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2016年3月11日 (金)

ウォーレン・バフェットの「株主への手紙」2015(5)

 バークシャーは、アメリカン・エキスプレス、コカ・コーラ、IBMそしてウェルズ・ファーゴという“ビッグ・フォー”に対して、昨年、投資を増やしました。我々はIBM(2013年末の7.8%から8.4%に増やすことになります)とウェルズ・ファーゴ(2014年末の9.4%から9.8%に増やすことになります)の株式を追加購入しました。他の2社、コカ・コーラとアメリカン・エキスプレスは自社株買いを行ったので、我々の所有比率は相対的に上昇しました。コカ・コーラの我々の資産は9.2%から9.3%に上昇し、アメリカン・エキスプレスでは14.8%から15.6%になりました。そして、皆さんが小数点以下のパーセンテージは重要でないと思うなら、この数字を考えてみてください。全体の中で、この4社では我々の資産シェアが1%上昇すれば、バークシャーの年間利益の分け前が5億ドル増えることになります。

この4つの会社は、優れたビジネスを持ち、才能に恵まれた、株主指向の経営者によって経営されています。これらの会社への投資によるリターンは良好から驚異的の間で推移しています。バークシャーでは、我々は、まあまあのビジネスを100%所有することよりも素晴らしい会社の相当な部分を非コントロールで所有する方を好んでいます。水晶のすべてを所有するよりは、希望の持てるダイヤモンドの一部でも持っているほうがいいのです。

バークシャーの年末の保有高がマーカーとして使われるのなら、“ビッグ・フォー”2015年の経常利益の我々の持ち分は47億ドルに達しました。しかしながら、我々が皆さんに報告している収益には、昨年は約18億ドルだった受け取った配当しか含めていません(3年前の配当は8億6200万ドルでした)。しかし、それはあやまりではありません。我々が報告していない30億ドルの収益は、バークシャーが計上する分と同じように大切なものです。

これらの会社は保有している収益で、しばしば自己株式を取得します。自己株式の取得は、我々に10セントの現金も使わせることなく、これらの会社の将来の収益に対するバークシャーの持ち分を強化する動きです。彼らは利益剰余金を、普通、有利と判断されるビジネスに投資します。これらのことから、この4社の一株あたりの利益は、時とともに、かなり増加するだろうことを予想させます。期待している利益が実現すれば、バークシャーの受け取る配当は増えるでしょう。さらに重要なことは未実現のキャピタル・ゲインの同じように増えていることです。

我々の資本配分は柔軟性があり、我々が経営を見ない事業に多額の投資をして分け前を受け取ることもできます。それは、自分でできるビジネスしか取得しない会社よりも有利になることができます。ウッディ・アレンはバイセクシャルであれば、土曜の夜にデートの相手が見つかるチャンスは2倍に増えるかに有利だといったことがありました。必ずしも、この通りいくとは限りませんが、この両方の企業に我々が投資しようとすることはバークシャーの無尽蔵のキャッシュの源泉の懸命な使い道を見つけるチャンスを2倍にするものです。これ以上に、有価証券の大きなポートフォリオを組むことは、巨大な買収が提案された時に使うことのできる資金を備蓄するにもなるのです。

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