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2014年6月 5日 (木)

ウォーレン・バフェットの「株主への手紙」2013(2)

今期のバークシャー

事業面においては、昨年は、ほぼすべてについて順調で、特定分野では非常にうまくいきました。これから、説明していきましょう。

 我々は、NVエナジーの全株式とH.Jハインズの主要株式を約180億ドルで購入し、2件の大規模な買収を完了させました。両社は、我々との相性がよく、今後、大きく貢献してくるでしょう。

さらに、ハインツ買収とともに、我々は将来の大規模な買収の際にバークシャーが用いる提携の基準をつくりました。我々は、今回、友人のジョージ・パウロ・レマンが運営する3Gキャピタルの投資家たちと協力しました。ハインズの新CEOであるハーナード・ヒースと会長のアレックス・ベーリングは彼の同僚であり、この事業に責任を持っています。

バークシャーは資金面でのパートナーです。その役割のなかで、我々はハインズの80億ドルで優先株を購入しました。それは9%の利回りだけでなく、ほかにも、優先株の年間収益として12%かそれ以上の価値向上をもたらします。バークシャーと3Gはハインズの株式を半分ずつ、42億5000万ドルで購入しました。

ハインズ取得には「プライベイト・エクイティ(未公開株?)」の場合と類似している点がありますが、決定的な違いがあります。バークシャーは、この会社の株式を売る(売って儲ける)ことを考えていません。むしろ、もっと買いたいと思っており、将来、その可能性はあります。3Gの投資家のうち誰かが、将来彼らの持分の全部または一部を売るかもしれません。そういう時に、我々が持ち分を増やすことができるのです。バークシャーと3Gは、(時価に応じた公正な評価で)所有している優先株を普通株に転換するときに、相互に有利になるような取り決めをすることができます。

我々は提携して、6月にハインズの管理を始め、ここまでの事業成績は有望です。しかし、ハインツからの少数利益だけは今年のバークシャーの報告書に反映されることになります。一時的な取得に要した経費と事業のリストラの費用が13億ドルになりました。2014年は、このような一時的な費用がなくなる利益が出てきます。

NVエナジーは、我々の公共事業の子会社であるミッドアメリカン・エナジーが56億ドルで買収したもので、ネバダ州の全人口の88%に電気を供給しています。この買収は、我々の既存の電力事業にうまくフィットし、再生可能エネルギーへの大型投資のために多くの可能性をひろげるものです。NVエナジーは、ミッドアメリカン・エナジーの実施する買収の最後ではありません。

 ミッドアメリカン・エナジーは、我々の「5つの原動力」のひとつです。「5つの発電所」は、2013年に前年に比べて7億5800万ドル増えた税引き前利益108億ドルをあげた非保険事業のあつまりのことで、他にBNSF、イスカー、ルーブゾールとマルモンです。

その5社のうち、ミッドアメリカン・エナジーだけは税引き前で3億9300万ドルを稼いでいたのを、9年前にバークシャーの所有となりました。その後、我々は現金主義で他の3つの会社を取得しました。5社目のBNSFを獲得する際に、費用の70%を現金で、残りは6.1%という利回りの株式を発行することでまかないました。言い換えると、9年間にわたり5社によりバークシャーに104億ドルの利益がもたらされたことは、わずかな希釈が伴っています。つまり、それは単に成長するというのではなく、1株当たりの業績の方を伸ばすという我々の目標に沿うものであります。

アメリカ経済が2014年も好調を続けるのであれば、我々の5つの発電所の利益が、さらに、おそらくは税引き前で10億ドルほど、よくなると予想することができます。

 我々のこれより規模の小さい非保険事業の会社の多くは、昨年、2012年の39億ドルから増加させて、税引き前で47億ドルの利益をあげました。われわれは、2014年も、さらなる増益を期待しています。

 バークシャーの広範な保険事業は、11年にわたりフロートを増やし続けてきた引受業務利益を、2013年にはまた営みました。このフロートとは、我々が所有しているのではないけれど、我々がバークシャーの利益のために投資に回すことができる資金のことで、11年間で410億ドルから770億ドルに増加しました。これに並行して、我々の引受業務利益は、2013年に実現した30億ドルを含めて、税引き前で220億ドルとなりました。そして、これらのすべては1967年の860万ドルの国家賠償の購入から始まったのです。

現在、我々は非常に優れた多種多様な保険事業を保有しています。最もよく知られているのはガイコで、それ以前には部分的な持分所有だったのを1995年末にバークシャーが全面的に取得した自動車保険会社です。1996年にガイコは、全米の自動車保険業者の中で第7位にランクされました。現在では、ガイコは第2位になり、つい最近オールステイトを抜きました。この驚くべ成長の原因は、ごくシンプルなことで、安値と安心できるサービスです。もし、保険費用を節約したいと思ったら、1-800-847-7536に電話するか、Geico.comをクリックすることで、それができるかどうかを見ることができるのです。その貯金で、バークシャーの他の事業の製品を購入できるにことになります。

 チャーリーと私は象のような大型の買収先を探しているあいだ、我々の多くの子会社は定期的にボルトオン買収を行っています。昨年、我々はこのような契約を25件締結し、全体で31億ドルかかる予定でした。これらの業務は規模においては190万ドルから11億ドルまで広範囲にわたるものとなりました。

チャーリーも私もこれらの取引を奨励しています。それらは、我々の既存のビジネスに適合し、我々の経営の専門部隊によってマネジメントされる活動において資本を展開します。このようなボルトオン買収は今後はもっと多くなっていくでしょう。総体的に、それは有益なものです。

 昨年、我々は最も確かな種類のボルトオン買収に35億ドル投資しました。それは、我々がすでにコントロールした素晴らしい2社の増資株の購入です。一つのケースとして、マルモンの場合、その買収は我々を2008年の100%の所有へと導きました。別のケースとして、イスカルの場合、ヴェルトハイマー家は、保持していたプットオプションを行使することを決め、我々が2006年に支配権を得た時に、保持していたビジネスの20%を我々に売却しました。

これらの購入は、我々の収益力に税引き前で約3億ドルを加え、その上、8億ドルの現金をもたらしました。一方、昨年の手紙で説明したと同じ無意味な会計規則は、これらの買収について実際に支払ったものより18億ドル少なく帳簿に記帳するように義務づけています。これはバークシャーの帳簿価格を引き下げることになります。(この経費は株式発行差金となります。これで解決です。)この奇妙な会計処理により、バークシャー同じ18億ドルの帳簿価格の上に本質的価値を上乗せしたことになります。皆さんは、このことがお分かりになると思います。

 我々の子会社は2013年には110億ドルという記録的な設備投資を行いました。これは減価償却費の2倍に相当します。そこで支払われた金額の約89%はアメリカ国内に対する投資でした。我々は、海外に対しても同じように投資しますが、その主要なものはアメリカにあるものに対して行います。

 大抵の資産運用のマネージャーはS&P500を上回ることができないことが明らかになった、この1年、トッド・コームズとテッド・ウェシュラーは二人とも、うまくやったと思います。彼らは、70億ドルを超えるポートフォリオを運用しています。かれらは、それだけの稼ぎをしています。

私は彼らの投資が、私のそれを上回ったことを再び認めなくてはなりません。(チャーリーはロットでということを付け加えるべきだといいます。)もし、そのような屈辱的な比較が続くようならば、私は彼らについて話すことを止める他はありません。

トッドとテッドは、また、彼らのポートフォリオ活動とは無関係ないくつかの案件で目覚ましい成果を創出しました。彼らの貢献は始まったばかりです。彼らの静脈にはバークシャーの血が流れているのです。

 ハインツを加えたバークシャーの年末時の従業員数は、昨年より42,283人増えて330,745人となりました。増加にはオマハ本社での1人を含めたことを、私は認めなくてはなりません。(慌てないでください。本社の人々は1階で気持ちよく適合しています)

 バークシャーは、アメリカン・エキスプレス、コカ・コーラ、IBMそしてウェルズ・ファーゴという“ビッグ・フォー”に対して、昨年、投資を増やしました。我々はウェルズ・ファーゴ(2012年末の8.7%から9.2%に増やしました)とIBM(6.0%から6.3%に)の株式を追加購入しました。一方、コカ・コーラとアメリカン・エキスプレスは自社株買いを行ったので、我々の所有比率は相対的に上昇しました。コカ・コーラの我々の資産は8.9%から9.1%に上昇し、アメリカン・エキスプレスでは13.7%から14.2%になりました。そして、皆さんが小数点以下のパーセンテージは重要でないと思うなら、この数字を考えてみてください。全体の中で、この4社では我々の資産シェアが0.1%上昇すれば、バークシャーの年間利益の分け前が5,000万ドル増えることになります。

この4つの会社は、優れたビジネスを持ち、才能に恵まれた、株主指向の経営者によって経営されています。バークシャーでは、我々は、まあまあのビジネスを100%所有することよりも素晴らしい会社の相当な部分を非コントロールで所有する方を好んでいます。ラインストーンのすべてを所有するよりは、ホープ・ダイヤモンドの一部に投資するほうがいいのです。

年末の持ち株によって、我々の“ビッグ・フォー”からの投資収益は44億ドルに達しました。しかし、我々が皆さんに報告している収益は、我々が受け取る配当だけで、昨年は14億ドルでした。しかし、それは誤りではありません。我々が報告しない30億ドルはバークシャーが計上する分と同じように大切なものです。

これらの4社は、しばしば収益を、普通に有利であることが明らかなビジネスチャンスの資金調達のためと同じように、自社株の買戻しのために使います。それは将来の収益シェアを高めることになります。そのようなことはすべて、この我々が投資している4社の1株当たり利益が時とともに大きくなっていくことを予想させるものです。4社がそうしていれば、バークシャーの受け取る配当は増えていくことでしょう。さらに重要なことは、我々の未実現のキャピタル・ゲインも同じように増加していくことです。(4社の未実現の利益は年末で390億ドルになりました)

我々の資本配分は柔軟性があり、我々が経営を見ない事業に多額の投資をして分け前を受け取ることもできます。それは、自分でできるビジネスしか取得しない会社よりも有利になることができます。ウッディ・アレンは次のように言いました。「バイ・セクシャルの長所は土曜の夜のデートのチャンスが倍になることだ。」同様に、事業を営むことと受動的な投資をすることのどちらかに投資しようとすることで、我々は、現金の分別ある運用を見つける可能性を倍にします。

 

***********

 

2009年の後半、大不況の暗がりの中で、我々はバークシャーの歴史の中で最大の規模となったBNSFの買収に合意しました。このとき、私はこの買収を「アメリカ経済の将来に対する全部込みの賭け」と呼びました。

このようなことは、我々にとって目新しいものではありませんでした。バッフェット・パートナーシップ株式会社が1965年にバークシャーの支配権を握ってからずっと、同じような賭けをしてきました。正当な理由で。チャーリーと私は、常に、アメリカの反映がさらに進むことが確かになるかどうかの「賭け」を考えてきました。

たしかに、誰が過去237年の間アメリカについて逆の方に賭けることで利益を得たでしょうか。皆さんが我が国の現在の状態を1776年当時のものと比較したならば、きっと驚きのあまり目を瞬かせることでしょうそして、我々の市場経済に埋め込まれたダイナミズムは、その魔力を働かせ続けています。これから先に、アメリカの全盛時代が待ち受けているのです。

この追い風が我々のために働くことで、チャーリーと私はバークシャーの一株当たりの価値を構築することを期待して、次のようなことを行います。(1)我々の多くの子会社の基礎的な収益力を不断に向上させること、(2)ボルトオン買収により、さらに利益を向上させて行くこと、(3)投資先の会社の成長により収益をえること、(4)価格が本来固有の価値からかなり割安になっている時にバークシャーの自己株式を買い戻すこと、そして(5)時折、大規模な買収を行うこと。皆さんにとって成果を最大化させるために、バークシャーの株式を割り当てることはないでしょう。

これらを形作る建築ブロックは岩のように堅固な基礎の上に築かれています。1世紀後にも、BNSFとミッドアメリカン・エナジーは我々の経済の舞台で主役を演じているでしょう。保険は企業と個人の両方にとって不可欠な存在であり続けているでしょう。そして、バークシャー以上にビジネスに対して豊かな人材と財政的資源を持っている会社はないでしょう。

さらに、我々は、常に、最高の財務能力を維持しています。少なくとも200億ドルの現預金をもって、短期的な負債を借り入れることはありません。チャーリーと私は、これらの事とその他の強みを見ているので、皆さんの会社の見通しを立てることができるのです。私は、この会社の経営を任されていることを、たいへん幸運に思っています。

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