ウォーレン・バフェットの「株主への手紙」2015(9)
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我々には、コピー困難なビジネスモデルをもち、ビジネスを規律正しく実行する保険マネージャーがいるため、バークシャーの魅力的な保険ビジネスが成り立っているのです。皆さんには、主要なユニットを説明しましょう。
フロートのサイズでみると第一は、アジット・ジェインによって運営されているバークシャー再保険グループです。アジットは他の誰もがやろうとせず、資金をかけようとしないリスクに対して保険をかけます。彼の活動は、保険ビジネスの中ではユニークな方法で、能力、スピード、決断力と最も重要な頭脳を組み込んだものです。彼はバークシャーを我々の資源に関して、不適当な危険に決して晒しません。
本当に、バークシャーは大部分の保険業者に比べて、そのようにリスクを避けるという点ではるかに保守的です。例えば、保険業界がいくつかの大規模な大災害の被害で、これまでに直面したもののおよそ3倍の損害となるような2500億ドルの損害を経験したとしても、これまでの利益の連続により、その年には穏健な額の利益を計上するでしょう。我々は、また、潤沢な現金の保持を継続し、混乱している保険市場に大きなチャンスを探し続けるでしょう。これに比べて、他のすべての主要な保険業者と再保険業者は大幅な赤字となり、そのいくつかは債務超過に直面するでしょう。
アジットが1986年のある土曜日にバーシャーに入社した時には、保険ビジネスの経験は1日もありませんでした。それでも、当時の保険事業のマネージャーだったマイク・ゴールドバーグは、彼に我々の再保険事業を託しました。そのおかげで、マイクは聖人を生んだのです。それ以来、アジットはバークシャーの株主のために何百億ドルにもなる価値を創出しました。
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我々には、ゼネラル・リーというもう一つの強力な保険チームがあり、これをテッド・モントロスが率いています。
本質的には、健全な保健活動には四つの規律を固く守る必要があります。それは(1)ポリシーが損失を招くような異なる際に晒されているすべての危険を理解していなければならない、(2)それを実行する場合に損失や見込まれるコストを引き起こすと見込まれるあらゆる要素を保守的に評価しなければならない、(3)将来の損失コストと営業費をカバーして、平均して利益を上げることの出来るプレミアムを設定しなければならない、(4)適切なプレミアムを得ることができない場合には退場する用意をしておかなければならない。
多くの保険会社は最初の3つのテストには合格するものの、第4に失敗します。彼らは、単に競争相手が熱心に引き受けている保険ビジネスに背を向けることができないのです。”付和雷同”という古い諺は、保険にはよく当てはまりますが、それ以外のどんなビジネスでもトラブルを招くことになります。
テッドは四つの保険規律を全て守りました。それは彼の成果に現われています。ゼネラル・リーの巨大なフロートは彼のリーダーシップの下でコストフリー以上の状態にあり、平均して将来もそうあり続けるだろうと予想できます。我々は、ゼネラル・リーの国際再保険ビジネスに特に注目していますそして、我々が1998年に買収して以来、一貫して有益な成長を達成してきました。
我々がゼネラル・リーを買収して間もなく、私が大きな間違いを犯したと信じる評論家たちが引き起こした問題に悩まされたことを忘れることはできません。しかし、それも遠い昔の話です。現在のゼネラル・リーは宝物です。
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最後に、私が64年前に最初の経験を積んだ保険業者であるGEICOがあります。GEICOは、18歳で入社し2015年までに54年にわたって勤め続けているトニー・ナイスリーによって運営されています。トニーは1993年にCEOとなり、会社を飛躍させました。トニー以上のマネージャーはいません。私が彼と知り合った40年間、彼のあらゆる行動は、たいへんな意味を持つものとなりました。
1951年1月に初めてGEICOに引き合わされたとき、私はGEICOが業界の巨人が負担する経費に比べて、莫大なコスト面での有利さを謳歌していることに衝撃をうけました。それは成功するに値するものだったので、GEICOが成功するのは明らかでした。
自動車保険にお金を払いたいと思う人はいません。しかし、ほとんどの人は自動車を運転するのは好きです。必要とされる保険は、ほとんどが家族のために加入するというものです。家族の事故に対する備えは、低コストで、実現しようとするのです。本当のところ、この手紙を読んでいる方々の少なくとも40%はGEICOで保険をかけることによって、無駄なお金を節約することができます。だから、こんなものを読むのをやめて、GEICOのウェブページが電話にアクセスしましょう。
GEICOのコスト面での有利さは、同社が年々マーケット・シェアを貪り食うように高めるのを可能にした要因です(バークシャーがGEICOの経営権を買収した1995年の2.5%に比べて、我々は2015年には11.4%に引き上げました)。このようなコストの低さは競争者との間に越えられない堀をつくり、それは永続的なものになっています。
一方、我々のヤモリ(GEICOのキャラクター)が、アメリカ中の人々にGEICOが如何に重要なお金を節約するかを話し伝え続けています。私は、この小さな存在がメッセージを伝えようとしてのを聞くのが好きです。「15分は皆さんに自動車保険を15%させします」(もちろん、中には快く思わない人もいるでしょう。このような人は保険以外の議論ができないので、限られた動物だけが語ることの出来るのが嬉しいと友人は言います。)
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我々は3つの主要な保険会社の他により小さな会社のグループを所有しています。そして、それらのほとんどは保険世界の特殊な片隅で取引を営んでいます。全体として、それらは一貫して利益をもたらしてきました。これらの会社は、過去13年間でフロートを9億4300万ドルから99億ドルにのばして、引き受け業務から40億ドル稼いでくれました。
3年前、我々は、このグループの中に入るバークシャ・ハサウェイ専門保険(BHSI)を設立しました。我々の最初の決定は、ピーター・イーストウッドを担当にすることでした。これはホームランでした。ピーターの経営の下でBHSIは年間10億円の掛け金を創出し、世界の主要な損害保険会社のひとつに成長する運命にあります。
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バークシャーの偉大なマネージャーたち、最高の財務力、そして広い濠をもった多様なビジネスモデルは保険の世界においてユニークなものを作り出しています。これらのコンビネーションは時とともに価値を高めるので、バークシャーの株主にとって大きな資産となっています。
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