泥縄式に考えが反応するように、紡いでいくという考え方の経路を辿るタイプのようです。基本的な姿勢は受け身なのです。閑話休題。

昨日投稿したN社の決算説明会に対する感想は、私が企業の中にいてIRという業務に携わっている(いた)人間という視点で見たものです。これは、本来の説明会の出席者である投資家や証券アナリストの視点とは違うだろうと思います。例えば、説明会の資料に関して、投資家の人であれば、自分が欲している情報があるかとか、見易いか、分かりやすいか、そういうことを重点的に見るだろうと思います。それは、資料を提供される側、言ってみればお客さん、もっと言えば消費者の視点ではないかと思います。企業が製品を提供する際に、消費者の視点は必要不可欠ですし、そういう視点がなければ製品は売れないでしょう。しかし、それだけでは片手落ちです。それ以外に作る側の視点もあると思います。これは、私がメーカーという生産する企業に勤めているからこその考え方かもしれません。例えば、技術的な開発とか生産効率化といったことは、スタートは消費者ニーズだったりしても、生産者側の技術情報やノウハウがなければ進展しません。例えば、特許のような独自技術や工業規格のような品質の規準、優れた技術や工業製品に対する評価は生産者の視点で行われます。そういう技術や製品を他のメーカーやエンジニアが目にすることで参考として取り入れ、ライバルとして競争するような良い製品や技術を対抗的に作り出し、競争が起こります。その競争を互いに繰り返すことで、製品の品質が向上し、技術が進展するということがあると思います。エンジニアの人々は、基礎研究や理論の場合などでは、学会や共同研究プロジェクトなどで企業の垣根を越えて情報や知識を共有したり、互いに議論を交わしていくこともあります。それが技術の発展につながっていくことも。

話が、全然違う方向に脱線してしまったかもしれません。この脱線してお話ししたようなことがIRを行っている立場の人々の間で、作る側の立場で共同したり、競争したりすることが、もっとあってもいいのではないか、というのが今回の投稿の本題です。で、最初に戻りますが、N社の説明会は前回説明したように、毎回、出席者にメリットを与え、ゆくゆくは企業の側にメリットが生まれるようにするために課題をもって、さまざまな試みが為され工夫をこらした説明会となっています。その工夫の跡は投資家の人たちでも分かるでしょうが、あくまでも消費者です。作る側の技術とか理論のようなことまでは分らないし、そんなことを詮索する必要もない。しかし、私のような中途半端な担当者が見れば、細かい点での工夫の跡や、その背後での苦労などのなんとなく想像できます。そのうちいくつかは自分の会社においても参考にできるものもありました。で、せっかく意欲的なIRの試みを他の会社に拡大させていかないのは、勿体ないことだと思います。

で、IR業界?では優秀なIR企業の表彰のようなことがいくつかの団体?で為されています。その審査員を見てみると、生産者側の人間がいないのです。機関投資家やアナリスト、あとは学者さんとか証券市場の関係者、マスコミの人といったところでしょうか。この人達に共通しているのは消費者ということです。だから視点は、見易いとか分かりやすいとか、生産者の工夫を見つけることはあっても目立つところ、というところでしょうか。消費者の視点は大切ですが、それだけでは、作っている現場レベルで具体的に改善していくということに対して直接的に効果に結びつくのにワンクッションのツークッションも置かれることになります。また、消費する側はどうしても受け身になってしまうので、型にはまったものを評価しやすくなりやすい。また、高い評価を受けるものが固定化されやすくなります。一種のブランドと化してしまう。でも、以前にこのブログで書いたことですが、企業の自社の真剣に見直して、自社に適したIRを追求していけば、企業がそれぞれに違うように、IRのあり方も企業ごとにユニークなものが出てくるはずですが、表彰される企業IRを見ると独自性が強いものよりも、最大公約数を漏れなく網羅しているものになっている。だから、表彰された企業の担当者が自社のIRに関するプレゼンを表彰の後でおこないますが、作る際の工夫とか技術ノウハウの説明は行われないのが普通です。それで評価されたというのではなく、また、説明しても会場に出席している人は理解できないと興味がないからです。だから、私のような担当が聞いても、正直な話、あまり参考にならない。ちょっとわき道にそれました。

IRの説明会や資料、あるいはホームページづくりなどでも技術的なことは沢山あって、担当が技術的な制約によって展開出来ないでいる事柄は沢山あると思います。そのとき、他社の試みを見て打開のヒントを得られるかもしれない。そういう情報は、おそらく作っている人しか分らないことが多いはずです。エンジニアのような狭くて深い技術というものがIRの世界にあるかといえば、もっと浅いものでしょうが、確実にそれはあると思います。それを意欲的な会社や担当者はおそらく孤独な奮闘をしているのに近いのではないかと思います。それをもっと広めたり、そういう奮闘を外部から評価する、たとえば作る側の立場からの評価がひとつくらいあってもいいのではないかと思ったりします。他の業界、たとえば小説の世界で文学賞の審査は、小説家が行っていて、消費者である読者がやっているのではありません。

できれば、私も色々な企業の説明会を見て参考にしたいと思っているので、昨日のN社のように行くことができた説明会があれば、その感想や参考になったことなどを少しずつ投稿してみたいと思います。

かなりとりとめのない内容になってしまいました。

« N社の野望、続編 | トップページ | 加納光於│色身─未だ視ぬ波頭よ2013 (5)~Chapter4 波動のさなかで─多色版画 »

あるIR担当者の雑感」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 各社のIRを現場の視点で評価できないか:

« N社の野望、続編 | トップページ | 加納光於│色身─未だ視ぬ波頭よ2013 (5)~Chapter4 波動のさなかで─多色版画 »