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2014年10月 6日 (月)

ジャズを聴く(18)~「ブッカー・リトル・アンド・フレンド」

Booker Little and Friend    1961年夏録音

Jazlittle_frend
  Victory and Sorrow

Forward Flight

Looking Ahead

If I Should Lose You (Ralph Rainger, Leo Robin)

Calling Softly

Booker's Blues

Matilde 

 

Booker Little(tp)

Julian Priester (tl)(tracks 1-3 & 5-9)

George Coleman (ts) (tracks 1-3 & 5-9)

Don Friedman(p)

Reggie Workman (b)

Pete LaRoca(ds)

 

最初の「Victory and Sorrow」のファンファーレのような出だしは、トランペットがリードして、テナーサックスとトロンボーンがコードの音を重ねてハーモニーを奏でる、その後も各パートをアンサンブルで合奏するという、まるでクラシックの弦楽四重奏のように各楽器がハーモニーで融け合い、それぞれにパートを演奏している。これは、従来のジャズのコンボでは、ユニゾンでテーマを一斉に吹くかリードが提示して受け渡していくというやり方が、定型的だった中で、かなり新鮮に響いたのではないかと思う。リズム・セクションも、ピアノはリズムを刻み、コードを支えるというよりは、リズムに後追いで加わり装飾的な音を加えているという弾き方で、ブロックコードの弾き方も響きを考えて、余韻を引っ張るのと余韻を抑える響きを使い分けて、リズムにアクセントをつけているし、ドラムスはリズムをキープする一方で、バスをかなり装飾的に使っている。こうしてみると、リーダーのリトルだけでなく、メンバーが新鮮な響きを積極的に作り出そうとしているのが演奏に出ている。その傾向は2曲目の「Forward Flight」に進むとさらに強くなり、ここではピアノの響きがクラシックのピアノのように音色やタッチの使い分けがよくきこえてきて分散和音の響きなどはとても残響豊かに響いてクラシックのピアノ曲のような響きがする。これらは4曲目の「If I Should Lose You」を除いて、すべてがブッカー・リトルのオリジナル曲で、メロディの感じがスタンダードな曲とテイストが異質なところに大きな原因があるのではないかと思う。つまりは、リトルのリードにしたがっての新鮮な響きとなっていると思う。特徴的なのは、そのハーモニーの使い方で、マイナーコードを適当にまぶして味わいを出させようとしていて、そのマイナーのところをトランペットのリトルがたいていの場合担っているということで、普通なら輝かしい音色のトランペットでしなくてテナー・サックス辺りの役割を、トランペットのリトルがやっていることで、この辺りにリトルの指向が表われているのではないか。

一方、4曲目の「If I Should Lose You」はしっとりしたマイナー調の曲だけれど、トランペットとピアノの絡みが続く。ここでのリトルは感情をこめて情緒たっぷりに吹くのではなく、クールにメロディを正確に吹いている感じだ。逆に、それだけに抑制された哀感が漂ってくる感じがしてくるのが、リトルの特徴ではないかと思う。ピアノのクリスタルな音色も、それと拮抗している。

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