ウォーレン・バフェットの「株主への手紙」2014(28)
バフェットのもとでバークシャーはなにか大きな間違いを犯したのでしょうか。さて、作為の誤りは一般的ですが、ほとんどすべての大きな間違いは購入をしないときに起こりました。とてもうまく行くことが確実だった時のウォルマート株を購入しなかったことを含めて。不作為のエラーはとても重大でした。もし、幾つかのチャンスを掴んでいたなら、バークシャーの自己資本は少なくとも500億ドルを上回っていたことでしょう。本当に確実だと認めるのに十分な賢明さがなかったのです。
最後のタスクは次通りです。バフェットが引退するとしたら、バークシャーの素晴らしい業績は続くかどうか予想します。
その答えは、イエスです。バークシャーは多くの永続的な優位さに根ざした勢いをもった子会社の事業を抱えています。
さらに、鉄道と公共事業の子会社は、今、新しい固定資産に多額の投資をする望ましい機会を提供しています。そして、多くの子会社は賢明なボルトオン買収に取り組んでいます。
もし、バークシャー・システムが現在のままであれば、複合的な勢いとチャンスがあまりにも大きいので、バークシャーが普通の会社よりもずっと長く残ることが確かです。たとえ、(1)バフェットが明日引退し、(2)彼の後継者が突出した能力を持たない人で、(3)バークシャーが大規模な買収を二度と行なわなくても、です。
しかし、このようなバフェットがすぐに引退する状態を仮定していて、彼の後継者が「突出した能力がない」などということはないでしょう。たとえば、アジッド・ジェインとグレッグ・アベルは「世界的」という言葉でも過小評価になってしまうことが明らかな才能です。「世界のトップ」こそが私が選ぶ形容です。幾つかの重要な点で、彼らはバフェットに優っているところを持っています。
そして、私は、ジェインもアベルも(1)バークシャーは離れることはなく、(2)バークシャー・システムの変更を望まないと信じています。
私も、バフェットの引退とともに、新たな事業の望ましい買収が終了してしまうとは思っていません。今、バークシャーは大きさと我々の行動主義の年齢のために、望ましい買収のチャンスはそれほど多くなく、そしてバークシャーの600億ドルの現金は建設的に減少していくと、私は思います。
私の最後の仕事は、この50年のバークシャーの偉大な結果が、どこかほかでも有益であることを証明できることを考えることです。
答えは、明らかにイエスです。バフェットの初期の頃には、バークシャーには大きなやるべきことがありました。それは小さなたくわえを大きく有益な会社にしていくことです。彼が自身が向上を続け、彼のような人々を連れてきたので、官僚主義を回避し、1人の思慮深いリーダーを長い間信頼することによって、その問題は解決されました。
これを典型的な大企業のシステムと比べてみましょう。大企業は本部に多くの官僚機構を持ち、およそ59歳になってCEOをようやく引き継ぐと、静かに考える時間もなく、間もなく決まった定年になって辞めさせられるのです。
私はバークシャー・システムのバージョンは、しばしば他でも試されるべきで、官僚主義の最悪の特質がしばしば癌細胞のように扱われるべきだと思います。官僚主義を定着させた良い例はジョージ・マーシャルが、将軍の選抜に際して年功を無視する権限を議会から得たことによって、第二次世界大戦の勝利に貢献したことです。
チャーリー・マンガー
断続的に長くなりましたが、今年のバフェットの手紙は、これで終わりです。
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