転勤(つづき)
転勤っていうのは、日本以外の各国の企業でも制度として在るのだろうけれど、私たちが普通に思っているような、例えば、転勤で全国を回ったとか、そういうのは日本的経営の人事制度、終身雇用制、年功序列制なんかをベースに、その一環としてあったと思う。終身雇用とか年功序列とかは、もはやなくなってきていると思われているところがあるのだろうけれど、その終身雇用や年功序列のもとで、それを補完し、その一環として機能してた制度が、未だに数多く残されていると思う。それは企業の問題ではなく、行政や社会も、それに未だに寄りかかっているせいもあるのだと思う。それは転勤だけに限らす、例えば、新規学卒者の一括採用であったり、正規雇用に対して非正規雇用を格差として見てしまう見方とその実態であったり、企業単位の健康保険や年金制度であったり、税金の直間比率で見れば公平にしにくい直接税の比率が高く、それを実質的に支える源泉徴収制度であったり、もっと広い目で見れば低所得者への救済措置を生活保護のような福祉政策ではなくて農業強化というような産業政策として実施したりということなどで、残っている。だから、例えば、就活に企業も、学校も躍起になっているのをみると、その真っ只中にいる学生も含めて、終身雇用や年功序列を肚のそこでは残ってほしいと望んでいる、ということになると思う。言い掛かりに近いかしらん。
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