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2015年4月 3日 (金)

ウォーレン・バフェットの「株主への手紙」2014(19)

チャーリーの青写真があってさえ、私はワウムベックの一件以来、多くの間違いをしてきました。その中で最も恐ろしかったのがデクスター・シューズでした。我々が、この会社を1993年に購入した時、この会社は素晴らしい業績を記録して葉巻の吸いさしのような私には何も見えていませんでした。しかし、この会社の競争力は海外の競争者の出現によって間もなく消え去ってしまう運命にありました。そして、私はそういう事態が迫っていることが見えていませんでした。

その結果、バークシャーはデクスターに4億3300万ドルを支払い、即座に、その価値を失いました。しかし、GAAPによる会計は、私の犯したミスの大きさを記録しきれていません。実際のところ、私はデクスターの売り手に現金ではなくバークシャーの株式を渡したのです。そして、私がその購入のために使った株式は、現在では約57億ドルもの価値があるのです。財務上の失策としては、この件はギネスブックの世界記録に値するようなものです。

私はその後もいくつもの間違いを犯しましたが、それらは収益がもたつく運命にある会社を購入しようとして、バークシャーの株式を使ったのでした。この種の間違いは致命的です。まあまあのビジネスを得るために、バークシャーのような素晴らしい企業の株式を取引に使うことは、取り返しのつかないほど企業価値を壊してしまうのです。

バークシャーが株式を所有している企業でこのような間違いが起こると、我々も財務的に苦しむことになりました(それは、時に私が取締役として勤めているときに起こりました)。CEOが基本的に現実的に次のことが見えていないことが、あまりにしばしばです。買収によって得ることができる株式の本質的な価値というのは、取得した事業のもともとの価値を超えさせる以外にないということです。

投資銀行員が秘かに買収しようとしている取締役会にプレゼンティションをしている時、私はこの非常に大切な数字をその投資銀行員が定量化するのを、未だ見ていない。その代わり、銀行員の焦点は今取得するとしたときの“慣習的な”市場プレミアムを記述することにあります。これは、取得する企業の魅力を計るには最も愚かな方法です。あるいは、この取引が買収者の一株あたりの利益を増加させるかは考慮されないのです(だから、本来は決して決定的であってはならないはずなのです)。望ましい一株あたりの数字を成し遂げようと努める際に、苦労しているCEOやその“ヘルパー”はしばしば空想的な“相乗効果”を持ち出します。(長年にわたり19の会社の取締役として、私は以前の多くの会社が事業を閉じるのに立ち会ってきましたが、“逆の相乗効果”に言及されるのを聞いたことがありません)現実の結果を最初の予想と正直に比較して買収失敗の原因分析をすることは、アメリカの取締役会では、きわめて稀なことです。彼らは、かわりに標準的なきまりきったことをします。

私は、私が去った後もずっとバークシャーのCEOや取締役会が買収の際に株式を使う前に慎重に本質的価値の算出すると約束できます。(たとえ、アドバイザーがその交換を肯定する“公正な”意見をしていたとしても)皆さんは、100ドル札をエイト・テンと交換しても儲けることはできません。

 

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とくに大規模なうまくいったケースがあったこともあって、全体として、バークシャーがやった買収は、うまくいきました。それで、また、有価証券への投資を続けています。後者は常に獲得した市場価格で貸借対照表で評価され、実現されていない分も含めて、自己資本にすぐ反映させられます。しかし、我々が即金で買った会社は、たとえ、その会社がもともと持っていた価値を大きく上回った金額で売れたとしても、貸借対照表では上方へ再評価されることはありません。とくに、この十年での早いペースで成長をしたことで、バークシャーの子会社の帳簿に表われてこない価値の成長分は巨大なものになっています。

チャーリーの話を聞くことは、大きな成果に結び付きました。

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