ウォーレン・バフェットの「株主への手紙」2014(10)
金融と金融商品
今年から、我々はこの部門にマーモンの非常に規模の大きいリース事業、鉄道車両、コンテナやクレーン等を扱う、を含めます。我々はまた、この変化を反映させるために、過去2年間について修正再表示しています。なぜ、そんなことをするのでしょうか。一時は、マーモンに大きな少数者持分としていました。そして、私は、会社のすべての活動を一ヶ所に集めることのほうが理解しやすいと思いました。現在、我々はほぼ100%マーモンを所有しています。そして、我々が、この表題にマーモンのリース事業を含めることにすれば、皆さんが我々の様々な企業にたいしてより多くの洞察を得ることができると考えました。(マーモンのほかの多数の事業の数字は前のところにあります)
我々のこのほかのリース及びレンタル事業には、コート(家具)とエクストラ(トレーラー)が担っています。これらの会社は業界のリーダー的存在で、アメリカの経済が強さを取り戻してくるにつれて、収入を大幅に増やしました。両社とも競合会社よりも多額の投資を新たな器材に向けて行い、それが好結果に結び付きました。
ケビン・クライトンは、アメリカで最大の個人住宅の建築会社クレイトン・ホームズ社に業界随一の業績をもたらしました。昨年、クレイトン社は30,871軒の住宅を販売し、これは実にアメリカで販売された建設住宅の約45%にあたります。我々が2013年にクレイトン社を購入した時には、そのシェアは14%しかありませんでした。
クレイトン社の収入の鍵は、130億ドルのモーゲージ・ポートフォリオです。2008年及び2009年の金融恐慌の際、事業の資金が枯渇したときに、クレイトンはバークシャーの支援によって、貸し出しを続けることができました。実際には、我々は、我々の小売店と同じように競合会社の小売販売にまで融資を続けました。
クレイトンの借り手の多くは低い収入と平凡なフィコ・スコア(クレジットの履歴に点数をつけたもの)な人々です。しかし、会社の分別ある融資手続きのおかげで、そのポートフォリオは不況の間でもうまく機能しました。このことは我々の借り手が自身の家を手放さなざすできた確率が高いということを意味します。我々のブルーカラーの借り手は、多くの場合、より高い収入の同胞よもずっと良好な信用リスクであることを証明しました。
マーモンの鉄道車両事業では、リースのレートがここ数年の間に大幅に改善されました。しかし、この事業の性質として毎年我々のリースのたった20%ほどが期限切れを迎えるということです。したがって、価格設定をいくら改善しても、全体としての収益へは徐々にしか影響しないのです。しかし、傾向は強気です。我々の105,000台の自動車部隊は主にタンク車で、そのうちたった8%が原油を輸送します。
我々の鉄道事業について、もうひとつ皆さんにとって重要な事実をお話しします。他の多くの貸主と違って、我々は自身のタンク車を年間で約6000台製造しています。製造部門からリース部門に自動車を移す時には、我々は利益を計上しません。したがって、我々の部隊は“バーゲン”価格で帳簿に計上されます。その価格と“小売”価格の差は、我々が少ない年間減価償却費を自動車の30年を超える寿命で計算するため、徐々に収入に反映されます。そのような事実その他のために、マーモンの鉄道部隊は帳簿に計上される50億ドルという数値よりはるかに価値の高いものなのです。
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