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2016年3月13日 (日)

ウォーレン・バフェットの「株主への手紙」2015(7)

本質的なビジネスの価値

チャーリーと私が本質的なビジネスの価値についてお話しするのと同じほど、我々はみなさんに正確にその数値がバークシャー株式の数に対してどの程度かを話すことはできません。しかし、分別のある予想をすることはできます。我々は2010年の年次報告に、3つの要素を載せました。その1つは質的で、我々がバークシャーの本質的な価値を見ることができるキーポイントと信じているものです。その議論は113ページから114ページに再現されています。

ここに、2つの量的要素の最新版があります。2015年に、我々の1株当たりの投資額は8.3%増えて159,794ドルになりました(時価で計上したクラフトハインツ株)。また、保険と投資以外の企業からの我々の税引き前利益も、2.1%増えて12,307ドルとなりました。我々は第2の要因において、投資から得られる配当や利子を除外します。それは、それらが価値の二重計上を引き起こすことになるからです。収益の数値に達するには、我々はすべての企業の間接費、利子、減価償却、償還、少数株主利益等を差し引きます。しかし、所得税は差し引かれません。つまり、利益は税引き前のものです。

我々の保険引受利益を事業利益に初めて含めたので、上記の文章ではイタリック体にしています。保険の業績は大災害の填補によって大きな影響を受けるため、我々はバークシャーの2つの量的要素を最初に考えたときには、この保険引受利益を含めませんでした。風が吹かず地面が揺れなければ、我々は大きな利益を得ることができました。しかし、大災害は赤字を招いてしまうのです。我々の事業の説明をことにおいて確実であるために、我々は、一貫して引受業務がずっとイーブンになると仮定して、年間の第2の要因の計算において、この損益のいずれも無視しました。

今日、我々の保険の業績は、我々が大災害の填補を重視するのをやめて、この事業の小さな実際上の方向を伸ばしてきたので、10年から20年前に比べて安定してきました。昨年、我々の保険引受利益は1株当たり1,118ドルとなり、ここでお話している項目の第2パラグラフで参照された利益の1株当たり12,304ドルに、その分寄与しています。過去10年間にわたり、年間の保険引受利益は1株当たりで平均1,434ドルを保ちました。そして、我々は、この利益を期待しています。しかしながら、皆さんは、特定の年においては保険引受利益は得られないことがあることを覚悟しなければなりません。

1970年以降、我々の1株当たりの投資を毎年複利で18.9%のレートで増やしてきました。そして、我々の1株当たりの利益(保険引受業務利益を最初最後の年に含む)は20.6%の速さで増えました。我々の、この2つの価値の尺度と非常に近い割合で45年間という期間にわたるバークシャーの株価が増加したことは、偶然の一致ではありません。チャーリーも私も、この2つの尺度の両方が増加してほしいと思っていますが、我々は常に業務による収益の構築をより強く求めています。

 

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さて、我々の事業の4つの主要なセクターを見ていきましょう。そのセクターそれぞれには他のセクターとはかなり異なる貸借対照表と収入の特徴があります。したがって、それらを一緒くたにしてしまうと分析できなくなります。(これらのビジネスを一つの屋根の下で持つことは、重要で永続的な利点があるのですが)そこで、我々は、チャーリーと私が見ているのと同じように、これらを4つの別々のビジネスとして説明します。我々のゴールは、皆さんが報告するマネージャーで、我々がその場にいない株主であるという逆の立場あったときに、当然望むであろう情報を皆さんに提供することです。(怒らないでください。我々に、そういう意図はありませんから)

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