ウォーレン・バフェットの「株主への手紙」2014(25)
・ 我々の取締役は、我々の将来のCEOがバークシャーの取締役会が良く知っている内部の候補から生まれると考えています。我々の取締役は、また、後任のCEOは若い人で、長くこの職を務められる人でなければならないと思っています。CEOが平均して10以上舵を握っていれば、バークシャーは最良の動きをするでしょう。(新しい犬に古いトリックを教えるのは難しい。)そして、彼らは65歳でも隠退しそうにありません。(皆さんもお気づきでしょう)
バークシャーの事業買収と大規模な投資のいずれもで、反対者がバークシャーのCEOと友好的で満足を感じる関係にあることは重要です。そのようなタイプの信頼で関係を強化するには時間がかかります。しかし、見返りは莫大なものとなります。
取締役会も私も、我々には、現在、CEOとして私の後を引き継ぐ適任者がいると思っています。私が死ぬか、引退した翌日から仕事を引き継ぐ準備ができている人です。この人物は特定の重要な分野で、私が今している仕事よりよい仕事をするでしょう。
・ 投資はバークシャーにとって常に重要で、数人の専門家によって扱われます。彼らは、投資判断が幅広くバークシャーの事業や買収計画と調整される必要があるので、CEOに報告します。しかし、全体として、投資マネージャーは大きく自治に委ねられています。この領域でも、これからの数十年はすばらしいものとなるでしょう。トッド・コームズとテッド・ウェシュラーは、それぞれバークシャーの投資チームで数年を過ごしましたが、あらゆる点で第一級で、とくに買収の評価においてCEOの助けとなります。
すべてを語りました。チャーリーと私が現場を離れた後、バークシャーは理想的な配置をしています。我々には適材適所で人がいます。正しい取締役、マネージャー、将来の後継者。さらに、我々の文化は至る所に埋め込まれています。我々のシステムは何度も生まれ変わることができます。かなりの程度まで、よくも悪くも文化は自身を恒久化させていくものです。非常に正当な理由で、我々に似た価値をもつオーナーやマネージャーはユニークで永遠性のバークシャーに引きつけられ続けます。
・ バークシャーを特別なものにしているもうひとつの重要なものに敬意を表しないならば、怠慢ということになるでしょう。株主の皆さんです。バークシャーには他の大企業にないオーナーの基盤があります。その事実は昨年の株主総会で極端な形で示されました。そこで株主は委任状による決議が提案されました。
結果:会社は必要以上の現金を所有しているのに対して、株主はウォーレンのように億万長者ではないから、取締役会は株主に対して相当額の年間配当を支払うことを検討する。
その決議を提案した株主は総会に現れなかったので、彼の提案は正式に議場に提起されませんでした。それでも、委任状は集計され、それらは啓蒙的でした。
もっともなことですが、A株は比較的少数の株主によって保有され、多数の持分がありますが、配当議案について89対1で反対と答えました。
注目すべき投票はB株主の結果でした。彼らの数は何十万にもなり、おそらく百万を越えますが、彼らの投票は、およそ47対1で反対に投票しました。
我々の取締役は反対を推奨しました。会社としてはそれ以外に株主へ影響を加えようとはしませんでした。それにもかかわらず、投票数の98%が事実上こう言ったのです。「配当は要らんから、利益全額を再投資してくれ」。大小にかかわらず朋友たる株主のみなさんが、わたしども経営陣の持つ考えと協調しているのは、実に見事なことで、報われたと感じました。
みなさんのようなパートナーがいてくださり、わたしは幸運な男です。
ウォーレン・バフェット
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