ウォーレン・バフェットの「株主への手紙」2013(8)
金融と金融商品
「クレイトンの債権ポートフォリオは、それ程長くないうちに少なくとも50億ドルまで増大し、賢明な信用基準により大幅な利益をもたらすことになるでしょう」─2003年の年次報告書
このセクターは、我々の中でもっとも小さく2つのレンタル会社であるエクストラ(トレーラー)とコート(家具)を含み、我が国のプレハブ住宅のリーディング・カンパニーであるクレイトン・ホームズです。この100%子会社を除いて、我々は、このカテゴリーに金融資産のコレクションとBerkadia CommercialMortgageへの50%の投資を含めます。
クレイトン社は326,569件、136億ドルの抵当を所有しサービスを行っているので、我々は同社をこのセクション入れています。近年、プレハブ住宅販売が急降下したため、クレイトン社の利益の大部分は抵当ビジネスによるものになりました。
しかし、2013年には新築住宅の販売が増加し始め、製造小売りの利益の重要性が再び増してきました。クレイトンは全米ナンバーワンの住宅建築業者です。2013年の29,547軒という住宅建築数は国内の一戸建て住宅建築総数の約4.7%を占めました。クレイトンのCEOのケビン・クレイトンは、深刻な住宅不況の中で会社のかじ取りをするという素晴らしい仕事をしました。現在の彼の仕事は、当時に比べれば先行きの明るさが見えて、2014年には一層の増益が期待できます。
投資
「我々の株式ポートフォリオは、その繰越価額(原価)より1700万ドル少ないですが、長期になれば、全体としてのポートフォリオはコスト以上の価値を持つものとなるだろうというのが、我々の信念です。」─1974年の年次報告
バークシャーには表には含まれない一つの大きな投資資産があります。我々は2021年9月までの間のいつでも50億ドルでバンク・オブ・アメリカの7億株を購入することができます。年末時点で、これらの株式は109億ドルの価値がありました。我々は、このオプションの失効の直前に株式を購入することになりそうです。結果として、バンク・オブ・アメリカが我々の5番目に大きな投資で我々にとって価値の高いものであることを理解することは、みなさんにとって重要なことです。
株式の保有に加えて、我々は債券投資にも相当な金額をあてています。ふつう、我々はこの範囲の中でうまくやっていますが、いつもではありません。
みなさんのほとんどは、エナジー・フューチャー・ホールディングスのことをこれまで耳にしたことはないと思います。皆さんはラッキーだと思ってください。私は、聞いていなければよかった、と確かに思います。その会社はテキサス州の電気事業資産のレバレッジ・バイ・アウトを行うために2007年に創設されました。資産のオーナーは80億ドルの自己資金をもとでに大量の借入れを行いました。私はチャーリーに相談することなく、その負債の約20億ドルをバークシャーで購入することにしました。それは大きな間違いでした。
天然ガスの価格が高騰しない限り、エナジー・フューチャー・ホールディングスは、ほぼ間違いなく2014年中に破産申請することになるでしょう。昨年、我々は持ち株を2億5900万ドルで売却しました。債権を所有している間、我々は利息を現金で8億3700万ドル受け取りました。したがって、全体として、我々は8億7300万ドルの税引き前損失を被りました。今度の時は、必ずチャーリーに電話することにします。
主として電気やガスなどの公益事業の我々の数社の子会社は、事業活動においてデリバティブを活用しています。それ以外では、我々は数年間デリバティブの契約をしていませんし、その姿勢をとり続けています。満期となった契約は数十億ドルの中期フロートと同じくらいの大きな利益を生みました。保証はありませんが、我々は帳簿に残っているものにも同じような結果を期待しています。
« ウォーレン・バフェットの「株主への手紙」2013(7) | トップページ | ウォーレン・バフェットの「株主への手紙」2013(9) »
「バフェットの手紙」カテゴリの記事
- ウォーレン・バフェットの「株主への手紙」2023(8)~オマハで何を?(2024.03.06)
- ウォーレン・バフェットの「株主への手紙」2023(7)~2023年のスコアカード.(2024.03.06)
- ウォーレン・バフェットの「株主への手紙」2023(6)~私たちを快適にする非管理ビジネス(2024.03.04)
- ウォーレン・バフェットの「株主への手紙」2023(5)~私たちのそれほど秘密ではない武器(2024.03.03)
- ウォーレン・バフェットの「株主への手紙」2023(4)~何をすべきか(2024.03.02)
« ウォーレン・バフェットの「株主への手紙」2013(7) | トップページ | ウォーレン・バフェットの「株主への手紙」2013(9) »
コメント