無料ブログはココログ

最近読んだ本

« ウォーレン・バフェットの「株主への手紙」2014(11) | トップページ | ウォーレン・バフェットの「株主への手紙」2014(13) »

2015年3月18日 (水)

ウォーレン・バフェットの「株主への手紙」2014(12)

我々の投資成績は素晴らしい追い風に助けられたものです。1964~2014年の間、S&P500は84から2,059まで上昇し、配当による再投資も含めて2ページに示されているように、総計1,196%のリターンとなりました。これと同時に、ドルの購買力は、驚くべきことに87%も下がりました。この低下は、1965年に13セントで買えたものが今なら1ドル出さないと買えないことを意味します。これは消費者物価指数の変化に従ったものですが。

このような株価とドルのパフォーマンスの乖離は、投資家にとっては重要なメッセージです。2011年の我々の年次報告を思い起こしていただくと、我々は投資を次のように定義しました“将来に大きな購買力受け取る論理的な予測によって、現在の購買力を他に移転すること”。

慣例にとらわれず、しかし、目を背けることのできない、過去50年の経験から導き出される結論は、有価証券、例えばその価値が米国通貨に縛られている財務省証券、に投資するよりも多様なアメリカ企業に投資するほうが安全だということです。このことは、この前の半世紀の時代、大恐慌と二つの世界大戦が起こった時代においても当てはまることだした。投資家は、このような歴史を忘れてはいけません。次の世紀になっても同じことが繰り返されるのは、ほとんど確実です。

株価は現金や預金で貯蓄するものに比べると、はるかに不安定です。しかし、それが長期にわたるものは時間の経過とともに売買され手数料だけ支払って保有される多様な株式ポートフォリオに比べて、リスクの高い投資、いや遥かにリスクの高いに投資となります。

こんな授業はビジネス・スクールでは慣習的にされてきませんでした。そこでは、逆に株価の不安定性が一般的にリスクにあたるとして教えられていました。このような教育上の仮定は教え易いものですが、それは致命的な誤りです。不安定性はリスクとは決して同じではありません。この二つの用語を同じものとして一般的な手法は、学生、投資家そしてCEOを謝った道に導くものです。

もちろん、1日、1月あるいは1年の単位で普通株を所有することは、額面と購買力から考えれば、現金や預金で保有することよりもリスクが高いということは真実です。このことは、投資銀行のような特定の投資家に当てはまることです。そのような投資家は、可能性が資産価格の低下に脅かされ、低迷した市場で証券を売却することを強制されるのです。その上、有意義な目先の資金ニーズのある人々であれば、財務省証券や保証された銀行預金に適切な残高を残しているでしょう。

しかし、数十年の視野で投資することのできる、あるいはそうすべき大多数の投資家にとって、この低下はそれほど重要なことではありません。彼らの焦点は、生きて投資をしている間を通じて購買力において目覚しいもうけを達成することに向けられています。彼らには、時間をかけて購入した多様な資産ポートフォリオはドルベースの有価証券にくらべて、はるかにリスクが少ないものなのです。

もし、その代わりに、投資家が価格の不安定性をおそれ、誤って大きなリスクと見てしまったら、その投資家は、皮肉なことに本当のリスクに直面してしまうかもしれません。できれば、思い出して欲しいのですが、6年前専門家は株価の下落を嘆き、“安全な”政府短期証券や銀行の譲渡性預金に投資することを勧めたことを。この説教を心に留めた人は、今、以前に快適な老後の生活に向けて期待した額からほんの少ししか稼いでいません。(その6年前のS&Pは700以下でしたが、今は約2,100です)もし、意味なく価格の安定性を怖れなかったなら、これらの投資家は、配当が年々増加し、同じように価格が徐々に上昇していく(たしかに多くの浮き沈みはありますが)低コストのインデックス・ファンドを購入するだけで、終身にわたるよい収入の口を得ることができたと思います。

投資家は、自身の行動によって所有している株式を高いリスクに曝してしまう事があります。そして、多くの人がそうしてしまうのです。活発な取引、“時間”に連動した相場の試み、不十分な多様化、高価なマネージャーやアドバイザーへの無駄な手数料の支払い、借りた資金での運用は生涯にわたって株式を保有することで違った形で楽しむという収益を破壊してしまいます。本当に、借りた資金というのは投資家の道具箱の中に居場所はないはずです。いつ何時、市場では何が起こるか分からないのです。アドバイザーも経済学者も、テレビ解説者も、そしてチャーリーも私も、混乱がいつ起こるか教えてくれる人はいないのです。市場の予想者は皆さんの耳に情報を満たしてくれますが、皆さんの財布を満たしてはくれません。

今まで述べてきた投資の過失を誰かに委ねてしまうことは“小口投資家”に限ったことではありません。グループとして見られる巨大な機関投資家は、単にじっとしているだけの素朴なインデックス・ファンド投資のパフォーマンスを長い間上回ることができません。その大きな理由は手数料です。多くの機関投資家は次から次へと高い手数料のマネージャーを推薦するコンサルタントに相当なお金を払っています。そんなものは愚か者のゲームとしか言えません。

短期的には素晴らしい結果が幸運か才能のどちらかによるものか判断するのは難しいですが、もちろん、わずかですが、非常に優秀なマネージャーもいます。しかし、ほとんどのアドバイザーは高いリターンを上げることよりもはるかに高い手数料を生み出すほうが得意です。実のところ、かれらの主要な能力は自分を売り込む力です。彼らの誘惑に耳を貸すくらいなら、ジャック・ボーグルの『インデックス・ファンドの時代 アメリカにおける資産運用の新潮流』でも読んだほうがいいです。

何十年も前、ビル・グラハムはシュークスピアを引用して、投資の失敗の責任を正しく指摘しています。“だから、ブルータス、おれたちが人の風下に立つのは運勢の星が悪いのではない、罪はおれたち自身にある”(『ジュリアス・シーザー』の第1幕第2場において、キャシアスがブルータスに言った台詞)

« ウォーレン・バフェットの「株主への手紙」2014(11) | トップページ | ウォーレン・バフェットの「株主への手紙」2014(13) »

バフェットの手紙」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ウォーレン・バフェットの「株主への手紙」2014(12):

« ウォーレン・バフェットの「株主への手紙」2014(11) | トップページ | ウォーレン・バフェットの「株主への手紙」2014(13) »