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2015年7月 1日 (水)

コーポレートガバナンスそもそも(13)

海外のアクティブ運用者が日本に投資しない大きな理由の一つは、企業が株主を軽視していることだそうだ。彼らは日本企業の技術開発力や生産管理といった強みがよく分かっていて成長力を評価してもいる。しかし、成長しても株主を軽視している会社は、資本効率が低い、配当は出ない、株価は上がらない、それで投資して何のメリットがあるのか。逆に業績が悪化すれば、とんでもない希釈化を伴う大型投資があるなど株主は真っ先にリスクを被る。そういう企業、市場には特に長期の資金、企業が時間をかけて成長するとともに増加する価値を享受するというような長期投資はまずできない。しかし、このような株主軽視に見えている状況が、却って、短期的な投資を引きいれてしまう。株価のボラリティのブレ幅を収益機会とするため取れるタイミングがあると入ってくる。この流れが短期投資を助長し、日経平均は上がらない、しかし株価のボラリティ幅は増幅するという、低迷しながら不安定な市場になっていく、それを企業の側は投資家に距離を置いてしまう。それが、しばらくの間の市場の状況だった。そう考えれば、それではいけない、と真剣に考える人も出てくるだろう。ちょっと構えすぎたことをしゃべっている。

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