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2015年8月 2日 (日)

不正会計事件あれこれ(2)

東芝の件に関して、無理な利益追求を強行した経営の不祥事として、これを防ぐことができなかったことを以て、コーポレート・ガバナンスの不備であるとして、指名委員会等設置会社という先端的な経営形態をとっているのに、なぜという議論が散見される。しかし、そもそも経営者が厳しく利益を追求するのは当然のことで、現場の数字が未達であれば叱責しない経営者なんて経営者と言えないだろう。そのこと自体の違法性について、きちんと説明はなされていない。報道されているものを見る限りでは、結果としての数字がおかしい、それは数字に操作があった、その操作は経営が無理に利益を追求したからだ、というように結果ありきで、事態を説明するために理由を探し回ったようにしか見えない。では、なぜ経営のそのようなことをする動機は何なのか。例えば、以前のエンロン事件ではストックオプションによる報酬の実額を増やすために利益を見せかけて株価を引き上げ、差額をガッポリ稼ごうとした。だから、そういう気を経営に起こさせないことが、コーポレート・ガバナンスのシステムづくりの重要な要素となっていったはずだ。だから、今回の東芝で、そういうシステムが働かなかったのは、東芝の経営者の動機がエンロンとは違っていたはずだ。コーポレート・ガバナンスの発想はそういうところにある。そのベースには行動主義的な人間の見方だ、その見方に従えば、今回の東芝の事件の違法性はそういう結果が起こったこと自体であるという客観的違法性ではなく、当人の動機を勘案する主観的違法性を見なければならないはず。(この議論は、刑法理論の旧論と新論の比較を参照してください)そのように考究された原因をもって、コーポレートガバナンス・コードの再検討が真摯になされなければならない、と私は思う。それは、投資家がもっと真剣に求めるべきだ。そうでないと、コーポレートガバナンス・コードはただの飾りに終わってしまうおそれがある。

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