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2014年6月 7日 (土)

ウォーレン・バフェットの「株主への手紙」2013(4)

我々には、コピー困難なビジネスモデルをもち、ビジネスを規律正しく実行する保険マネージャーがいるため、バークシャーの魅力的な保険ビジネスが成り立っているのです。皆さんには、主要なユニットを説明しましょう。

フロートのサイズでみると第一は、アジット・ジェインによって運営されているバークシャー再保険グループです。アジットは他の誰もがやろうとせず、資金をかけようとしないリスクに対して保険をかけます。彼の活動は、保険ビジネスの中ではユニークな方法で、能力、スピード、決断力と最も重要な頭脳を組み込んだものです。彼はバークシャーを我々の資源に関して、不適当な危険に決して晒しません。本当に、我々は大部分の保険業者に比べて、その点ではるかに保守的です。例えば、保険業界がいくつかの大規模な大災害の被害で、これまでに直面したもののおよそ3倍の損害となるような2500億ドルの損害を経験したとしても、これまでの利益の連続により、その年には穏健な額の利益を計上するでしょう。これに比べて、他のすべての主要な保険業者と再保険業者は大幅な赤字となり、そのいくつかは債務超過に直面するでしょう。

1985年のスタンディングスタートから、アジットは370億ドルの著しい引受業務利益をフロートにより産み出しました。これは他保険会社のCEOでは近づくことする出来ない業績です。これらの成果により、彼はバークシャーに何十億ドルもの価値を追加させました。アジットのマインドは現在の各種の品揃えに追加できるビジネスの新たなラインアップを常に探している、さながらアイディア工場のようです。

彼は、昨年の6月にバークシャ・ハサウェイ専門保険(BHSI)を設立し、一つのヴェンチャーを立ち上げました。これによって、我々は企業向けの営利保険事業へと導かれることになりました。そこで、我々はアメリカ中のメジャーな保険ブローカーと企業のリスクマネージャーたちに、直ちに受け容れられることになりました。これらの専門家たちは、これ以外の保険会社では今後長年にわたり発生する支払い要求に対して即時に全額支払うことを保証するバークシャーの資金力に見合っていないことを認めています。

BHSIは、ピーター・イーストウッドが率います。彼は、保険業界で広く尊敬を集める経験豊かな引受人です。ピーターは、フォーチュン500の多くと大きな契約を取り交わし、同様に小規模な契約を獲得した素晴らしいチームを築きあげました。BHSIは数年以内に数十億を生み出すバークシャーの主要な資産となるでしょう。

 

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我々には、ゼネラル・リーというもう一つの強力な保険チームがあり、これをテッド・モントロスが率いています。

本質的には、健全な保健活動には四つの規律を固く守る必要があります。それは(1)ポリシーが損失を招くような異なる際に晒されているすべての危険を理解していなければならない、(2)それを実行する場合に損失や見込まれるコストを引き起こすと見込まれるあらゆる要素を保守的に評価しなければならない、(3)将来の損失コストと営業費をカバーして、平均して利益を上げることの出来るプレミアムを設定しなければならない、(4)適切なプレミアムを得ることができない場合には退場する用意をしておかなければならない。

多くの保険会社は最初の3つのテストには合格するものの、第4に失敗します。彼らは、単に競争相手が熱心に引き受けている保険ビジネスに背を向けることができないのです。他のみんながそうしているので、我々も同じようにそうしなければならないという古いガイドラインは、保険により当てはまりますが、それ以外のどんなビジネスでもトラブルを招くことになります。

テッドは四つの保険規律を全て守りました。それは彼の成果に現われています。ゼネラル・リーの巨大なフロートは彼のリーダーシップの下でコストフリー以上の状態にあり、平均して将来もそうあり続けるだろうと予想できます。我々は、ゼネラル・リーの国際再保険ビジネスに特に注目していますそして、我々が1998年に買収して以来、一貫して有益な成長を達成してきました。

我々がゼネラル・リーを買収して間もなく、私が大きな間違いを犯したと信じる評論家たちが引き起こした問題に悩まされたことを忘れることはできません。しかし、それも遠い昔の話です。

 

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最後に、私が63年前に最初の経験を積んだ保険業者であるGEICOがあります。GEICOは、18歳で入社し2013年までに52年にわたって勤め続けているトニー・ナイスリーによって運営されています。トニーは1993年にCEOとなり、会社を飛躍させました。

1951年1月に初めてGEICOに引き合わされたとき、私はGEICOが業界の巨人が負担する経費に比べて、莫大なコスト面での有利さを謳歌していることに衝撃をうけました。この事業効率のよさは今日まで維持しており、非常に大切な資産となっています。自動車保険にお金を払いたいと思う人はいません。しかし、ほとんどの人は自動車を運転するのは好きです。必要とされる保険は、ほとんどが家族のために加入するというものです。家族の事故に対する備えは、低コストで、実現しようとするのです。

GEICOのコスト面での有利さは、同社が年々マーケット・シェアを貪り食うように高めるのを可能にした要因です。このようなコストの低さは競争者との間に越えられない堀をつくり、それは永続的なものになっています。一方、我々の小さな代理店が、アメリカ中の人々にGEICOが如何に重要なお金を節約するかを話し伝え続けています。我々の運営コストを引き下げたことで、彼らの話すことは、さらに魅力的になりました。

1995年に、我々はその買収により獲得する固定資産の総額を上回る14億ドルで、まだ所有していなかったGEICOの残り半分を取得しました。それは「のれん」で、我々の帳簿の上では永遠にあり続けるものです。しかし、GEICOのビジネスが成長すれば、それに応じて「のれん」も成長します。私は、その額が200億ドル近くになっきていると思っています。

 

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