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2016年1月31日 (日)

プラド美術館展─スペイン宮廷 美への情熱(1)

都心の大手町周辺に終日用事があって、うろうろ歩き回った。そのやりくりのなかで、ポッカリとまとまった時間が空いてしまったが、会社に戻って出直すには中途半端な時間で、近くにあったので、時間潰しも兼ねて寄って見ることにした。平日の昼間で、しかも展覧会の会期としては始まったばかりであるのに、かなり拝観者が多かった。上野の美術館で印象派やルネサンスの名画を展示する展覧会のような雰囲気といえばよいだろうか。拝観者の年齢層は高めなので、うるさいというのではなかったが、落ち着いてゆっくりと鑑賞できる環境ではなかった。今後は、もっと混雑するかもしれない。

Pradopos この展覧会は、スペインのプラド美術館の膨大なコレクションの一部をピックアップして持ってきたものなので、全体としてどうなのか、というよりも、展示された中で気になる作品を取り上げて、個々に感想を述べるのが適当と思います。ただし、作品の一部をどのようにしてピックアップしてきたのかは、何となく気になるので、長くはなりますが主催者の一方である、プラド美術館の関係者の挨拶を引用してみます。

“プラド美術館は間違いなく、ヨーロッパ美術史における大河のひとつです。このたび私どもは、広い河床を流れるあふれんばかりの所蔵品群から最も小さな作品に着目し、ゴールドハンターのごとくその偉大さ、独自性をすくい取りました。そうして集められたのは、岸辺に控えめな姿を見せる作品ばかりですから、私たちはじっくりと、注意深く鑑賞する必要があります。「プラド美術館展─スペイン宮廷 美への情熱」はプラド美術館の収蔵品の高い質と歴史的アイデンティティの要約といえます。小さなサイズという共通項を持った100点以上の絵画を集めた本展覧会は、15世紀から19世紀の終わりまでの西洋美術に向け、比類ないツアーを提案いたします。

本展覧会で私たちは、実際にプラド美術館に行ったかのように、ルネサンス期の芸術家によってよみがえった古代の古典様式と出会い、またバロックにおける自然と超自然的なものを、恍惚に我を忘れるほど大胆に解釈する傾向を見ることができます。近代芸術のあらゆる様式は、芸術家の主観と内面性が手を取り合う途中でついに混ざり合い、やがて現代の入り口に到達して、我々の時代の断片的なものの捉え方のなかに溶けていくのです。これはまた、ボス、ティツィアーノ、エル・グレコ、ルーベンス、ベラスケス、ゴヤ、フォルトゥーニといったプラド美術館の偉大なる芸術家たちの匠の技に関する物語でもあります。ここでは、手に取って見るために作られたかのような小品ならではの独特の視点から、これら巨匠の技を鑑賞することになります。

このなかに来館者は、作品の依頼者が私的に楽しむため細心の仕上げが施されたものや、大きな作品の縮小版、ラフな下絵スケッチ(ボツェット)や、より綿密に描かれた小型の下絵雛型(モッデリーノ)、自然写生といった、重要な芸術家たちの天分と創作過程を余すことなく表わす作品を見出すことでしょう。多種多様な技術と素材(木板、カンバス、石板、銅板)を用い、あらゆるジャンルの用に供され、美術史上可能な限りのテーマで描かれた作品の数々。まずは宗教的イメージと肖像に始まり、時代が下ると自然と人間が織りなすドラマ、その奇想と創意が表現されています。本展覧会は、プラド美術館で2013年に開催されたものです。その成功によりバルセロナでも展示され、そしてこのたび、東京の三菱一号館美術館で特別バージョンにて紹介する運びとなりました。今回は新しい作品やテーマを加え、特に女性の世界とその固有の美しさの側面を強調し、より豊かな内容となっています。プラド美術館を、最小かつまばゆい小品群で再構成して展示するという本展覧会は、感受性の鋭い日本の観客への挑戦として新たに提起されました。日本人は古来、小さなサイズで細部まで表現に凝った作品のなかに囚われた美を評価し、理解するという習慣を持っているからです。ここに選ばれた作品を鑑賞するということは、自分と作品との関係を明らかにし、また作品を判断する際に行使する自由と自分との関係をも明らかにすることであります。そのようにしてはじめて、非常に複雑な行為の褒美を得ることになります。すなわち、知識と美をわがものとするのです。”

つまり、端的に言えば、サイズの小さい作品を、著名な画家の作品の中から、万遍なく選んだ、というものです。

ということで、たぶん膨大なコレクションなのであろうプラド美術館の所蔵作品の中から、ある種の視点で作品をピックアップしたというのであれば、そこに趣向とか世界観があるはずですが、今回は、そういうのではないらしい単なる見本市のようなものらしいので、私の見た中で、いつくかの作品を取り出して、感想を加えていきたいと思います。たぶん、とりとめのないものになるだろうことを、ご了承願います。展示は年代順だったようなので、その展示順にしたがって見ていきます。

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