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2016年3月14日 (月)

ウォーレン・バフェットの「株主への手紙」2015(8)

保険業 最初に、保険事業から見ていきましょう。1967年のこのレポートを公にして以来、一貫してバークシャーの拡大成長のエンジンとなり中核を担ってきた事業です。我々が1967年にナショナル・インデミニティとその姉妹会社ナシャナル・ファイエ・アンド・マリーンを860万ドルで買収して以来、この分野は我々の拡大成長を牽引したエンジンでした。今日、自己資本で量ると、国家賠償は世界最大の損害保険会社です。さらに、その固有の価値は我々の帳簿に計上される価値を、はるかに上回ります。 我々が資産事故保険ビジネスに引き付けられた理由のひとつは財政的な特徴からでした。資産事故損害保険業者は前払いのプレミアムを受け取り、後で請求に対する支払いを行います。極端な場合、特定の労災補償事故のような場合は、支払いが数十年間延びることがあります。このような、今現金を受け取り、支払いは後になるモデルでは、我々の手元に多額の「フロート」と呼ばれる現金が据え置かれることになります。最終的には、そのお金は我々の手元を離れることになるのですが。一方、我々がこのフロートを投資に振り向けることで、バークシャーは利益を得ることができます。ここの方針や主張は行ったり来たりしますが、我々が抱えるフロートの総額はプレミアムボリュームに関して安定しています。その結果、我々のビジネスは、フロートに応じて成長しました。我々がいかに成長したかは、下に表しています。(下の表は省略) 今後、フロートをさらに増加させていくのは難しいと考えられます。プラス面としては、ガイコや我々の新しい商業保険は急速に成長していくことでしょう。しかしながら、ナショナル・インデミニティの再保険部門では、たくさんのランオフ契約を保持しており、これらのフロートが不安定で落ち込む可能性があります。我々が将来のフロートの低下を経験するとしても、それは非常に段階的で、数年で3パーセントを以上にはならないでしょう。我々の保険契約の性質は、我々の持っている現金資源に比べて、それを上回るような金額を即時に支払わなければならないような要求を受けることはあり得ない、というものです。 プレミアムが我々の費用と最終的な損失の合計を上回っていれば、フロートが産み出す投資収益を加え、我々は引受業務利益を計上します。このような利益が産み出されるとき、我々は自由なお金の運用を喜びます。さらにこれを増やしながら、後の支払いを待ちます。 残念なことに、このような幸福な結果を成し遂げたといいう保険業者の願望は、激しい競争を引き起こします。ほとんどの年に競争は活発であるため、損害保険業界全体に大きな引受業務損失を起こすほどです。この損失は、事実上、業界がフロートを保持するために支払うようなものなのです。競争のダイナミズムは、保険会社に対し、すべての会社がフロート収入を持っているにもかかわらず、アメリカの企業と比べて水準を下回る収益しか得られないという惨憺たる記録を続けることを強いています。我が国の低金利の長期化は、フロートによる利益の減少を引き起こし、それによって業界の収益環境を悪化させています。今後10年間の業界の業績が、特に再保険を専門とする保険会社において、この10年間の業績を下回るだろうということは当たっていると思います。 この報告書の最初のセクションに見られるように、バークシャーは13年連続で引受業務利益を上げてきて、この期間の税引き前利益の合計は262億ドルにも達しました。我々は、これからも、ほとんどの年に収益の高い引受けを続けるだろうと信じています。そうすることは、貴重なフロートがひどい引受け結果によって台無しになってしまう危険をよく知っている保険マネージャーたちの毎日の注意点なのです。このメッセージは保険業者の間ではお世辞として受け取るものですが、バークシャーにおいては宗教的心情になっています。 それで、我々のフロートはどのような我々の本質価値の計算に影響するのか?我々のフロートはバークシャーの帳簿価格を計算する際には負債として完全に差し引かれます。ちょうどそれは、我々が明日払わなければならなくって、それを補充するものがない時のように。しかし、それはフロートを表示するには誤った方法で、回転資金として置き換えて見られるべきです。毎日のように、我々は古い請求への支払いを行い、2015年には600万人以上の請求者に対し合計で245億ドルになり、フロートを減らしました。同じようにたしかに、我々は毎日のように新たな保険契約を結び、それによってフロートを加えるあらたな請求を引き起こします。 もし、我々のフロートの回転にコストがかからなくて、それが永続するのであれば、私はそれはありえると思いますが、この責任の本当の価値は会計責任に比べ劇的に少ないものになるでしょう。新規事業は代替品を届けることは確かなため、建物の外に出ることのない1ドルを借りることは、明日ドアを開けて出て行って帰ってこない1ドルを借りることとは違います。しかしながら、このような負債の二つのタイプはGAAP(一般会計原則)では同じものと見なされます。 この誇張された負債を部分的に相殺するのは、資産として帳簿価格に含まれる保険会社に対する”のれん”に起因する155億ドルです。しかしながら、”のれん”のコストは本質的価値とは関係がありません。例えば、もし、保険ビジネスが大規模で持続的な引受業務損失を生み出してしまうのならば、それに起因する好意資産は、当初の導入コストがどれだけかかっていても、意味がないと考えざるを得ません。 幸いにも、バークシャーはそうではありません。チャーリーも私も、我々の保険業務の”のれん”の本当の経済的価値を信じています。だから、継続的な運用価値の超過額が大きくなるかぎりで、我々の持つフロートとよく似た性質のフロートを持つ保険業務を購入するのに喜んで支払います。実に、我々の保険事業においてうまく運用された155億ドルのほとんどすべてが、すでに2000年の我々の帳簿に存在していたのです。それでまた、我々はフロートを、その後3倍にしました。それは、我々がバークシャー固有の本質的なビジネス価値が帳簿価格を大幅に上回っていると考えている理由、しかも大きな理由です。

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