無料ブログはココログ

最近読んだ本

« ウォーレン・バフェットの「株主への手紙」2014(20) | トップページ | ウォーレン・バフェットの「株主への手紙」2014(22) »

2015年4月 5日 (日)

ウォーレン・バフェットの「株主への手紙」2014(21)

それで、チャーリーと私はバークシャーのコングロマリット構造のどこに魅力を見出したのでしょうか。話しを簡単にしましょう。コングロマリット形態は賢明に利用されるのであれば、長期的に資本の成長を最大化させるために最適の企業形態なのです。

資本主義の賞賛すべき長所の一つは、資金を効率的に割り当てることができるということです。その議論は市場というものが有望な企業には投資を向けますが、衰える運命にある企業には投資しないということです。それは事実です。すべての余剰の資本主義市場での配分は、ふつう、どんな選択肢よりもはるかに優れています。

それでも、資本の合理的な動きに対する障害はしばしば起こります。1954年のバークシャーの議事録が明らかにしたのは、織物工業からの資本の引き上げが必要だったのが、経営陣のはかない望みと利己心のため数十年先送りされてきたことでした。たしかに、私自身、あまりにも長い間、時代遅れの織物工業を捨てることを先送りしていました。

衰退している事業で用途のない資本を有しているCEOは、その資金は事業とは無関係な事業にその資本を移すようなことは、めったにしません。このような移動は、普通、長年の同僚を解雇したり、経営の誤りを明らかにすることを余儀なくされます。その上、たとえ当人が引き受けるように説得されても、そのような移動に従事するCEOはいないでしょう。

株主の立場からは、事業や産業で資本を再配分しようとする時、税金と諸経費は個人投資家には重い負担となります。彼らは、ふつう、この仕事に仲介者を必要としているので、免税となっている機関投資家でさえ資本を動かすときには大きな経費に直面することになります。それから、投資銀行、会計士、コンサルタント、弁護士そして投資再配分の享受者はその多額の費用のおこぼれにあずかろうと、騒ぎ立てます。資本の移動は安くは済まないのです。

対照的に、バークシャーのようなコングロマリットは理性的で最小のコストで資本を割り当てられています。もちろん、このような形態であること自体が成功を保証するわけではありません。我々はたくさんの間違いを犯していますし、これからももっと多くの間違いを犯すかもしれません。しかし、我々の形態の利点は凄いんです。

バークシャーでは、税金やその他のコストによる多額の費用を生じさせることなく、我々は追加投資をするには機会が限られている事業から大きな見込みのある他の分野の事業に多額の資本を動かすことができます。その上、我々はもともとの産業で長年にわたり生活してきたことによる歴史的な先入観を持たず、現状を維持することに既得権を持つ同僚からの圧力を受けることはありません。それは重要なことです。馬が投資判断を支配していたとしたら、自動車産業は興らなかったでしょう。

我々が備えている、もうひとつの有利な点は、普通株で、素晴らしい企業を購買できる力です。それは、経営者のほとんどに対して開かれた行動指針ではありません。我々の歴史を通して、この戦略的な選択肢は非常に便利であることが分かりました。幅広い範囲のオプションは意思決定をシャープにします。我々が株式市場を通じて確かに、細切れに提供されたビジネスは、しばしば同時に提供される完璧なビジネスより、はるかに魅力的です。その上、我々が有価証券で獲得した収益は我々の資金調達能力を超えるような特定の大きな買収におおいに役立ちました。

実際には、世界は、現実に多くの会社に対して開かれた範囲を越えて、我々に機会を提供してくれるので、バークシャーの牡蠣です。もちろん、我々は評価できる経営見通しの企業に絞っています。そして、それは重大な制限です。チャーリーも私も多くの偉大な企業が今から10年後にどうなっているか、まったく分かりません。しかし、単一の産業の限定した経験しかもたない役員に課される制限よりは、かなり小さなものです。それに加え、我々は単一の産業を営んでいることによって可能性を制限されている多くの企業に比べて、はるかに大きな規模で収益を上げることができます。

私は、以前にシーズ・キャンディは資金需要の規模を越える利益を生み出していると述べたことがあります。もちろん、我々はキャンディの事業を拡大するためにもその資金を賢く使いたいと思っていました。しかし、そのような我々の試みの多くは、無駄なものでした。それで、非効率な税金や関連コストなしに、我々はシーズ・キャンディが生み出した余剰資金をつかって、他の企業を購入する助けとしました。もし、シーズ・キャンディが単独の会社のままであったのであれば、その利益は、時には重い税金とたいていは重要な機関経費や関連経費によって大きく減少させられたあと、投資家に分配されてしまうものでした。

 

***********

 

バークシャーには、長年にわたり、ますます重要になってきた、もうひとつの利点があります。我々は、今、優れたビジネスのオーナーや経営者たちの選択の拠点になっています。成功したビジネスを所要しているファミリーが、売却を考える時には、複数の選択肢があります。しばしば、最高の決定は何もしないことです。人生においては、一人がよく分かっていることで繁栄しているビジネスを持っていることより、ひどいことはあるものです。しかし、じっとしていることはウォール街では、あまり推奨されません。(床屋なカットしたほうがいいかと尋ねるのと同じようなことです)

ファミリーの一部が売却したいと思い、他の人はこのまま続けたいと思った時に、公募はしばしば意味あることとなります。しかし、オーナーが完全に現金化したいときには、ふつう、二つ方法のうち一つを選ぶことになります。

最初ひとつは2つの会社を統合することによる“相乗効果”をしぼりとる可能性を垂涎しているライバルへの売却です。この買い手は、オーナーがビジネスを始めた時に一緒に助けた同僚たちの多くを取り除くことを常に考えています。しかし、思いやりのあるオーナーは、彼らの多くがそうなのですが、ふつう、長年の同僚が悲しげに古いカントリー・ソング“彼女が得たのは金鉱で、おいらが得たのは立坑さ”を歌いながら去っていくのを望まないのです。

売り手の第2の選択肢はウォール街の買い手です。数年間、このような買い手は、自分たちをレバレッジバイアウトと呼んでいます。1990年代初期には、その言葉は悪名をとどろかせていました。皆さんは『野蛮な来訪者』を覚えていますか。そのときに、これらの買い手は、急いで、自らをプライベート・エクイティと呼び直しました。

名前は変わったかもしれませんが、それだけです。プライベート・エクイティの購入では資産が激減し、実質的に積み上げられます。本当に、プライベート・エクイティの購入者が売り手に提供する金額は被買収企業が耐えられると買い手側が見積もる最大の負債額によって決まる部分もあります。

このあと、ものごとが順調に運び、資産価値が増加し始めると、レバレッジバイアウト業者はしばしば再レバレッジをかけるべく新しい借り手を捜し始めます。それから、収益の一部を莫大な配当として支払います。その結果、ときには否定的な数字になるほど資産は急激に減少します。

実は、資産という言葉は、多くのプライベート・エクイティにとっては良くない言葉です彼らが好むのは負債です。そして、負債は、現在、とても安価であるので、これらの買い手は最高額を支払うことかできます。その後、しばしば、そのほかのさらにレバレッジをかけた買い手に転売されるのです。実質的にビジネスは売買対象の商品になっているのです。

バークシャーは、ビジネスを売りたいと思うオーナーに第3の選択肢を提案します。(時折、経営の交替は必要ですが、)会社の人々や文化が維持された永続的な家です。それ以上に、我々が獲得するビジネスは財務力や成長力を劇的に伸ばします。銀行やウォール街のアナリストとの取引も、終わらせることができます。

売り手の中には、こういうやり方が好きではない人たちもいます。しかし、売り手がそうであれば、バークシャーはあえて競争を求めることはありません。

 

***********

 

« ウォーレン・バフェットの「株主への手紙」2014(20) | トップページ | ウォーレン・バフェットの「株主への手紙」2014(22) »

バフェットの手紙」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ウォーレン・バフェットの「株主への手紙」2014(21):

« ウォーレン・バフェットの「株主への手紙」2014(20) | トップページ | ウォーレン・バフェットの「株主への手紙」2014(22) »