Selection from My Favorite Numbers(2)
昨日の続きをいきましょう。
70年代初頭のフォークソングの中から出てきた、当時10代のシンガーのライブ盤。病院から直行してきましたと本人がMCでしゃべっていたけれど、自らをさらけ出すようにギター一本で直情的に歌にぶつけてくる。その切迫感は痛々しいほど。後年、香坂みゆきがカバーがしているのも悪くない。
山崎ハコと年代は変わらないはずだけれど、60年代後半のティストを色濃く残して、当時をノスタルジックに振り返って、感傷的になるという趣味。団塊世代で反体制とか好きなオジさんが涙を溜めながら安酒場でラジカセなんぞで聴くのが似合う雰囲気。この甘ったるさは青春なんだよねと言われれば、納得してしまう。
この人も、あんまり知られていない。というよりも数枚のレコードを残して消えてしまったという方が正しい。今だったら、日本の土俗的なティストをポップスの演奏に乗せる人たち、例えば元ちとせのような人が評価されるのだから、時期が早すぎたかもしれない。和太鼓みたいなリズムセクションの土俗的なビートで、オーケストラをバックに透明なボーカルが歌い上げる正統的な歌謡ポップス風のきれいなメロディのたたみかけるような印象は強烈で、一度聴いたら、耳から離れなかった。
アニメの声優さんだそうです。普段はアニメ声というのでしょうか甲高い声で舌足らずでしゃべっている人だそうで、歌いだすと一変して腹式呼吸の下腹から声が出てくるというパンチのきいた声で絶唱してしまうという落差と、声優ならではドラマチックな語り加味した歌詞の発声が、ポップス・ナンバーなこの曲が、オペラかミュージカルのレチタティーボのように聞こえてきます。
今日は、あまり知られていない人ばかりになってしまいました。私の天邪鬼な趣味がよく現れていると思います。ピアノの弾き語りで、山陰の地元に密着した活動をしているらしく、東京に出てきてたまにライブをするそうですが、大きなホールは敬遠してしまうそうで、知る人ぞ知るという歌手らしいです。それだけにライブでは一音たりとも聴き逃さない聴衆がつめかけ、息を呑むような緊張が張りつめるらしいです。この演奏はスタジオ録音でしっとりとしたナンバーですが、小さなホールで生歌で聴かされたら電気がはしるかもしれないと思います。
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